展覧会レビュー:町子の動物ワールド@長谷川町子記念館
この企画展で得るものは多くないが、長谷川町子さんの優しい人となりに触れることができて、ほっこりした気持ちになれました。難しい内容ではないため、普段から美術館に行かない人にとっても、小遠足にぴったりです。
また、美術館に行く前にはHPを確認しないといけないと思いました。
長谷川町子美術館に行くのは約8年ぶり。今回は「町子の動物ワールド」として、長谷川町子が描いた動物をフィーチャーした企画展ということで、子供も楽しめると思ったため、久しぶりに訪問しました。
到着して驚いたことが二つ。
1)「長谷川町子美術館」が一時閉館している!
2)「長谷川町子記念館」が新しくできている!
「長谷川町子記念館」は2020年4月14日にオープン、美術館(1985年オープン)では展示できる作品数が限られるため、長谷川町子生誕100周年のタイミングで設立されたようです。
記念館は、カフェも併設され、展示スペースは大きく3つ。A)1階に遊んだり過去の作品を読める展示スペース、B)2階に企画展、C)2階に長谷川町子の経歴に関する展示。
企画展「町子の動物ワールド」は、学びがある、というより長谷川町子の人となりがわかる構成。スペースは大きくなく20分くらいで見終わります。作品の性質上、文字が多いので読むのに疲れる人もいるかもしれません。
長谷川町子さんは、犬、猫、鳥、リスなどたくさんの動物を飼っており、時には、他の家で飼われてる動物の環境が可哀想で「私が飼います」と手紙を書いたエピソード(うろ覚え)もありました。サザエさんを中心に長谷川町子さんの作品は、その優しさから生まれた背景がよく理解できました。
美術館はサザエさんや、長谷川町子さんが蒐集した作品が展示されているシンプルな構成でしたが、記念館は1階に遊べる空間もあることで、サザエさんをあまり知らない世代も楽しめるように作られているのが印象的でした。
企画展自体は、得るものがたくさんある!というものではありませんでしたが、久しぶりにサザエさんに触れることができ、長谷川町子さんのほっこりした人となりを再認識できて良かったです。
長谷川町子美術館・記念館は、普段は美術館には行かない人にとってもちょっとした遠足気分で楽しめる場所で、おすすめです。
また、美術館に行く前にサラッとでもHPを確認する必要を再認識しました。普段から展覧会は新鮮な気持ちで鑑賞したいため、HPなどを前もって見ないようにしているのですが、今回については、現在、長谷川町子美術館は閉館しているし(普段なら900円で美術館と記念館の両方に入れます)、1月は1日だけ入館無料の日もあったことを後から知りました。
蛇足ですが、私の子供はサザエさんを全く知りませんでした。我が家の場合、デバイスから情報を得るのは90%youtube、10%テレビの録画です。
私自身もリアルタイムにサザエさんを見たのは、もう10年以上過去だと思います。今ではオンデマンドで見たい時に見たいメディアを選べるため「日曜6時からはテレビ前に集合!」という文化は、我が家では消滅しました。
翻せば、youtubeで魅力的なコンテンツを発信しない限り、子供には響かないということでしょう。サザエさんもアセットは無限にあるのだから、youtubeチャンネルを開設したらどうでしょうか(何かyoutubeに流さない理由があるのでしょうかね?)。
展覧会名:町子の動物ワールド
場所:長谷川町子記念館
満足度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
会期:2022年12月10日(土)―2023年7月23日(日)
アクセス:桜新町駅から徒歩約10分
入場料(一般):900円
事前予約:不要
展覧所要時間:約1時間
混み具合:休日でも快適
展覧撮影:展示室内は不可
URL:https://www.hasegawamachiko.jp/memorial-future/2568/