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春爛漫と、スカートひらり

皆さんの春の話題を読んでいるうち、
私にも忘れられない春の思い出が
よみがえりました。

あれはわたしがまだ色白で、二十歳を過ぎて
そんなに月日も経ってない、おぼこいオナゴの年頃でした。
大阪・天王寺駅から出ている、ちんちん電車に乗って、帝塚山にある喫茶店へ、
休みの日にお茶を飲みに行くのが楽しみな
素朴な田舎出の子。ふだんはお金も使わずに、買い物すらしない私の唯一の贅沢でございました。

喫茶店で頼むのは、決まってカフェオレ。
コーヒー専門店というよりは、喫茶と軽食。
当時よくあった街の喫茶店。
マスターは中条きよしのバタくさいところを、
インドへ行かせてガンジス川で洗い流してきたような
、ちょっとばかりいい男でございました。
澄んだ大きな目をした独身もので、
おそらく、こういう人は、ずる賢い女の人に
一度や二度は手痛い目にあっておいででしょう。

週1で通う私は、当然マスターには顔馴染みの影のある心に何かあるなと思わせる客になりまして。
私はそこでカフェオレと、時折り、ホットサンドを頼んでは、遠距離恋愛の相手への、一方通行の思いの堂々めぐり

マスターが作るカフェオレがミルキ〜はぅ〜。あの頃の私は女としても人としても、
まだまだネンネで未熟でした。
マスターの作る、一生冷めないと思わせてくれる熱々の
魔法のカフェオレが、私の冷えた胸を、そうです、また温めてる。

着ているのはピンクの春物ニットのセーターとスカート
一年前はこの服に、透かし編みの赤いカーディガン羽織って、彼と初めて公園へ行ったなあ

あれは二人が離れる二日前。
あれが最初で最後のデートになってしまうの?

そんなの嫌だ!そんなこと絶対ない!

だってあれほど私のことを好きだっていったやん!いったや〜〜ん!!
セーターの胸のところにある小さな花の刺繍を思わず両手で押さえて、
彼の声を思い出しては、窓の外を見つめていましたっけ。

そう、春用のうすいセーター、揃いのフレアスカート。ウエストはゴム、で、ラク。
シワも気にならない、で、ラク。ラクなのよ。

週末はセンチメンタルになりきれる場所で
彼を思い出す私。
お酒は飲まないから発想が学生レベル。
サンドイッチ食べてカフェオレ飲むだけ。
そうして帝塚山方面から天王寺終点まで、
またちんちん電車に揺られて帰りました

春の夕暮れ前、天王寺駅終点に到着。
路面電車の駅は近鉄デパートの前を走る県道?の中央分離帯位置に乗降場所が出来ているから、電車の両側を車がバンバン通りまくる。

前の方に座っていた私は、3番目くらいにちんちん電車を降りまして。
うしろにお客さんが続いてる。
お金は先に払ったんか、降りる時か忘れましたが、とにかく、運転手さんに、どうも、とお礼の声かけて、運転手さんも、おおきに、と気よく応えてくれて、電車のステップを2段降り、3段目の足が歩道に降りる・・・

それで、どういう構造になったのか今でもわからないけど、原因が私の後ろにいた人にはわかったかもしれません。

とにかく、私は白昼堂々と、スカートとシミズ
(と子供のころから母親に言わされていた下着)を一緒に足首のところまでコンクリの地面に落としまして。

そして3秒後か4秒後、私は何事もなかったように落ちたスカートを上げ直し、ちんちん電車の駅から天王寺駅に向かいました。
ウエストがゴムやったから。たぶん、裾、踏んだんでしょう。

わたしのパンツは丸見えになっていたのではないかと想像しますが、
当時どこからも誰からもリアクションは頂けず
大阪とは思えぬ淡々とした、
なにか中途半端なオチもない話で、
私の彼との春は、それで終わりました。

しょうもない昔話してすいませんでした。

最後は私に春を思い出させてくれた方々の素敵な春の記事と、そして素敵つながりでBIG対談の中でも特に光っている、ボブの記事で飾らせていただきたいと思います。(ボブの意味はよめばわかります)

この方々はすでに皆さん、よくご存知の有名人ではございますが、あえて春らしい記事としてご登壇いただきました。ありがとうございます!


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