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オランダLGBTプライド体験記

今日は、私が2年前に行ったオランダ・アムステルダムで参加したLGBTパレードについて記録しようと思う。

現在、世界各地で「LGBTパレート」「プライドパレード」などと言われるイベントが開催されている。
どんなイベントか簡単に説明すると、
「性のあり方は自由だ!」というお祭りである。
同性愛、異性愛、トランスジェンダー、いやすべての人が、
自分のありたい服装で、好きな人と、ありたい性のあり方を楽しむというイベントだ。
東京でも、「東京レインボープライド」というイベントが毎年5月に開催されている。

私は2年前の夏に、オランダで開催されたこのLGBTプライドパレードに参加をした。
その時の様子を少しだけ載せたいと思う。撮影はすべて私。


オランダは、世界で初めて同性婚が認められた国であり、
世界各地で行われているイベントの中でも、ここアムステルダムのイベントは世界最大規模と言われている。

アムステルダムは、街を囲むようにして運河が流れている。
この運河を、まるでディズニーのパレードのようにたくさんの船が流れパフォーマンスを行うのが、このイベント最大の目玉である。
そのほかにも、各地でDJや歌手がライブを行ったり、出店が町中に並んでいる。
町中がレインボーに彩られ、参加者もどこかにレインボーを身につけている。


私は昼の11時ごろにアムステルダムに到着し、会場に向かった

町中がレインボーにあふれていて、人もたくさんいたが、まだパレードは行われていなかった。
私は、何時にパレードが始まるのかを知らずに行ってしまったのだ。
私は運河沿いの一番前を陣取り、そこに座って始まるのを待つことにした。
待つのはなんら退屈ではなかった。すでに運河の端には、たくさんの船がいて、パーティをしていた。
イメージするなら、田舎の花火大会のような感じ。花火が始まる前におっちゃん達出来上がっちゃってるみたいな。


パレードが始まったのは、私がその場に座ってから2時間後のことだった。
その頃には、私が座った時の5倍以上の人が運河を囲んでいた。
2時間前に座っておいたのは本当にラッキーだった。
これから行こうと思ってる人は、お昼頃から座っておくのをオススメしたい。

実に80以上の船が次々に現れた。
どの船もとてもカラフルで、個性的で、本当に楽しかった。

ゲイの方達が乗る船、全員が女装して(とっても綺麗)いる船。
仮装した子供達の船、ミニスカートを履いたおばあちゃん達の船。
セクシュアリティも、年齢も、全てが自由だった。


驚いたのはそれだけじゃない。
警察官の船、お医者さんの船、地元のサッカーチームの船、警備員の船。
職業ごとの船もあった。
私たちの職業は、LGBTの味方です!そんな意味合いのプラカードを掲げていたと思う。
周りの観客も、大喝采。特に警察官が出てきたときはすごかった。


パレードは3時間以上にも及んだ。
私は、5時間以上その場にいたので、ついにトイレに行きたくなってその場を離れた。
今考えると、これはとてもいい判断だったと思う。
運河側から離れて、道路に出ると、本当に大勢の人がいた。
私はその時カメラを持っていたのだが、カメラを持ちながら歩いていると、
「姉ちゃん、写真撮ってよ!」と、三人組が声をかけてきた。


私はパレードばかりに気をとられていたが、もっと注目すべきはそこにいた観客達だった。
彼らはパレードに出るわけでもないのに、レインボーを身にまとい、
彼らのありたい服装で、ありたい姿で、その場を楽しんでいた。
これ以降も、カメラを持って歩くと、たくさんの人が快く写真を撮らせてくれた。
そして見るからに観光客の私を、受け入れ、仲間に入れてくれた。


途中、もう一度パレードを見ようとして、後ろでジャンプしたり背伸びしたりする私を見かけたご婦人が、
「お姉ちゃん、小さいんだからこっちで見な!」
と、自分の前に入れてくれた。涙が出そうなほど嬉しかった。

観客の中にはもちろん、自分の同性パートナーと一緒に参加している人もいた。
堂々と手を繋いだり、ペアルックをしたり、キスをしていた。
誰も、彼ら彼女らを白い目で見ることはなかった。

これは、パレードが開催されているからではない。
次の日、イベントが終わった後にも、アムステルダムでは同性カップルが堂々と手を繋いで歩いていたり、キスしていたり、
女装している方もいた。


オランダに行ってこのイベントに参加して、
私は、自分のありたい性のあり方を自由に楽しむ参加者の姿に感動した。
なぜ、そもそも同性愛やLGBTに対して人々は抵抗するのだろうか。
日本がこんな風に、服装、恋人、自由に認め合える世界になったら。

私はオランダから帰ってきてから、LGBTスピーカーとして活動するようになった。
まだまだオランダのようになるには程遠いが、それでも少しずつ変わっていることを日々実感する。
オランダのようなLGBTプライドを、日本でも開催したいと夢見ている。


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