【バーテンダーがゆく、バレンシア旅行(2回目): 2023年11月】
皆様、ごきげんよう。バーテンダーの安部直柔(アベ ナオナリ)です。現在はメルボルンでバーテンダーをしています。
2023年12月末までロンドンで約2年間バーテンダーをしていました。その間に、ヨーロッパへ旅行に行くこともあり、からその旅先で出会ったオススメの場所、レストランやバーなどをいくつか紹介していこうと思います。
前回の投稿で『バーテンダーがゆく、バルセロナ旅行 (3回目): 2023年11月』について綴ったので是非そちらも読んでみてください。
今回は『バーテンダーがゆく、バレンシア旅行(2回目): 2023年11月』
友人の翼くんを連れて、バレンシアへパエリアのリベンジ・マッチにやってきた。
実は同年の2月に1人でバレンシアを訪れ、パエリアを食べたのだが自分が期待してたものと違った。というより、色んなことが重なり適当なレストランでパエリアを食べてしまった。残念ながらそのパエリアでは、私のパエリア欲は満たされず、味がどうこうというよりは『本当にこれって、バレンシアの人が認めるパエリアなのか?』という疑問が残ってしまい、わざわざ、バレンシアまで来てこれじゃ終われないとリベンジをしに来ようと、前回のバレンシア旅行で決意していたのだ。
何故?バレンシアでパエリア?なのかは、前回訪れた時のことを書いた、こちらの記事を見てもらえれば幸いです。
本場のパエリア
改めてバレンシアのパエリアを事情を調べた結果、このレストランで私が求めるパエリアに出会えるはず、という結論に辿り着いた。
Casa Carmela
バレンシアの中心地から離れたビーチ沿いに店を構えている。ここの売りはなんといっても、パエリアを専用の焼き場を設けて、薪火で豪快に調理するスタイルだ。薪はオレンジの木を使い、パエリアにスモーキーな味わいと、食材の風味を高めることを与えている。創業100年の歴史があり、創業当初はビーチ・ハウスとして営業していたそうだ。
おそらくバレンシアで1番の人気店だろう。ここに訪れる前に、出会ったバレンシア人達に『明日Carmelaにパエリアを食べに行く』と伝えたら、皆んな口を揃えて『素晴らしいパエリアのレストラン』だと言っていた。
期待に胸を躍らせ、Carmelaに到着。
店内は予想してたよりも広く、150席くらいあるらしい。私達は店内奥の中庭の席に案内された、他のテーブルは家族連れが多く、やはり調べていた通りパエリアは休日のお昼に家族で食べる料理のようだ。
まずは前菜から
パエリアの種類がたくさんあり選ぶのに迷うが魚介のパエリアをオーダー
いよいよ、パエリアの登場、ドーーン。
写真で伝わるだろう、めちゃくちゃ美味そう。米の炊かれ具合、エビと魚の白身の焼き加減、私が求めていたパエリアにやっと出会えた瞬間だった。
食べると、期待通り美味しい。出汁がしっかり米に浸透していて、魚介類の旨みと絡みあう、そしてビールが進む。少し日本人には味付けが濃ゆいかもしれないが、スペイン料理はこういうものだ。
実際にパエリアの焼き場を見せてもらった。
焼き場は想像通りめちゃくちゃ熱い、ありがとう、シェフ達。
本当に、またバレンシアまで来た甲斐があった。
パエリアのリベンジ・マッチ無事に終了。
バレンシアのミシュラン2つ星 レストラン
バレンシアの中心地から少し離れた場所に大きなアート・ギャラリーがある、モダンな美術館とも言える。
その中にミシュラン2つ星のレストランがある。
わざわざバレンシアまで来てパエリアだけで終われるはずも無く、有名なレストランでバレンシアのテロワールを味わいたいなと思い訪れて来ました。
レストランの名前である、Ricard Camarena (リカルド・カマレナ)は、実はシェフの名前でもあり、彼はスペインでも著名なシェフです。彼の料理の特徴は、地元バレンシアの食材と伝統を大切にしながら、革新的な料理を提供し、「シンプルでありながらも複雑な味わい」を追求しつつ、伝統的な料理に現代的なひねりを加えるスタイル。
店内は洗練された空間で、久しぶりに背筋が伸びます。
ディナー・コースとドリンクのペアリングをオーダーしました。
最初はCavaで乾杯
アミューズを食べた後にテーブルを離れ、中央のカウンターへ移り、シェフのデモンストレーションがスタート。
マグロに『ガラピン』というスペイン原産の茶色の豆をペーストにして塩を混ぜて塗り、さらに熟成させたものを提供してくれました。
部位の違いで味わいの変化があり、凄くユニークで美味しかったです。豆自体の香りはカカオのような感じで、マグロの味わいは旨みが強く、香りも複雑で納豆のような発酵臭がありで、日本育ちの私には凄く懐しく感じる瞬間でした。
こちらは瓶内で発酵させたトマトの料理で、味わい深い1品でした。クリームソースとの相性もよく、おかわりしたいくらい美味しかった。
ペアリングで純米大吟醸45磨きの獺祭も登場。海外のレストランで日本酒も地位を確立しているのは嬉しいですよね。ただ、味わいがヘタっていることが多いので、そこだけは要注意かなと思います。
ディナーを終えた後は、別室のラウンジへ移りまったりと時間を過ごしました。
そこでも焼き菓子の提供があり、素晴らしいレストランでの食体験でした。
友人の翼くんもダンディな男になった気分のようでした。
バレンシア C.F.
旅の締めくくりは、バレンシアの地元サッカー・チーム『バレンシア C.F.』の試合を観戦。バレンシアに行く前に、チームの公式サイトから購入、ゴール裏の最上階の席を選び、見晴らしはこんな感じ、相手はグラナダ C.F.でした。
結果は1-0で、バレンシア C.F.がPKの1点を守りきって、勝利。
応援してるチームではないですが、やはりサッカー文化が根付いている国で生サッカー観戦は最高です。
では次回まで!アディオス!
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