命ってなんだろう。
命ってなんだろう。と常々考える。
2019年、
私は自殺を考えていた。自分に生きる意味も価値もないから、なくなってもいいと思っていた。
2020年、
ニュージーランドで様々な国籍の人に会った。インド、イスラエル、南アフリカ、イラン、テレビやネットでしか見たことがない、戦争や内乱、テロ。
平和な日本やニュージーランドで生活している自分には他人事だと思っていたことが、一気に近く感じた。
必死に命を守り抜いた生活の中に、幸せがあると、彼らは教えてくれた。
2022年、牧場を辞めた。
競争率の高いニュージーランドの酪農界、価値の低い牛たちの命。効率化のために殺され、そうならないために、必死に育てる。毎日が戦いだった。
それでもスーパーで見る、お肉には命の「い」の字も感じられない。
完全にプロダクト化されたそれは、私たちが必死に戦っていたもの、牛たちが必死に生き抜いたものが、際されている気さえした。
死ぬということ、それは自然の成り行き、受け入れなければならないこと。
それが唯一クリアに見えるのは、自然界だろう。
殺し殺され、搾取し、生かされ、それが全て自然の循環となり、続いていく。何一つ無駄なものはない。
争うこともコントロールすることも、整理することもできない。
そんなことを知ろうとするのはエゴだろうか、それでもいい。
命ってなんだろう。それは私の人生の歩んでいく道になるのだと思う。
もう、ここまで見てしまったら、後戻りはできない。馬鹿正直な私の心はそんなふうにいつも言う。