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信頼残高ゼロの松尾真理が、想像力を持って働くリーダーになれたわけ

《SHElikes  WEBライティング講座 課題ライティング文です》

キャリアチェンジは、働く女性なら一度は考えてみたことがあるはず。
結婚、妊娠、子育てと、働く女性のライフステージは目まぐるしく
変化していく。
リクルートからSHElikesに活躍の場をうつし、女性のための新しいマネー
講座を立ち上げたSHEmoney責任者 松尾真理さんに話を聞いた。

  
SHEmoneyは、従来のマネー講座が目的としていた「お金を稼ぐ、増やす」ことではなく、自分らしい資産形成をコーチングを通じて共に考えていくことを目的にしている。お金という計量的な指標ではなく、自分にとっての豊かさとは何かを深く掘り下げ、言語化する過程を大切にしているという。その哲学に共感した女性たちが殺到する、人気講座を作り上げた松尾さんとは、どんな人なのだろうか。


ーーー大企業リクルートに就職したのに、なぜ、キャリアチェンジをしようと思われたのですか。

「20代のうちに、何か大きなことをやり切りたいと思っていたんです。結婚をし、子育てをする前に、何か1つ、「紋所」を作りたかったのかもしれません。」

第1線を離れる前に、紋所=やってきた実績を作りたい、というのは、女性なら誰しも思うこと。育休後に、現在のポジションに戻れるかどうかもわからないし、現状の働き方が難しくなることは先輩方を見ているとわかってしまうことでもある。

松尾さんは、その紋所を作るために新入社員として入社したリクルートで
失敗を繰り返しながらも仕事に取り組み、現状に満足することなくスキルアップにも励んだ。

リクルートにいながら、留学時代に憧れたITスキルをしっかりと身につけ、金融についての新規事業を立ち上げるべく、二足の草鞋で活動していたところに、SHElikesの福田氏から声がかかったのだ。

そのままリクルートにいる方が安泰であったにもかかわらず、松尾さんは
福田氏のオファーを即決した。
そこに至るまでの彼女の努力と決断力があったからこそ、今の彼女がある。

ーーーこれまでの失敗体験や、心が折れたことを教えてください。

「一番大変だったのは、SHEmoneyのベータ版を作った際、しっかりと監修をしてくださるFPを見つけ出すことでした。フリーランスでFPをしていらっしゃる方はたくさん見つけられるのですが、私たちのビジョンに賛同し、中立的な立場で協力してくださる方がなかなか見つかりませんでした。

素人の作るものに対して、興味を持っていただけなかったり、話を聞いてもらえたとしても、逆に何時間もお説教をされてしまったりすることもありました。立ち上げのスタッフは、私を含めて2名だったので、お互いに励まし合いながら、何度も初心に立ち帰り、心を奮い立たせて働いていたことを覚えています。」

ーーーなるほど。メンタルも、体力もタフでなければ務まりませんね。

「そうですね。新規事業を立ち上げるということは、スクラップ&ビルドが必須ですから。」

ーーーでも、最初からタフだったわけではないかなとは思いましたが
いかがでしょう?

「新人社員の時は、全く逆で、塞ぎ込むタイプだったんですよ(笑)。
新人の頃、想像力なしで働いたことがあって、できない仕事を自分の
論理で勝手に締め切りを伸ばして抱え込んでしまったことがありました。
その時は、上司だけではなく、その仕事に関わるたくさんの方に迷惑を
かけてしまい、私の信頼残高はゼロどころかマイナスになってしまった
んです。」

そこから、松尾さんのリベンジが始まる。上司だけではなく、いろいろな
人に相談し、自分の意識を変える努力をした。仕事に邁進すると同時に、
さまざまな資格を取得。20代で新規事業プロジェクトリーダーにまで
上り詰めた。

でも、そのチームではリクルートで理想とする「トップダウン型」の
リーダーにはなれなかった。自分よりも年上の部下もいる、さまざまな
年齢層、キャリアを持つチームをカリスマ的なパワーでひっぱるリーダーになろうとしたが、些細なトラブルが重なり、チームはバラバラ、最後には、自分の心身に異常が出るほど疲弊してしまったのだ。

その後、リクルートを離れ、新規事業を立ち上げる中で、
彼女自身の「働き方」に対する考え方が変化していった。

トップダウン型のリーダーではなく、フォロワー型のリーダーへ。
ヒエラルキーのトップに立つリーダーではなく、平たくメンバーと関わり、各々の良さや能力を引き出すリーダーへと変身することができたのだ。

ーーー松尾さんが、今一番大切にしていることは何ですか。

想像力を持って働くということです。
 SHEmoneyでもそうですが、コーチングが私のマインドにあります。
 コーチングとの出会いを作ってくれたのが、SHElikesなのです。
 チームのメンバーとの1on1の関係作り、メンバー内で苦しい人を
 どう助けるか、そのベースにあるのは、『あなたを大切にする』という
 感覚です。」

リーダーとして大切なのは、
メンバーに「心理的安全性を感じてもらうこと」と松尾さんは言う。 
チームメンバーに対して、相手のことを思いやり想像するためには、
体力と時間が必要だ。そのためにも、自分自身を思いやることが
大切なのかもしれない。

「悩みはシェアすると、軽くなるんですよ。」

カッコつけずに、弱い私も見せる。
人の目がある場に、あえて出る。

人に頼る=悪 と思ってしまう人に対して、頼ることを教える。
できないことを、できないと言えるチームを作る。
できないところは、できる人の力を発揮してもらう。
そうやって、「良いチーム」を作っていこうよ。

松尾さんの「哲学」は、働き方だけではなく、彼女の手がける事業にも注ぎ込まれている。

「女性が生き生きと、自立して生きていくこと、
 自分がどうありたいかを、共に考え、
 共に歩んでいく存在になりたいのです。」

松尾さんが目指す未来には、何が見えているのだろうか。

「今は、働く女性にフォーカスした事業になっていますが、
これからはもっと様々な人を対象にしていきたいと考えています。
特に、中学生高校生に向けて、お金の授業をしていきたいです。」

女性が社会的に自立して生きていくために、お金は不可欠だ。
お金や資産について考えるということは、
自分自身の人生について考えること。
ひいては、「人生の価値」や「豊かさ」について考えることにも
つながっていくだろう。

「想像力を持って働くこと」は、「想像力を持って生きること」。

一つひとつの質問に、ありがとうございますと言葉を添え、笑顔でインタビューに応じてくれた松尾さん。女性としてだけではなく、働く人全てに必要な「心」のあり様を教えてくれたのだと思う。

松尾真理さんの「言葉」と「笑顔」は、
私たちの働く元気を支えるサプリなのかも。
インタビューの後に、元気になった私が感じたことだ。
いつでもそばに置いておきたい、お守りのような言葉たちを、
これからも忘れずに心に留めておきたい。


松尾真理さんのnote


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那珂(なか)
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