老舗牛丼チェーンを展開する「吉野家HD」の投資タイミングは？

『投資をもっと楽しく身近に』をコンセプトに、投資未経験の方にも参考になるような企業紹介をしていくコーナーです。

今回取り上げる銘柄は証券コード【9861】吉野家ホールディングスです。

120年以上の歴史のある牛丼屋「吉野家」をはじめ、うどんチェーン店「はなまるうどん」を展開している企業になります。

そこで今回は【9861】吉野家ホールディングスの事業内容や現在の指標面、狙うとしたら何時か？、といった私個人の見解を交えながらお届けしてまいります。

ご自身の投資判断の参考に、是非最後までお付き合いください。

それでは本題に参ります。

事業内容＆業績

事業内容

1899年に誕生して以降、実に120年以上愛されてきた牛丼店「吉野家」を主軸にして、「はなまるうどん」を展開しています。
アメリカや中国、インドネシアやベトナムといった東南アジアにも吉野家の店舗拡大を行っています。
国内外に店舗拡大をしているだけあって、売上高構成を見てみても、グループ全体の約7割を吉野家が担っています。

出典：吉野家HD

業績

コロナ禍だった2021年期は赤字決算を出していますが、その後は消費の持ち直しによって増収となっています。
今年度（2025年度）も増収見通しとなっていますが、利益は減益予想です。

出典：株探

直近の四半期決算を確認したところ、営業利益−38.6%、経常利益−24.6%と、どちらも前年同期比でマイナスという残念な結果になっています。
経常利益進捗率も16.7％と大きく出遅れています。

これはウクライナ＆中東情勢悪化による世界情勢、円安や政府主導の賃上げによるコスト負担増、それに加えて個人消費の低迷などが、主な要因です。

出典：株探

しかし、企業もそんな状況を指を咥えて見てるわけではなく、「吉野家」店舗の商品提供システムの改善（お客さん自ら商品を受け取るスタイルへの方針転換など）や傘下の「はなまるうどん」の”天ぷら粉の改良”といった付加価値の向上。クレジットカード端末の導入による店舗運営のシステム化によるコスト削減、これらに積極的に取り組んでいく方針とのことです。

出典：吉野家HD

出典：吉野家HD

有利子負債倍率（利息のつく借金をどれくらい持っているのか？）直近上昇していて0.49倍。
自己資本比率は53.6％となっています。直近上昇しているとはいえ、有利子負債倍率はそもそも低めですし、ここ数年財務体質を改善している様子が見られるので、（財務面では）心配のいらない水準だと思います。

2024年期の販管費（販売費及び一般管理費）は、1,113億円。月ベースで換算すると約100億円の固定費がかかっています。
直近第一四半期時点で、現預金は224億円となっています。
この状態だと、仮に売り上げが0になった場合、2ヶ月しか持ち堪えられないため、少しばかりキャッシュに不安があります。
※しかし広告宣伝費も販管費に含まれているため、それを削減すれば、もう少し伸ばすことができます。とはいえ、心配の残る現金残高だと言わざるを得ません。

出典：株探

株価＆各指標面

株価は記事作成時点で3,052円。
昨年末以降上値が抑えられていますが、長期的には上昇トレンドを形成しています。

出典：株探

週足チャートではこんな感じです。

出典；株探

PERは48.2倍、PBRは3.24倍と割高に位置しています。

配当利回りは0.66％。
配当金の推移は、「良くも悪くも日本外食産業の配当金の出し方してるな〜」という印象です。
特にコロナ禍では無配転落、その後の配当金の戻り方に関しても”少しづつ”といった感じで、配当金に関しては「もうちょっと頑張ってほしい」という印象を抱いてしまいます。

出典：吉野家HD

株主優待

気になる株主優待の内容は、グループ店舗で使用できる株主優待券（お食事券）がもらえます。

• 100株～199株保有
  2月末、8月末の半期毎に4枚の500円（2,000円分）サービス券を進呈。

• 200株～999株保有
  2月末、8月末の半期毎に10枚の500円（5,000円分）サービス券を進呈。

• 1,000株～1,999株保有
  2月末、8月末の半期毎に12枚の500円（6,000円分）サービス券を進呈。

• 2,000株以上保有
  2月末、8月末の半期毎に24枚の500円（12,000円分）サービス券を進呈。

発送時期

2月末分は5月上旬、8月末分は11月中旬。

利用可能店舗

日本国内の株式会社吉野家、株式会社はなまる、株式会社スターティングオーバー（千吉、鶏千の店舗）、株式会社ウィズリンクのグループ各社店舗
※一部店舗（競馬場内・競艇場内・臨時店舗など）は取り扱いできないようです。