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老後の趣味 2

東日本大震災は本当に大きな災害でした
住んでいた所が全壊してしまいました


娘夫婦の所に転がり込み半年ほど居候し、
その後みなし仮設に3年近く住まいしました
今は災害公営住宅に住んでいます



現在の住宅に移ったころには、津波被害の無かった県の内陸部では復興が徐々に進み

街も、私達の暮らしも、落ち着きを取り戻し始めていました



その頃から老後の趣味が再び話題になり始めます


妻の言うことは前と同じく「濡れ落ち葉」と「ワシ族」はやめてくれですが、

私は、夢見ていたプラモデル作りが消えてしまいましたので、いちから考えなければなりません


読書 俳句 カラオケ……誰もが一度は思いつくような物が様々浮ぶのですが、なんだかシックリ来ません
時間だけがただ過ぎていきました


そんなある日、妻と買い物に出た時です
キラキラ光る物が目に入りました


そこには、ビーズ細工のネックレスが飾ってありました
チェーンの輝きと小さなビーズの光沢が魅力的でした


ビーズや糸、留め金具などがセットになったキットが450円で売られています
これは、値段も手軽だし、簡単に出来そうな気がしました


早速1つ購入し、いそいそとした気持ちで作ってみました

数個のビーズをつなぎ、輪に取り付ける
単純な作業ですが、なんだか楽しく感じます

ビーズで作った輪に留め具を付けたチェーンを通せば完成です

気づけばあっという間に時間が経っていました



今思えば、初心者用の簡単なキットだったので、手軽にそこそこの出来上りになるものだったのですが、
初めての作品にしては、大変満足のいく出来でした


コレは、面白そうだぞ!と思いました
これが私のビーズ細工の始まりでした



今となっては、簡単にできる物でもなく、値段も材料もお手軽という訳には行かないビーズ細工の世界ですが、
それに勝る奥深さ、面白さにすっかりはまっています


正直に言えば、手作りのネックレスを持って行ったら、よく行くスナックのお姉さんたちにモテるのではないかな?
という様な気持ちも少しはあったのですけどね


ここからが「老後の趣味」のスタートです


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