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【バーテンダーがゆく、パリ旅行 : 2023年10月】

皆様、ごきげんよう。バーテンダーの安部直柔(アベ ナオナリ)です。現在はメルボルンでバーテンダーをしています。
2023年12月末までロンドンで約2年間バーテンダーをしていました。その間に、ヨーロッパへ旅行に行くこともあり、からその旅先で出会ったオススメの場所、レストランやバーなどをいくつか紹介していこうと思います。

前回の投稿で『バーテンダーがゆく、ベルリン旅行 : 2023年9月』について綴ったので是非そちらも読んでみてください。


今回は『バーテンダーがゆく、パリ旅行 : 2023年10月』

美食の都市パリ、いつかは行きたいと思っていた場所。ロンドンに住んで1年半、やっと行けました。ロンドンからパリは電車で約2時間、ユーロ・スターという高速鉄道で行けるのだが、近いが故に後回しになっていた。

ベルリンに引き続き、レストランとバー、そしてローカル・フードを求めてパリを回ってきたのでその中からオススメをご紹介しようと思います。

パリの日本人シェフ・レストラン

バーテンダーである私がロンドンに住んで1番強く感じたのが、味覚と食文化の違い。何故そう感じたのが深く考えた結果、食育の環境と食文化がそうさせているのだという結論に行き着いた。なので、日本人が海外の人の味覚に合わせるのは結構大変である。バーテンダーの私はが身を持って実感している。

そんな中でも海外の土俵で活躍している日本人シェフがたくさんいる。もちろん、日本食で勝負している人もいるが、フランスやイタリア、スペインなどで日本人シェフがその国の料理という土俵で勝負し、高評価されていることは本当に凄いと思う。そこには私たち日本人の味覚の繊細さ、研磨した技術が備わっているからではないだろうか。

想像してみて欲しい、日本で外国人シェフが日本料理で挑んでいるシェフが何人いるだろう?その中で有名なシェフは何人いるのか?
私はまだ知らない。


異国で異国人が、その国の料理で高評価を受ける難しさは計り知れない。
しかしパリにはフレンチ料理で高評価を受けている日本人シェフがたくさんいる。
今回、日本人シェフがいる2ヶ所のフレンチ・レストランに行ってきた。

Cena Paris

シェフは中村英樹氏、パリの星付きレストランで料理長を務め、2023年からCenaの料理長に就任している。

アラカルトかテイスティング・コースを選べるがもちろん1人なので、テイスティング・コース(アミューズ, 前菜3品, 肉料理2品, デザート2品, プティフール)
クラシカルな部分とガストロノミーが混在していて、尚且つ季節感を感じられる料理でした。どれも美味しかったのですが、来店前にカクテル5杯くらい飲んで行ったのを後悔。食べきるのがしんどかったんですが、デザートの1品目がめちゃくちゃ美味しくて体調復活しました。

特に記憶に残っている料理を数種類載せておきます。

ランゴスティンとマッシュルーム
ピジョンのパイ包み
カシスとグレープフルーツのデザート

インスタグラムを見たところ、中村シェフは現在退店されてるような感じでした。また違うステージで活躍されてるのだと思います。

Masion

『Masion』はフランス語で家、建物という意味。オーナー・シェフは渥美 創太氏
今回訪れたMasionはパリでは珍しい、一軒屋のレストラン。古くからあったワインの貯蔵庫を改装して作ったレストラン、外観は三角屋根が特徴的で前を通れば必ず誰しもが気になる存在感。
1階がレセプション兼ラウンジで2階がレストランになっており、テーブル席とカウンター席に分かれており、約30席くらい。内装のマテリアルはテラコッタ(赤や土色の素焼き)がメインで暖かみのある雰囲気。

ランチ・タイムに伺い、ランチ・コース(アミューズ, 前菜2品, 魚料理, 肉料理, デザート, プティ・フール)をいだきました。

料理の特徴はガストロノミーを取り入れつつ、フレンチなんだけど日本の素材を使い、日本人シェフらしさを感じれる味わいでした。シェフ曰く、『フランスの家庭料理の延長させた肩肘張らないスタイル、ナチュラル・ガストロノミーとのこと』
カウンター席だったので、シェフ達のチーム・ワークを見ることができ、食べていない時間も楽しむことができました。私自身がバーテンダーだからなのか、カウンター席に座ると常に感じるのは、お客様側から作る工程を見るのも、美味しいと感じる1つの過程なんだろうなと言うこと。今後も私自身の一挙手一投足に気を配っていこうと強く感じるタイミングでした。

