【nephew バータイム 接客の考え方】
皆様、ごきげんよう。安部直柔(アベ ナオナリ)です。 現在ロンドンでバーテンダーをしています。 バーテンダーを始めたきっかけは、『海外で暮らし、仕事をして、自分の知らない国でチャレンジしてみたい』という思いからスタートしました。 ここではそんな私のロンドン挑戦への記録や自身のことなどを発信をする媒体として、noteへの投稿を始めました。
nephewバータイムのことについてはテーマを分けて投稿してます。
今回は『nephew バータイム 接客の考え方』について綴ります。
すでに多くの人が接客の重要性を知っているはずです。私はバーテンダーを始める前、20歳から営業職の仕事をしており、その時に接客の楽しさ、難しさ、苦労を経験できました。色んなことがありすぎて笑えない話しもありますが全て財産です。
そういったこともあり、バーテンダーを始めた時からもお店をやる上で、最も重要なのは『接客』だと思ってます。どんなに雰囲気が良くても、どんなに料理が美味くても、接客が悪ければリピートには繋がらないそう考えてます。
入口の重要性
nephewで必ずやっていたことがある。それはお客様が入退店する際に必ずスタッフが付き添うこと。当たり前だと思われてるかもしれないが以外とこれをやれてる飲食店は少ない。
入店の際にスタッフの人が出迎えてくれるのは
どこの飲食店でもやってくれてると思う。しかし、
退店の際にお見送りをしてくれる飲食店は以外と少ない。
お見送りをする理由はいくつあるが、入店より、退店時の方がお客様との会話がしやすい、そしてお客様の記憶に残る。カジュアルなスタイルなバーだからこそ、そこに拘ることが大切だと思ってたりします。
気にする人は少ないかもしれないが、気になる人に気づいてもらえると得だし、そういうことを気にしてるお客様は再来店してくたり、誰かに紹介したいお店リストに入れてくれるはすだ。
ちなみに、人と会った時にプレゼントを渡すとき、会ってすぐではなく、相手のテンションがピークの時か、別れ際に渡すのが効果的と言われている。
あとコロナになって思ったことがある。
アルコール消毒問題
例をあげよう、どこのお店に行っても入店の際に『アルコール消毒をお願いします』と言われなかっただろうか? なんかもう当たり前な感じで言われてると思う。人をバイ菌扱いだ。笑
残念ながら、コロナ時代だから仕方ない。ただ何故、皆んなが好きでもない消毒をお客様任せでやるのだろう?
お店側がおもてなしの一環でやってるサービスに切り替えられると気づいた。
そこで、香りの良いアルコールスプレーを入店の際にお客様の手にこちらからスプレーしてあげるようにした。そうするとお客様から好評だった、『良い香りがするー、これ何ですか?』と反応してくれる、そうするとそのあとの会話にも広がりがでる。確実にこちらから消毒もでき、さらにお客様と会話がしやすくなる一石二鳥だ。さらに食事をするお客様用に良い香りのするウェットナプキンを使用していた。これも香り繋がりだ、こういったことにも拘りを持ってる飲食店だとお客様に思ってもらえるはずだ。
当時使っていたアルコールスプレー Landscape Products
当たり前に疑問を持つことで改善できることがたくさんあると思う。
入退店の際にお客様に何をしてあげれるか、接客は入口から始まり、出口で終わる。
メニューを渡す際の一言
お客様が入店後席に着く、その際にこちらからメニューを渡す。メニューにも寄るが、バーのカクテルメニューを理解できる人はバーに行き慣れてる人達だけだ。メニュー自体を自社でデザインして、できる限り分かりやすくする努力はしているが、nephewのバータイムに来るお客様は基本的にバー初心者の方が多い、その初心者の人が最も悩むのが、『何を飲めばいいのか分らない』
だから必ず、短く分かりやすくシンプルにメニューを説明する。重要なのは、メニューを細かく説明しないこと、説明しても良いのだが、ガッツリ説明してもお客様のほとんどが理解できないと思う。理由は情報量が多すぎるから。だが、もし聞かれたらしっかり答えてあげよう。
ただ、お客様が求めてもないことを長々と説明しても、お客様は喜ばない。短く分かりやすく説明したあとに、必ず
『分からないことがあれば気軽に私に聞いてください。私があなたの好みに合うカクテルをオススメできます』
と伝えること。バースタッフにもこれを言うようにお願いしていた。
