展覧会レポ:日本橋高島屋S.C.「知られざる文具アートの世界」
【約1,800文字、写真約10枚】
チケットを頂き、「百貨店で開催されている展覧会は行く機会がないなぁ、片桐仁さんも気になる」と思い行ってきました。その感想を書きます。
結論から言うと、情報バラエティ番組で特集されるような作品が多く、満足度は高くなかったです。ただし、来場しているお客さんは楽しそうに会話、写真撮影をしていたので、高島屋の客層にはうまくマッチした展覧会かな、と思いました。おすすめ度は★2です。
私が日本橋高島屋に行くのは4年ぶりくらい。過去の日本橋は集客性があった地域かもしれませんが、今となっては、日本橋にわざわざ行く理由がないし、銀座から日本橋まで歩くことは、よほどの理由がない限りないですね。百貨店は図体が大きいだけに、お客さまの動きに合わせて、簡単に立地を変えられないのが辛い。そこも百貨店の収益性の悪化要因かなと思いました。
「知られざる文具アートの世界」
この展覧会では、文具を使った国内のアートを展示しています。使っている文具は、鉛筆、輪ゴム、セロテープ、段ボール、マスキングテープ、シール、ペンなど。身近な素材を使ったアートを展示することで、普段はアートに興味がない人でも訪れやすい内容になっていました。百貨店が開催する展覧会としては、ライトな客層とマッチしていますね。おばさまやおじさまが雑談しながら鑑賞し、写真をパシャパシャ撮って楽しんでいました。
作品は、芸術性の高いもの、高くないもの(失礼)があり玉石混交でした。情報バラエティ番組で取り上げられそうな作品がメインだった印象です。
モノによっては「工作かな」という感想でした。私の中で「アート」とは、作者による何らかのメッセージ(思想・感情)がないと納得しづらいです。
例えば、鉛筆の芯を削って極小の何かを作り出すのは、素晴らしい能力だと思います。ただし、「それで何を伝えたいんだろう?」と感じました。
日本橋高島屋のエレベーター(重要文化財)
展覧会とは全然関係ないですが、日本橋高島屋のエレベーターが気になりました。案内係の方が手動で操作するエレベーターです。各エレベーター内に案内係の方が2名もいて、各階に停まるごとに外に出て「お乗りのお客様はいませんか?」と聞いてまた戻る。すごく時間がかかるし、そこに2名も従業員を配置する意味があるのでしょうか。
高島屋の営業利益率は8.8%(2023年2月期、意外と高い)ですが、もっと圧縮できる部分はあると思いました。私が高島屋の株主なら、このエレベーターのような経費の使い方は即やめてもらいたいです。お客様が望んでいるなら仕方ないですが、これは誰も望んでいないと思います。
なお、後から知りましたが、このエレベーターは重要文化財に指定されているそうです。言わば、アトラクションのようなものでしょうか。それにしても、ヒト・モノ・カネが限られるなか、存続の是非を議論すべきでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?普段見ない楽しい”アート”が展示されているのはポジティブでしたが、私にとっては期待していた「アート」ではなかったため、今ひとつでした。百貨店の展覧会に久々に行けたのは良かったです。
補足
Thank you for your support!