【nephew バータイム スタッフ育成】
皆様、ごきげんよう。安部直柔(アベ ナオナリ)です。
新年明けましておめでとうございます。無事に2023年をロンドンで迎えることができました!
現在ロンドンでバーテンダーをしています。
バーテンダーを始めたきっかけは、『海外で暮らし、仕事をして、自分の知らない国でチャレンジしてみたい』という思いからスタートしました。
ここではそんな私のロンドン挑戦への記録や自身のことなどを発信をする媒体として、noteへの投稿を始めました。
nephewバータイムのことについてはテーマを分けて投稿してます。
12月にnephewのことについて書き終えるつもりでしたが、ロンドンも12月はクリスマスシーズンで忙しく、文字通り師走のような月でした。
今回は『nephew バータイム スタッフ育成』について綴ります。
以前もご紹介した通り、nephewはカフェとバーで営業時間が分かれており、カフェとバーで基本的にメンバーが違います(両方を行き来するメンバーも居ます)
バータイムスタート当初のメンバーでいうと、飲食店勤務経験者は多かったのですが、バー勤務経験者は私と女性スタッフの1名のみで、1からバースタッフを育成する課題がありました。このことが私がnephewで1番難しく感じたことです。
お酒の知識であったり、カクテルのことであったり、バーテンダーの技術的なことだったりと正直、私自身も誰かにしっかり教わったというよりは自分から知ってる人に聞いたり、調べたり、実践したり、失敗したりを繰り返して学んだので、正しい育成方法というのが分かってなかったというのが本音です。
じゃあ何に重点を置いて育成していたかというと『営業中の動き方』『考え方』や『接客』についてです。
私自身もバー以外に、居酒屋やレストランでの勤務経験がありますが、上記のことをロジカルに教えてもらったことが少なかったです。どちらかというと、働いてる人達は皆んな、感覚や経験、習慣でやってることが多かったように感じます。
技術的なことより、先に基礎的なこと。接客、考え方をロジカルに教えるほうが大事だと私は考えてました。
そこを軸に考え始めると技術的なことにも繋がると思ってます。自分で考える能力を養うようなイメージでしょうか、そうするとバーテンダーの技術的なことも早く身につくように思います。
営業中の動き方について
重要なのは、無駄な動きを減らす。効率よく動くことです。
ホール担当でいうと、フロアのお客様全体が見えるところになるべく立つようにする。お客様が見えることで、お客様からではなく、先にこちらから色んなことに気づいてあげることに繋がります。
あと、飲食業界では1WAY 2or3JOBと言ってることがあります。例えばフロアに出たら1回で2か3個仕事をするという意味です。さらにその中で接客をするようになれるとお客様とコミュニケーションも取れるので大切な心構えです。メニュー渡すだけ、商品を持っていくだけ、お皿を下げるだけ、それではロボットですよね。
それを個性のあるスタッフがやるのとは大きな差があります。
さらに効率を上げることで良くなることがあります。それは接客に時間を使えるようになるんですよね。何の為にやってるのか?これを理解すると物事が広く見えるようになると思います。
お客様の目線を見ること
飲食店経験者なら分かると思うんですが、お客様の目線を見てるとその人が何をしたいのか分かるようになってくると思います。目線を見て先にこちらから動くってことが小さなサービスだと思います。
まだまだ細かなことはいっぱいあるんですが、こう言ったことを文字にするのって大変ですよね笑
その時の現場シチュエーションによって、やることが変わるのでいつか動画でも作って説明できるようにします。やってる人もたくさん居ると思うのでYouTubeで検索してみてください笑
基礎的なことの積み重ねが効果を発揮する時間があります。それがピークタイムです。普段から基礎的なことをしっかりやっておかないとピークタイムにあたふたして、円滑な営業ができなくなります。それは単純で、やることが増えるから。普段から動き方や接客をピーク時を想定して考えてれば、意外とピーク時もスムーズにやれます。それができないと自分達も疲弊するし、ストレスになるし、最もお客様の満足度が下がってしまいます。
バーテンダーの育成
とはいえ、基礎的なことも大切なんですが、バーテンダーには技術的なことも求められます。
皆さん、例えばですがAさんとBさんが、全て同じ条件とレシピで双方が作ったときに味って変わると思いますか?
不思議なもので、作る人の技術的な差でカクテルは味が変わります。バーテンダーを始めた当初1番驚いたことです。
正直この技術的な差を埋めるのって、経験と練習が必要なんですよ、さらに忙しい営業中だとさらに差がでます。料理人も一緒ですよね。
バーテンダーの育成トレーニングも少しですがやってました。
ジガー(液体を計量して注ぐ道具)の使い方
色んな形があるんですが、どれも基本的に内側に目盛りが付いてます。それに液体をその目盛りに合わせてバーテンダーはグラスやシェーカーに注ぎます。でも意外とそれがちゃんとできてないバーテンダーもいます。
それの何が問題なのかっていうと、例えばカクテルレシピで30ml 20ml 10mlって書いてあるとします。これちゃんと入れるのって意外と難しくて、実際はちょっと誤差が出てる人もいます。そうすると自分では、ちゃんと正しく入れてるつもりになって作ってるってことなんですよ。
じゃあデジタルな計量機で測れば良いじゃんってなるんですけど、アルコールは水より軽く、シロップ類は水より重たいので、計量機でやると誤差出まくるんですよね笑
そういったジガーでの計量ミスを減らす為のトレーニングをしたり、計量以外にも複数杯同時に作る時の、考え方など。ステアやシェークの理論についても。
これも文字に起こすと大変だし、実際に見てもらったり体験してもらったほうが理解していただけると思うのでいつか動画で説明します笑
正直、nephewを辞めるまでに一人前のバーテンダーを育てることはできませんでした。やはり辞める際は他に経験者が必要な状況になってしまいました。
この点は自分自身、反省しなくてはなりません。日々の営業に追われて、バーテンダーの育成に時間を割けなかったというのが本音です。
個人的には営業時間外にやれるんですが、これに関しては強制ではなくて自主性なので、学ぶ側の意欲も必要ですよね。
日本もイギリスもバーテンダーが不足してるようです。今後の若手バーテンダー育成が必須で、それは業界全体が取り組まないといけない課題だと思います。
ただ別の国では高学歴卒の若い子達がバーテンダーになるという現象が起きてるようです。その国のバーテンダーに少しだけ話しを聞いたところ、大学で学んだ専門的な知識をバー業界で活かすことができるという考え方を持ってる若い子達もいるようです。確かにそう思います。マーケティングやサイエンス、経営学などなど飲食業界でも必要な能力です。世界のバーテンダー業界でもそういう流れになれば、人材不足も少しは解消されるように思います。
次回は『nephew バーチーム総括』
長々とnephewについて書いてきましたが次回が最後です。その次はロンドン編に移ろうと思います!
お楽しみに!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?