カスタムユーティリティシャツ 4th 亜種
昨日で1枚目のカスタムユーティリティは
完成となりましたが、
このオーナーさんは同時に2枚のオーダー。
同時進行でバラしていましたので
次はもう一枚のカスタムを作っていきます。
ベースはスーパーレアな17ハーフ34インチ。
特大サイズでいつもは作らないような
カスタムを作ります。
昔、制作した変形の3ポケット型を
作って欲しいとのオーダー。
あの頃は骨格を今ほど
作り込んでいませんでしたので
今の感じを昔の感じに表現します。
パッチのカスタムが好きなオーナーさんですが、
仕事にも着て行けるような派手すぎない感じで。
そんなイメージを聞きながらも、
ちょっとボロっぽいと言うか、
雰囲気のある感じが良いとも言う。
そこでこのように
パッチ外しの跡が残る個体をベースに
制作する事にしました。
17ハーフは脇のカーブも強く感じますし、
34インチですので着丈が長いので
そこの修正もしていきます。
まずはバラします。
ポケット外して、裾を解いて、ボタンを取る。
バラしてからこの糸を抜く作業までが
最初の作業です。
まあ綺麗にバラしていますね。
そう見えても現状はこんなもんです。
古着で買ったアメリカ服なんて
こんなの日常茶飯事ですからもう何とも思いません。
フルカスタムでバラすと
汚い部分がほとんど綺麗にできるので
私のような神経質な技術者が作ったカスタムは
綺麗に完成します。
綺麗と言っても
ステッチやボタンの付け位置は
元に戻す事を最優先していません。
あくまでもバラした今の状態に対して
再構築のバランスを最優先しています。
着丈の長さと脇のカーブが
気になる事が伝わるでしょう。
わざわざこんな事をしてるのは
OG107と言うこの時代のアメリカ軍採用品
コットンサテンが素晴らしい生地だからです。
今作は色落ちをパッチのように表現した
カスタムを作っていきます。
地味な作業ですが、
バラしから仕上げまでを一人でやりますので
プロダクトが安定します。
これが当店の代名詞
カスタムユーティリティ。
途中経過は全く撮影していないようです…
次のブログでもう完成品の公開となります。
と思ったら写真ありました。
着丈を短くする作業のところです。
前身頃の左右で長さが違います。
ほぼ全ての個体がそうなので
完璧は修正時にも求めません。
地味なところですが、
このタグが着丈を短くするとステッチと重なる。
もちろん移植します。
こう言う地味な作業の集合体が
完成品のレベルを向上させます。
脇のカーブもゆるく作り直して、
着丈も袖丈とのバランスで短く加工。
もちろんボタンの付け位置も
今の状態に合わせて修正しております。
変則の3ポケットなのですが
1つだけ小さく加工します。
2つは少し拡張しています。
ポケットの歪み、元のズレがひどいので
今の段階で修正して小さくします。
言われても分からないような部分へのこだわりが
当店のプロダクト全てに施しています。
これが完成すると
どうなるかは明日のブログで。