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カスタムユーティリティ 2nd完成

昨日の続きです。

ユーティリティシャツのカスタムを制作するには
とにかく下準備が重要で、
それが大変である事は伝わったかと思います。

完成品です。

空軍仕様のベースに手持ちのパッチから
スペシャルを移植した強烈な1枚。

見た目の華やかさが目立ちますが、
骨格の作り込みこそがこのシャツのポイントです。

当店カスタムユーティリティは、
外したポケット、ステッチを元の位置に
戻す事を最優先していません。

現代人が日常着にした時のバランスを
最優先していますので胸ポケットは約1インチ
下げた場所に付ける事が多いです。

2ndのカスタムを作るのに最も需要なポイントは
絶妙に大きすぎて、形も悪い衿の処理。

1stに近いのですが、
大きくて長いから形が悪い。

おさまりも悪いので「縫込み」入れて、
後ろ側を立てるように着ると良くなります。

この「縫込み」がウチのカスタムでは
ほぼ全ての個体に施す顔でもあります。

色味、デザイン、バランスが
素晴らしくまとまりました。

60年代の中期の2ndに
デットのほぼ同年代パッチを移植してるので
違和感がほとんどありません。

ポケットの位置を下げていますので
外した跡は残りますが、これが良い味となります。

地味なポイントですが、
ボディと同じく綿糸で縫っていますので
色落ちも出ればもっと馴染みます。

こう言う特別なパッチのストックは
カスタムを作り出すとすごいペースで減っていきます。

もともと付いていたパッチは綺麗に外して移植。

地味ですが前立てのステッチが入っているのが
この個体の特別感を出してる部分です。

1stはもともとステッチが入っていたのに
2nd以降は無しになっています。

服として考えれば裏地なしの服の場合は
絶対に前立ては止めておいた方が良いと思います。

鼓笛隊のような部隊でしょうか?
スヌーピーのようなキャラは初見です。

こう言うパッチは日本で入手する事が
ほぼ不可能ですのでアメリカのコレクターさんから
高額でも買うしかありません。

前立てのステッチと、
この黒いドーナツボタンが
うちの骨格です。

黒い無刻印のドーナツボタンは
特注で当店オリジナル品を制作しています。

綿糸での縫製が主ですが、
カンヌキは太すぎないポリ糸を使っています。

ウチのカンヌキは膨らみと見た目のバランスが良く、
現代の工場さんでは表現できない隠れたこだわりです。

改めて空軍のフルパッチはかっこいいと
思えた一枚に仕上がりました。

オーダー品ですので販売個体ではありません。
オープン前にフルカスタムの販売個体も
用意しようと製作中です。

今作は2ndとしてはフルカスタムになりますが、
もっと面倒な作業で作る個体も控えています。

次はその個体の制作記を書いていきます。


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