今日「明日世界が終わる」夢をみたんだ

僕は、実家が関西だからその一報を聴いたとき家族と一緒に居たんだ。
その夢では本当に明日世界が終わると誰もが思うものだった。
なぜか僕一人当たり前のようにキャリーケースを持ち東京に帰ろうとした。
家族を無視してまで。
駅のフードコートに来るとまだ、何店舗かの飲食店が経営していて、見慣れないお店について注文をした。
あたりには人数も少なく、ニュースをみた所為かバイトらしき3人の店員にニュースのことを話した。
すると、各々スマホを取り出しニュースを見る様子だった。
騒ぎ出した店員たちは店を畳み始め注文の品を僕に渡す。
店員たちの行動が何か呆気なく感じて、品を受け取ったらすぐに食べて駅を出発しようと思っていた。
不意に対応してもらっていた彼女から店を閉めるので売れ残りになるパンでもいかがですか?と勧められる。
今持てる物なら持っておいて損はないと思い銭を取り出すと、お代は結構ですからとパンをいただいた。
普段であれば、感謝の気持ちや真面目な気持ちが込み上げるのだが、ストンと何かが落ちた気前がした。
その時どんな顔をしていたのかは分からないけど、多分哀しみと不安、緊張が混じった表情だったのだと思う。
パッと浮かぶ孤独への恐怖。
彼女らと少しだけでも居たいと思って貴女方はこれからどうするんですかと問てしまった。
困惑した様な彼女は少し3人で話あって決めると答えた。
僕だってそうだ、僕自身も明日の終わりの時まで何をしたいかなんてわからなかった。
すると無性に、他の二人にも同じことを聞きたくなって尋ねてみた。
聞くと他の二人は交際中の彼氏と共に過ごすのだそう。
それは、きっと好いんだろうなと思ったが僕にはそんな関係の異性の人もいない。また振り出しに思えつつも、食事を済ませた僕は店員3人に別れを告げ、東京へ旅立った。
地へ辿り着くと、道路には人や車は殆どなく、早朝や真夜中の様であった。
心に思い出すのは、駅で会った青春真っ只中であろう店員の人だった。
僕にも、その時代はあった。ただ華やかしい日常でなかったことだけは記憶として蘇る。
大きいため息と共に僕にもそばに居てくれる彼女が居たらと思った。
そこから何を思ったのか、最後に女を抱きたいと思い始めた。今まで紳士的であれという意思を捨てて一人の動物であれと思ってしまったのである。
欲望のまま店を探し、これと思い入った。
ただ、女を目の前にすると、僕の思いは一気に冷めまう。
何が女を抱くだ、何がセッ◯スだと、自分が知らない相手とやるなんて気持ち悪くて仕方がなかったのだ。
目が覚めた僕は俗物の店を出て、ある場所を目指した。
それは、ここで死にたいと思った場所なのだろう。
辿り着いたのは、いつものバイト先のカフェだった。持ち鍵を使い中へ入る。窓からは終わりをカウントダウンする光が入り始める。
楽しかった記憶、怒り狂った記憶、苦しみ悩んだ記憶、仲間とのいろんな物が沸々と胸の内から溢れた。
多分ここが、僕の想う記憶の花畑であるのだろう。
僕は窓側の席に座り、想いに浸りながら最後の時を待った。

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