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患者と医療者の間に深ーい溝があるのではなく、見える景色が違うだけ

「セラピストのための専門書」でもなく、「患者の体験記」でもない、その隙間を埋めるのが本書の役割だと考えています。

協同医書出版社 ペイン・リハビリテーションを生きて

「ペイン・リハビリテーションを生きて」

2013年秋に出版されてから、もうすぐ9年になります。
2013年夏は、ちょうど校正の段階で、人知れず心の中で担当の理学療法士さんとバトルしていました。懐かしいなぁ・・

当時は、何にそんなに反発しているのか自分でも分かりませんでした。
でも、今になってようやく「自分の物語を"医療語”に翻訳される事に対する違和感」だったのではないかと気付いたんです。

「あなたからみたらそうかもしれない、
 でも、私にはこうみえていたのに・・」と。


こんなイメージ。
同じ物を見ているはずなのに、
こちらから見た形と向こうから見た形は別物に見える。


・・でも、これって、巷でよく言われる「医療者と患者の溝=あってはならないもので、埋めるべきもの」ではなく、両者の立ち位置の違いからくる「景色の違い」だけなんじゃないかな・・

多少希望的観測すぎるかもしれないけれど、

同じ場所からみてみよう、という思いが医療者と患者の双方にあれば
一緒に「見たいもの」の周りをぐるりと一周する=全容を見ることが出来る。

と、思うようになりました。
リハビリ患者を卒業してから長い時間が経った今になってやっと
「患者の経験+セラピストと患者の対談+学術」という三部構成で本を作って下さった編集者さんの思いに近づけた気がします。



痛みついて「患者が学ぶべきこと」ばかりが強調されているように感じる今。「こちらに立つとこう見えます」という情報を医療者従事者へも伝えていくこと。
それも、感情的にならずに、相手の気持ちに寄り添いながら(笑)
それが、このnoteの目標です。

冗談のように書いたけれど、

患者も「患者様」という上から目線にならず、
医療従事者の辛い気持ちに寄り添うこと。

これって結構大切な事だと思っています。


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