そうするとお客様から頼りになる存在だと思ってもらえる。会話のきっかけにもなる。
お客様の好みに合わせて提案するには、知識や経験も必要だが、恐れずにやってほしい。お客様との信頼関係を気づきやすくなる。
別の言葉でも良いと思う。お客様とのコミュニケーションを円滑に進める一言をメニューを渡す際に言えると、ワンランク上のサービスに繋がる。
Give 3連発
これは専門学生時代に日経新聞社の講師から聞いた、金の言葉だ。
意味は、
『お客様から何かもらいたい時は、先にこちらから3つ以上を与える』
ということ。
nephewのバータイムで例えるならお客様からもらいたいのは売上だ。分かりやすく言えば、いっぱい食べて飲んでもらい、さらに来店数が増やせば良い、その為に美味しいものを作り、良いサービスを行っている。
・入口のドアを開ける
・アルコールスプレーをしてあげる
・メニューを渡す行為
・お水を出して、無くなったら注ぐこと
・提案をすること
・退店を外まで見送る
全てお店側から先にやることに意味を持たせる。
グラスが空いていたら、こちらからメニューを渡し、ドリンクやデザートを提案する。お客様から呼ばれる前にこちらから、仕掛けるのだ。
それ以外にもGive3連発を意識的にやってると効果的なことがある。
満席状態で、停滞してるテーブルがあるとしよう。もう追加オーダーは無いけど、まだ帰る気配はない。だが次来るかもしれないお客様の為に席を空けたい。
その時に停滞してるお客様にお会計を先に出したいのがお店側の本音
『今日混み合うと思うので、先にお会計をいただいても良いですか?お席はまだ大丈夫なので、ご協力していただけると嬉しいです』とめちゃくちゃ声や表情を意識しながら言うと、お客様は悪い気持ちになりづらいと思う。注意したいのが『席を空けてください』と言わないこと、帰れと言っているようなものなので気をつけよう。
こういったことをお客様に言いやすいように入口から良い関係を築けてるかが大切なのだ。さらにそのお客様が退店の際に必ず見送る。
受け身になるのではなく、攻めの営業スタイルを嫌味なくやれると最高だよね。
お客様は気づいてほしい
お客様が滞在時に感じやすいストレスの1つに
『気づいてほしいのに、スタッフが気づいてくれない』
私もレストランやバーで同じような経験をする、オーダーしたいのにスタッフが誰も気づいてくれない。
日本だとお客様が『すみませーん』と呼ぶ習慣があるがこれは私的にナンセンスなのだ。お客様がではない、『すみませーん』と呼ばせてしまったお店側に問題があると思う。
ちなみに海外で、お客様からスタッフを呼ぶ習慣はあまりない。来るまで待つ、もしくは指か目で合図を送る。
先にこちらからお客様の動作な表情を見て気づいてあげるのが、サービスの一環だと考えてます。
忙しくてすぐに行けない場合は、アイコンタクトだけでも良い。『あなたのこと気づいてますよ!』とアイコンタクトを取ってあげるだけでお客様のストレスは無くなるはずだ。
だから常にお客様のことを見てあげなくてはならない。その都度、店内を歩きながらお客様を見やすいポジション取りをする。それだけで各段に視野が広がる。
提供スピードの向上
美味しいものを早く提供することに注力していた。どういう風にするかと言うと仕込めるものは出来る限り、最終段階まで行うということだ。
それはカクテル、フードに関わらず。
特にカクテルメイクはプレミックス・スタイルでやっていた、カクテルに使用する複数の液体を事前にボトル内に入れ混ぜておく手法だ。
そうすることで味わいにブレも少なく、1から液体を注ぐより圧倒的に提供スピードが早くなる。
ピークタイムになるとこれが凄く効果を発揮する。提供スピードを上げてお客様の待ち時間を減らし、尚且つ杯数アップに繋げる。そういった利点がある。こういった取組みもサービスの一環だ。
接客については文書で書くのが難しいが、考え方次第で良い接客ができることが伝わっていれば嬉しいです。正直、接客に正解はないし、私が今回綴った内容は私の経験上の話しで、統計データがあるわけではない、ただ今までに何度も接客の工夫をして行きついた内容だ。常にお客様の立場になって考える志向が大事だと思う。
次回は『nephewバータイム メニューについて』
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