【工場見学】キリンビール 横浜工場:大人も子供も楽しく学べ、特別なビールが4杯飲める!
【約3,900文字、写真約45枚】
キリンビール横浜工場で「キリン一番搾り」の工場見学をしました。その感想を書きます。
▶︎ 結論
とてもオススメできるお出かけスポットでした!それは主に、1)500円とリーズナブルに約2時間楽しめる、2)特別なビールが4杯飲める、3)楽しく学べる、4)川崎駅・横浜駅からアクセスが良いことによります。大人も子供も、ビールが好きな人も苦手な人も、きっと楽しめると思います!
▶︎ 訪問のきっかけ
家族からキリンビール 横浜工場へ見学に行く提案がありました。日程によっては開始数日前でも予約できたため、行くことにしました(私は普段、アルコールを一滴も飲まない)。
なお、私はキリンに関する本を3冊読んだことがあります。
一番搾りなどを開発した経緯が詳しく書かれている『キリンを作った男 マーケティングの天才・前田仁の生涯』(永井隆)も読んだことがあったため、見学した一番搾り工場の背景もよく理解できました。
過去、キリンビール 横浜工場の他には「シングルモルトウイスキー白州」「サントリー天然水」などの見学ができる、サントリー白州蒸溜所(山梨県)に行ったことがあります。
▶︎ アクセス
キリンビール 横浜工場は、横浜駅→(電車で約10分)→生麦駅→(徒歩で約10分)→到着です。生麦駅には、工場の案内看板も出ているので安心です。
私は、朝10時からの回を予約していました。開始まで時間があったため、入り口に併設されている「ノミモノ・ラボ」を見て過ごしました。
住所:神奈川県横浜市鶴見区生麦1丁目17−1
▶︎ 「工場だけの特別体験。キリン一番搾り おいしさ実感ツアー」感想
キリンの企業方針は、
工場見学の説明では「イノベーション」などの言葉が随所に使わることで「キリンってすごい会社なんやなぁ」と刷り込まれる構成になっていました。また、最後に特別なビールも飲めるため「ビールはやっぱり一番搾り!」と思わせる内容でした。
参加している人のなかでは、子供連れも多かったです。ビール工場の見学ですが、子供も十分に楽しめる、理解しやすいコンテンツになっています。そのため、子供にもおすすめの工場見学だと思いました。
なお、キリンのビール工場は日本で8カ所あります。そのすべてで工場見学を実施しています。
ビールの仕込み工程には【素材】【糖化】【麦汁濾過】【煮沸】【醗酵】【貯蔵・濾過】【パッケージング】があります。以下、ツアーの順を追って感想を記載します。
✔️ オープニング
まずは、フォトスポットで任意の記念撮影(スタッフの人が丁寧に撮影してくれる)の後「キリンのイノベーションの歴史と一番搾り」という映像を鑑賞します。
創立からの変遷を分かりやすく知ることができるため、勉強になりました。パネル説明ではなく、映像だと理解がより深まります。
1907年に「麒麟麦酒株式会社」が横浜で創立、山手工場が稼働。貿易港が近かったため、舶来品であるビールは横浜で発達しました。その後、1986年に「キリン 午後の紅茶」、1990年に「キリン一番搾り生ビール」、2000年に「キリン 生茶」が発売されるなど、今でも愛飲されている商品が続きます。
✔️ 素材
ここでは素材にフォーカスした説明を受けます。ビールの原料は、1)水、2)麦芽、3)ホップの3つしかありません。
【素材】…水分を多く含んだ麦を発芽させ、ビールの原料となる麦芽を作る
ここでは、実際に麦芽を食べられます(オレンジの蓋の容器)。少し大きめのゴマのような食感でした。加えて、ホップは半分に割って匂いを嗅ぐことができます。ほんのりビールの香りがしました。
✔️ 仕込~麦汁
