「文系」のスタートアップ経営: CCCC = Clear, Concise, and Compelling Communication でどう役に立てるか?
この記事では、先日投稿したどうやってスタートアップに「潜り込む」…というか「価値を認めてもらうか」につき自分なりのアプローチを記した以下の記事中の③「ストーリー基点」について補足というか少し違う視点から掘り下げています。
キーワードはCCCC = Clear, Concise, and Compelling Communication [1]。
科学者ないし技術者としての正式な教育・訓練を受けていない自分が関わったスタートアップの科学・技術を理解しているかを判断する最良の方法は、自分よりさらに知識の無い相手にその科学・技術を使って作った製品が「なぜ役に立つのか」「代替製品に比べどう優れているのか」「どうやってその製品がお金になるのか」を自分よりさらに知識のない相手に要領よく説明し納得して貰えるか否か。
ビジネスを行う上ではそういう「自分より知らない」相手と付き合って何がしか役務なり資源なりを提供してもらわないといけないのでこの「要領よく簡潔かつ説得力ある説明 (Clear, Concise, and Compelling Communication [1]」が大切なのはもちろん、「科学や技術に詳しいはず」な投資家相手のコミュニケーションと関係構築を進める上でもこうした説明力は重要。
なぜかって?そうした「詳しいはず」の投資家(VC) の背後には投資の原資提供と引き換えに説明責任を負う出資者(LP) がいるから。投資家にそのまま使える、あるいは自分の言葉に置き換えて出資者に「このスタートアップにこんな説得力ある理由で投資したか」と伝得られるCCCCを提供するのもスタートアップ経営者、特にCEOの仕事だから。
このCCCCを考え作る力は、官房長官というか側用人みたいな立場でCEOを補佐し、時には代弁しなければいけなかった自分が最初は必要に迫られ、そして途中から面白くなって「好きこそのものの上手なれ」として事業開発や経営計画・資金計画作りといった「本業スキル」とは別に身につけた能力なのだな、と理解もし自負もしています。
そして自分が素人なりにない知恵を絞って考えた「知識が不足しているため、正規の訓練を受けていないため」ゆえに逆にその道の専門家から「面白くてわかりやすい」と言って貰えるとプロとしての充足感を超えもはや快感・快楽の域…ってそれじゃ本物の仕事中毒・依存症か。でもそれ「当たらずとも遠からず」なんですけどね、自分の場合(苦笑)。
[1] この記事の元となったFacebook への投稿ではCCCE = Clear, Concise, and Compelling Explaining としていましたが、どうせなら「Cが四つ」にしてしまおうと思い直しこちらでは"CCCC" とします。書きながら思いついたものなので、何がしか権威ある文献などに由来するものではありません。