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河童に会いたい
来週土曜日に開催のイベント「鏡花色雛宴席」は、朗読とトークで夜を楽しむオンラインのお祭り。大人の雛祭り、と称して、日本に古来から存在する雛祭りを、知的好奇心を刺激しながらお祝いします。たのしみ!
朗読は、俳優の奈佐健臣さんによる「雛がたり」と「天守物語」。泉鏡花の作品です。
泉鏡花といえば、私が初めて鏡花を読んだのは学生の頃。吉祥寺の古本屋でたまたま見かけ、そういえば綺麗な名前の作家だなぁと手に取った「日本橋」。読んでみてびっくり、珍紛漢紛で投げ出したのを思い出します。
後で佐藤春夫の解説を読み、奮い立たされ読んでみたら、たしかに途中からはするっと読めたのが驚きでした。
それからロウドクシャの企画で様々な鏡花作品に触れ、唯一無二の、幻想的でどこか飄々とした妖怪的な世界に惹かれています。
来週のイベントにゲストでお越しいただける、アンソロジストの東雅夫さんが編纂された「柳花叢書 河童のお弟子 (ちくま文庫)」にも収録されている「貝の穴に河童の居る事」を読み返し、無性に河童へ会いに行きたくなったので、巷で河童公園と呼ばれている公園へえっちらおっちら行ってきました。
この作品は、岩波の川村二郎編、「鏡花短編集」にも収録されています。
貝の穴に河童の居る事、というタイトルがよいですよね。不思議の国のアリスのよう、目の回るファンタジックな響きです。
「お晩でしゅ」など、語尾が、でっしゅ、でしゅ、と可愛いのが特徴の憎めない河童が登場します。それから梟の姫や旅の一座など、次から次と賑やかなお話。鏡花のテンポに身を任せて読むとおもしろい、青空文庫でも読める短編です。
寒空の中、バスに乗って、それから三十分歩きました。
近くにはいかにも河童のいそうな、遊び心地のよい水路がありました。水のすぐそばへ寄れる場所って、そう多くはありませんね。
この場所の河童さんは、子ども好きの愛され河童なのかもしれません。
遠野のかっぱ淵にも、行きたくなってきました。身近な妖怪、河童を一度は「はっきり」見てみたいものです。
ちなみに、このあたりをGoogleマップで散策していたらちょっとびっくりな動物を発見しました。大人の膝あたりまではある大きな豚!おじいさんが散歩をさせていたようですが、飼い豚なのでしょうか。🐖
こちらもいつか、遭遇してみたい。