ここでは、実際のタンクとともに、映像を見ることに加え、「一番搾り麦汁」と「二番絞り麦汁」の飲み比べができます。
【糖化】…麦芽を砕いて、お湯の温度を上げながらお粥(もろみ)を作ります。そうすることで澱粉が糖に変わる。
【麦汁濾過】…もろみを濾過し、殻を取り除きます。そこで最初に流れ出た麦の旨さが詰まっているものが「一番搾り麦汁」。その後、お湯を足して流れ出たものが「二番絞り麦汁」です。
「二番絞り」と聞くと、出涸らしのようなネガティブな印象を受けます。一方で「一番搾り」は、新鮮で貴重なイメージを抱きます。飲料は、手に取ってもらうための仕掛け(ネーミングやパッケージ)が最も重要です。その点で「一番搾り」はよくできていると思います。
【煮沸】…ホップを加えて煮込むことで、香りと苦味をプラスする。
説明を聞いた後、幕が開き「一番搾り麦汁」と「二番絞り麦汁」が恭しく登場。これらはまだアルコールが入っていないため、子供も飲めます。
「一番搾り麦汁」はキャラメルのような若干甘い味、「二番絞り麦汁」はほぼ味がしませんでした。こういう体験ができるのは工場見学ならでは。
✔️ 発酵~パッケージング
このコーナーでは、発酵の仕組みを楽しく理解でき、実際に飲料をペットボトルや缶に詰める工程を見学できます。
【発酵】…冷やした麦汁に酵母を加え、発酵タンクで約1週間、低温発酵。酵母が麦汁の糖分を食べることで、アルコールと炭酸ガスが発生します。その工程をプロジェクションマッピングを使って楽しく学べます。
ビール酵母の大きさは、100分の1mm。キリンは酵母を800種類もっていて、作りたいビールの味に合わせ、酵母を使い分けているそうです。醗酵用のタンクは深さ21m、直径は8m、全部で129本とのこと。
【貯蔵・濾過】…1〜2カ月ほどタンクで低温貯蔵することで、香りや風味が増します。
【パッケージング】…厳しい検査に合格したビールだけがケースに箱詰めされて出荷されます。
この日、機械によるペットボトルや缶に詰める作業はお休みでした。動いているシーンは映像で見ることができました。きっと平日に行けば、稼働する機械を見ることができるでしょう。
✔️ テイスティング
ブルワリードラフトマスター(社内資格)が、美味しく一番搾り生ビールを注ぎます。アルコールが飲めない人に紅茶やジュースの準備もあります。
私は滅多にビールを飲みません。1年間で、冷蔵庫に私用のビールが入っていることもないです。外食でビールを飲むとしたら、何となくヱビスビールが滑らかで飲みやすいと思っていました。
一番搾り生ビールを飲むと、試飲した一番搾り麦汁の味がしました。ただ美味しいビールが飲めるだけでなく、一番搾り生ビールのもとである麦汁の味も確かめられる点は、工場見学ならではです。
工場見学の料金は500円と安いことに加え、生麦駅は川崎駅や横浜駅にも近いため、お出かけにはちょうどいいです。約2時間かけて一番搾りの知識も得られるし、ビールも飲めるため、おすすめのスポットだと思いました。
どの見学コーナーでも「一番搾りはすごいんやで!」というアピールが続きました。『キリンを作った男 マーケティングの天才・前田仁の生涯』を読んだ私からすると「一番搾りを企画した時、二番搾り麦汁を使わないため、社内では採算が合わないと非難の嵐だったのになぁ」と少し苦笑い。一番搾りを作って良かったネ。
▶︎ まとめ
工場見学の面白さが伝わったでしょうか?普段行かない生麦駅に行ける(川崎駅や横浜駅も近い)ことに加え、500円という低価格で楽しく学べ、ビールを4杯も飲める、至れり尽くせりの工場見学でした。身近な飲み物であるビールの工場であれば、大人も子供も、勉強が得意な人も苦手な人も、ビールが飲める人も飲めない人も、きっと楽しめるおすすめスポットです!