優しさと残酷さ
キンコン西野さんの最新作「みにくいマルコ~えんとつ町に咲いた花~」の絵本が販売された。
手に取って購入された方も多くいるのではないだろうか?
見世物小屋で働くことになったモンスターのマルコは、ひとりの少女と出会い、決して許されない恋に落ちていく物語ですが、この絵本を読まれたロザンの菅さんが感想を言っていた。
この絵本はストーリーも良かったし、絵も素晴らしかった!
ひとつ考えさせられるところがある。それは、他の話や絵本には必ずあるものがこの絵本にはない。
それは・・・・。
☆☆☆
菅さんは続けた、
無いものは、悪役への復讐だ!という。
物語の起承転結で言うところの「転」のところだが、主人公への攻撃なこと、ひどいことをした悪役へは必ず何か災いか、復讐が描かれることが多い。
例えば、さるかに合戦
カニをいじめたさるに、カニの友達の栗やハチ、うす達がさるをこらしめる!
さるは反省して皆がニコニコして終わっている。
カチカチ山でも、タヌキはこれでもかと言うくらいウサギにボコボコにされる。
ディズニー作品では、悪役は大抵最後主人公の正義の鉄槌を下される。
作品を読んでいる、見ている側からすると復習劇は観ていて爽快な感じがする。
更にそこから反省、更生、皆仲良くハッピーエンドとなるとより幸せだ!
しかし今回の作品にはその「復讐」が描かれていない。
真意はキンコン西野さんしかわからないが、菅さんの考察は
「もともと復讐するという、考えすらなかったか、復讐しても仕方がないと考えて計算して描かなかったのどちらかではないか」とのこと。
☆☆☆
現実社会で私達に仮に嫌なこと例えば、イジメやパワハラ、セクハラなどされた場合、やはりやってきた相手をこらしめてやろうと言う気持ちは必ずおきる。
自分のやっていることを、自分の人生を正当化したいし守りたいと考えるのは、自己防衛本能で当然のことだと思う。
その「こらしめ」は相手を反省させ、更生させる復讐ならばいいのだが、度を越すと逆にそれはウサギがタヌキをボコボコにしたように、目線を変えたらイジメとなる。復讐の連鎖だ!
☆☆☆
復讐しないことで、2つの意味を捉えることが出来ると菅さんは続けた。
ひとつは相手への「優しさ」。
復讐しない、相手をこらしめないことは、倍返ししないなどの復讐の連鎖を自分で止めれる優しさがある。
もう一つは「残酷さ」
反応していので、簡単言えばスルーだ。
相手の更生の場も与えていない。相手にしていないとも捉えることが出来る。
色々攻撃するが反応が返ってこないのはけっこう応える。
☆☆☆
悪いことをしたら、天罰がくだる!
他人には優しく!
当たり前のように刷り込まれて来た事だが、確かに相手を想いやる気持ち次第で「優しさと残酷さ」どちらでも転んでしまう。
当たり前が当たり前ではないことは他にも沢山あると思う。
勉強になりました。
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