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【ロンドンで POP-UP BAR / 前編 - 計画から初期費用 - 】

皆様、ごきげんよう。安部直柔(アベ ナオナリ)です。
現在ロンドンでバーテンダーをしています。
バーテンダーを始めたきっかけは、『海外で暮らし、仕事をして、自分の知らない国でチャレンジしてみたい』という思いからスタートしました。

ここではそんな私のロンドン挑戦への記録やロンドンでの生活、自身のことなどを発信をする媒体として、noteへの投稿を始めました。


前回の投稿で『ロンドン トップレストランで、バーテンダーをやってみた』について綴ったので是非そちらも読んでみてください。

今回は『 ロンドンで POP-UP BAR / 前編 - 計画から初期費用 - 』について

もう1人の日本人バーテンダー

POP-UP BARの話しをする前に、ロンドンで大変お世話になっているバーテンダーの先輩をご紹介しよう。
名前は、鳥潟彦人さん(トリガタ ゲント)
*以下敬称 → ゲントさん

今回のPOP-UP BARをやれたのはゲントさんが居たからこそ。そもそも計画してくれたのも彼だ。恥ずかしながら、私はおんぶに抱っこで彼の提案に乗っかっただけと言っていい。
ゲントさんは、東京 → シドニー → シンガポール → ロンドンと4都市でバーテンダーのキャリアを築いている、海外で活躍している数少ない日本人バーテンダーの1人です。実は今、ゲントさんと一緒のバーで働いている。その話しは今後の投稿で綴ります。

ゲントさんはキャリアから分かるようにバーテンダーとしての技術、知識、さらに英語力。全てにおいてハイレベルだ。
そんな彼から新しい職場が始まる前に、『2人でPOP UP BARをやらないか?』という話しがあった。私も半ば乗り気で、『やってみますか!』と回答した。

理由は単純だ。
2人が一緒に働くバーの開店工事が遅れていて、仕事のスタートが予定より遅くなるのが予測されていたので、『時間を無駄にするより、自分たちでPOP-UP BARでもやったほうが有益じゃない?』って、彼から提案があり私も同感したからだ。

とはいえ計画段階では、ほぼゲントさんが主導で進めてくれた。

POP-UP BARの計画

さあ!POP-UP BARをやるぞ!
と言っても、まずは場所探しからだ。さらにどこでもいい訳ではない。立地、賃料と広さ。この条件が最も重要である。
その上限の中で、私達が目をつけたのは、①カフェ ②日本食レストラン ③既存のバー この3つだ。


①カフェ → 日中営業が大半で夜は閉まってる店舗が多い
②日本食レストラン → 定休日に間借りでの営業ができ、日本人なら貸してくれやすそう。
③既存のバー → 定休日に間借りでの営業で、設備をそのまま使える

実はイギリスでお酒を提供するには、免許が必要になる。この点が最も厄介だ。
日本でお酒を提供することに対して、そこまでハードルが高くない。一方、欧米諸国ではお酒を提供することに対してのハードルが高い。
何が主な理由なのかは定かだが、政府の収入源であることは間違いない。ただ、お金を払えば取れるというものでもなく、許可が降りないケースもあるとかないとか。しつこいようだが、イギリスで飲食店を開くのは日本ほど簡単ではないということだ。

話しを戻そう。
この3つ形態の店舗を軸に2週間ほど、互いに探してみた。
いくつか候補があった中で、ゲントさんがとあるカフェを見つけてくれた!

その名も『 TRAMPOLINE Cafe 』
(どんなカフェかを説明すると、これまた長くなるので、以下のInstagramのアカウントを見て欲しい)

場所は、Angel (エンジェル)
*ロンドンのゾーン1(東京でいう山手線の内側)
さらにこのカフェはアルコール提供の免許も持っている。店内の広さも20席ほどで2人で営業するには丁度いい。
賃料と1日 £100- (日本円でいうと1日1万円だ。為替は考慮してない。)
日割りでの実際の相場が分からないので、一概には言えないが良心的な金額だと思う。

日程は2023年2月20日から3月5日の2週間で決定
営業時間は、17時から23時

2週間、休みなく駆け抜ける計画を立てた

オープンまでの準備とは?

場所と日程は決まった。あとはコンセプトやPOP UPの名前、メニュー作成、仕入れ、その他費用など準備を1週間でやる必要があった。

まずは、コンセプトをどうしようか?
という話しになったが、今回は特に決めずにやることにした。理由は『変にコンセプトに縛られてたくないよね』という流れになったからだ。柔軟に対応できるようにということも考慮した上だ。そもそも、日本人バーテンダーがロンドンでPOP-UP BARをやること自体が初である。(前例はないはずだ)


POP-UP BARの名前は、2人とも何か屋号を持っている訳ではなかったので、今回限定でPOP UP BARの名前決める必要があった。
私が音の響きと語呂の良さで、"米米クラブ" でいきますか?とよく分からないノリで提案したら、外国人はそのバンドのこと知らないから良いね!となった。その時の会話でのノリで決めたような感じだ。
最終的に、場所がAngel という地名だったので『Komé Komé Angel』という名前に決まった。

カクテルメニューは互いに4〜5種類くらい提案し、その中から8〜10種類くらいを選定してスタートすることにした。
仕込んだ材料が無くなったら、新しいカクテルに入れ替えることにして、メニューはQRコードを採用し、ゲントさんが作ってくれたWEBページに掲載する形をとった。そのほうがメニューを変える手間が省けて、柔軟に対応ができるからだ。

材料に関してだが、果物やお酒などの費用がかかる。ただ今回、ゲントさんの人脈のおかげで数社のお酒ブランドが協賛してくれたのだ。実はこれが原価を抑えられる大きなポイント。もしイベントをするなら、協賛してくれるブランドを探すことをオススメする。これが利益に大きく影響する。

初期費用は?

じゃあ実際に初期費用はどれくらいかかったのか?
と皆んな気になるだろう。

以下にまとめてみた。

賃料費 £1,300- (約¥130,000-)

材料費 £1,050.99- (約¥105,100-)
(これはあくまでも最初の仕入れの費用なので、開始後に材料がなくなって購入すれば追加費用が発生する)

雑費 £38.39- (約¥3,840-)

合計 £2389.38- (約¥239,000)

*物価が違うので為替は考慮してません。日本円での表記は、日本の感覚だとこのくらいだと思って欲しい。

開始までにこのくらいの初期費用がかかる。
借りる場所によるが、グラスがなければグラス費用だったり、機材が必要になる場合もある。
なのでPOP-UP BARをやるにしても場所選びで費用が左右されるのでやりたい人はこれを参考にしてもらえば嬉しい。

そんなこんなで、全ての段取りが整い初日を迎えた。目標を1日1人あたり£150-の収入になることを掲げた。

結果はいかに!?乞うご期待!

次回は『ロンドンで POP-UP BAR / 後編 - 収支も全公開 - 』

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