榧の木から学ぶ
榧(カヤ)の木の碁盤が届く。高齢になり正座をすることが少なく、囲碁打ちの姿勢も生活に合わせたいとのご相談。
脚の部分を取り除き薄く仕上げ、加工します。
榧は成長が極めて遅く、碁盤に適した大きさになるには300年以上を必要とされている。
現在は市場に出てくることも年に数えるほどで、大変希少な材。
碁を打った時に弾力のある榧は、最も適した硬さで肩にひびかず、石を打つ響きは最高だとも言われています。
適材適所に多摩産材は活かすことができる。突然のお客様のご相談で、改めて木の素晴らしさに気付くことができました。
余談ですが、碁盤と言えば京都の碁盤の目のような条坊は西暦794年、かつての都市平安京の街づくりの際につくられていたそうです。
世界中がうごめき出した今、大切なことを見失ってはいないか。そんなことも考えながら一日を終えています。