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あなたは、ブラジルに叔父がいますか? #2 因果

世の中には2種類の○○に分けられる… みたいなセリフがよくあるけれど

「オジ」を漢字にすると 叔父 と 伯父 がある

叔父とは父母の弟 伯父とは父母の兄 をさす   ということでブラジルの叔父さんは 親父の弟なのである

僕の親父は山田家(仮)の長男 そして次男にブラジルの叔父さん 三男・四男が双子の叔父さんたち その下に末の長女の叔母さんがいる 合わせて5人兄弟

子供世代の僕から見て この親世代の5人兄弟は ちょっと不思議な関係にある まぁだって 叔父さんの一人はブラジルで移民をやってるわけだしね

それだけでなく どこかちょっと よそよそしいのだ

僕はこれが当たり前と思っていたから はじめは気づかなかったのだが 母や他の人から見ると どこか互いに距離感があるという

それがどうしてなのか 答えというのか 僕なりの納得のいく解釈に 3分の1か半分か ちょっとくらいはたどり着こうとしている

そして今も 叔父さんはなんでブラジルに行こうと思ったのか その理由を少し怯えながら探している

そんなどこかちょっとよそよそしい 山田家(仮)の親世代だが 一族の毎年恒例行事がある それは地元の夏祭りを 親戚みんなで集まって過ごすことだ 僕が小さな子供のころから続いている

親世代の5人兄弟には それぞれ2人の子供がいる 親父の家 つまり僕の家族構成としては 僕とその上に5つ離れた姉がいる 従兄弟同士は年齢が5~6歳ほど離れているくらいで 子供のころからいつもお祭りで仲良く遊んでいた 互いに親世代の仕事が忙しい時は 子供を預けたり お泊り会をすることもあった 僕ら子供世代の感覚では 互いに兄弟同然だった

急に話が変わるが 山田家(仮)は市街地の裏手に 鉄筋4階建てのビルを所有している 所有といっても そもそもがそこが本籍地になっている 今現在 僕の両親が生活している実家とは別に 本籍地が存在している これもなんだかちょっとワケありな感じを臭わせている ここら辺の話は またいつかに…

お祭りのときは いつもそのビルの3階で みんなで集まった 大人たちはお酒を飲み 子供たちはお祭りに参加して それが終わったら 町内で配られるお菓子を食べながら 近くのゲームセンターで 夜遅くまで遊んでいた お祭りの日だけは特別な日だったのだ まだ地元の人口も多くて 活気があったころ 僕が10歳くらいのころか

それと 最近になって お互いの子供が独り立ちして 地元を離れてからは お正月に親戚一同で集まる これも毎年恒例となった

他の人の親戚づきあいというのはこんな感じなんだろうか?

一見すると すごく仲のよい 親戚づきあいをしている というと まるで仲が悪いような含みを持たせてしまっているが こんなにも仲良くあろうとするのは きっと親世代の中で なにか失った時間を取り戻そうとしているのか もしくは 子供たちの世代では 分け隔てなく仲の良い関係を作ってほしいと 思っているからなのか

これまで山田家(仮)一族の歴史を聞くと どうもそんな気がしてしまう

ともあれ 僕たち従兄弟は 幸運にも 兄弟同然で育った

そして いつだったか こんなことを互いに思い始めた


「ブラジルにも従兄弟がいるんだよ」

『いつか会えないかな 会いたいね』