【8月】2回目顕微受精の結果(不妊治療の話)
採卵の2日後、2回目の顕微受精結果を聞きに午前中にクリニックに行った。
うまく受精ができていたらそのまま午後に移植予定、ということだったので、仕事は休みをもらった。
結果は、3個中1個だけ受精できたとのこと。
残り2個は受精しなかった。
しかも唯一受精した卵も分割のスピードが遅めということで、今日の時点では移植できる状態まで至っていなかった。
「もう少し様子を見て、分割が進んでいれば凍結して、来月移植しましょう」
先月は1個しか採卵できていなかったこともあって仕方ないとも思えたが、今回は3個採れたので正直期待していた。
「前回も受精しなかったんですが、
何が原因なんでしょうか?」
「そうですね…
卵子の質によることが多いですね」
でもまだ34才なのでそこまで問題はないはず、とも言われた。
「次がないことを願いますが」と前置きして、「また採卵することがあれば、その時も低刺激で卵胞を育てて複数個採卵を狙いましょう」
先生が言葉を選んで伝えてくれているのがわかった。
先生にお礼を言って診察室を出た。
待合で会計を待つ。
気を抜くと涙が出てきそうになる。
調べてみると、胚の分割スピードが遅い受精卵は質としてはよろしくない、という見解があるらしい。
唯一の受精卵も、ダメかもしれない。
夫にもLINEで受精結果を伝えた。
なんとなく、夫もショックを受けているのがシンプルな文面から伝わってきた。
顕微受精3個
お会計 20,650円。(保険適用)
午後までかかると思った受診は、結局お昼前に終わった。
夫は在宅ワーカーなので家にいる。
このまま帰って夫の顔を見たら、泣いてしまう自信がある。
なんとか悲しみを紛らわそうと思いながら歩いていると、クリニックの近くにある老舗の喫茶店の前を通りがかった。
『当店自慢 丁寧に焼いたホットケーキ』
…おいしそうじゃないか。
移植したらちゃんと摂生しなきゃ!
と思っていたけど…
今日ぐらいいいでしょ。
今週期頑張ったごほうび。
中に入ってホットケーキとホットコーヒーを頼んだ。
少し待つとアイスと小倉あんが乗っかったホットケーキが出てきた。
ナイフとフォークを使って切る。
ふわっ
ふわふわをフォークで突き刺して口に運ぶ。
ぱくっ
うまっ
2段重ねのホットケーキは結構重めだったけどペロッと完食。
食べ終わった頃には、気持ちも落ち着いていた。
ホットケーキセット
お会計 900円
そのあと、喫茶店を出てさらに本屋にも寄った。
昔から、悩んでいるときや気持ちがモヤモヤしているときは本屋に行きたくなる。
転職のときも、婚活のときも、事あるごとに本屋に足を運んだ。
ふと手に取って読んだ本が、モヤモヤをフッと吹き飛ばしてくれることもあれば、
なんとなーく背表紙の文字を眺めているだけで気持ちが落ち着いてくることもある。
「妊娠・出産」のコーナーに並んでいる本の背表紙を眺める。
手に取ったのは、小さな我が子との日常を描いたマンガだった。
パラパラと読んでいると、小さな幼児と周りの大人とのかわいいやりとりに、自然と顔がほほえむ。
ああ、いいなぁ。
やっぱり子ども欲しいな。
こうして何ヶ月もかけて不妊治療に向き合うのは本当に大変だし、期待して、がっかりして…の繰り返しに挫けそうになる。
けど、頑張った先に私にもこんな日常が待っているかもしれない。
よし、気を取り直して。
まだまだ諦めないぞ。