宮仕え、世間からの逃走
宮仕えという籠から出られても、世間という籠から
出る訳にはいかないだろう。
がんじがらめの関係性、しがらみから抜け出るには、何らかの術がいる。
喰えねばならんし、喰わせねばならん。宮仕えの身でもそれは、楽なことではない。
ましてや、運よく金ができても、嫉妬と相互監視のこの世の中、自足できる財産などむしろ目立ち過ぎ、却って身の危険かもしれない。
宮仕えにおいては、働き過ぎず、かつ怠け過ぎず、協調性を持って同僚、上司、部下からの攻撃、嫉妬を避けねばならん。
ベタベタせんでも、不可侵条約くらいの距離感は持たんといけない。
なかなかにタイヘンである、人間稼業というものは。