バスク地方で有機栽培のりんごを19種類のりんごを使ったシードル
これめちゃくちゃ美味しい
季節のきのこと卵黄ソース
ナントのラム肉、ブロッコリーとアサリ

またパリに行ったら、行きたいレストランです。

パリのカクテル・バー

いくつかパリのカクテル・バー巡ったんですが今回はモダンなスタイルのカクテル・バーを紹介します。

Little Red Door

パリで最も有名なカクテル・バーと言っても過言ではないでしょう。昨年の世界のバー・ランキングで世界6位にランクイン、フランスで作られる野菜や果物、お酒、そして生産者達を特集したカクテル・メニューを2022年に発表し、それからさらにバー業界から注目を浴びるようになり、認知度をより高めました。
あまりバーでは見かけないカクテル・コースを予約で受付ていたので、事前予約をして訪問しました。訪れたことのある人からいつも満席で入れないと聞いていたので、予約をしていくのをオススメします。

赤いドアが入り口っぽいけど、実はダミーで左の扉が入り口
カシャーサ、確かエルダーフラワー?のカクテル
酸化熟成させて梅のワインとアルマニャックブランデー
味わいと香りが複数層になっていて逸品でした

ちょうど今年の7月から経営者とバーテンダー達が新たな体制に変わり、メニューも一新されたようですが、有名店には変わりはないので、パリに訪れたら是非行ってみてください。

Bar Nouveau

Remy Savageという世界的に有名なバーテンダーが共同経営しており、アール・ヌーヴォー(花やツタなど植物を模したものや曲線的な装飾が特徴のデザイン)からインスパイアされたカクテル・バー。
ロンドンにも系列点があり、そこは私も頻繁に飲みに行っていました。ここは昨年オープンし業界でも話題になってました。内装、ユニフォーム、カクテルまで、全てにコンセプトが落とし込んであり、何も違和感がない統一された空間でした。カクテルもモダンかつ古典的な要素があり、フランスを感じれるバーです。

雰囲気のある店構えだ
バニラ・ヨーグルトのカクテル
床までアール・ヌーヴォー
モダンクラシック・カクテルのJasmineをツイスト

フランスのパンはやはり美味かった

フランスに行ったことのある人が口を揃えていうのが、パンが美味しい。しかもどのお店でも。
私もGoogle Mapでホテル周辺のパン屋さんを検索しまくって、行ってきました

Boulangerie L’abeille

特段有名ではないと思いますが、伺ったときはお昼の時間帯でもあったので、結構賑わってました。周辺に住んでる人や働いている人達が多かった印象です。
実際に食べた感想は、、、『めちゃくちゃ美味しかった』
ショーケースに色んな種類のパンが並べられており、正直選ぶのに困るくらいですが、たぶんどれ食べても美味しそうでした。

クロワッサン・クロックムッシュ
バカ美味

そして別枠で、ハンバーガー屋さんも調査。
これは私の持論なんですが、ハンバーガーの美味しさを左右するのは、肉より、バンズだろと思ってます。
鮨はネタよりシャリが重要なのと一緒の理論。

ということで人気店を調べて行ってきました

Le Ruisseau Burger Joint

自家製のバンズと激ウマのポテトフライが推しなお店で、バーガーとフライとソフト・ドリンクのセットが€15-と良心的な価格設定もナイスでした。 

縦長の店内、入り口横がテイクアウト・コーナー
チーズ・バーガー
フランスといえば、オランジーナ

PNY Burger

やはり比較対象が必要だろうと、アメリカン・スタイルの有名店へ。味わいが罪深そうなポテトフライとミルクシェイクが目に着きますが、今回はバーガーのみをテイクアウェイでオーダー。

オシャレなテイクアウト用の紙袋
アボカド&チーズバーガー

どちらも甲乙つけ難いが、私はBurger jointのバンズが好みです。
その国の食文化から派生した、ストリート・フードを食べ廻るのもオススメです。

パリの老舗レストランに行くはずが

先に結論から話すと、パリの老舗レストラン『La Tour d'Argent』の予約をしたと思ったら、姉妹店(向かい側)の『La Rôtisserie d'Argent』というビストロで食べていた。
それに気づいたのが、食べ終わり店を後にし、目前の信号を歩いていたら『?同じ名前の店?ん?』となり発覚。後の祭りである。
予約の段階から間違っていて、食べ終わって店を出るまで、お店を勘違いしていた。
1人だから笑い話だが、たまにやってしまう私のおっちょこちょいが出てしまった。ある意味1人で良かった、誰にも迷惑をかけてない。

ただ、『La Rôtisserie d'Argent』の料理も美味しかったので後悔はない。またパリに訪れた際、本家本元に再度伺えいいのだ。

これが本場のエスカルゴ

ありがとう、美食の都市パリ。

では次回まで!アビアント!

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