小学生と教育版マイクラプログラミングで遊んでみた話(こども体験フェスティバルイベントレポート)
こどもたちの間で大人気のマイクラ。今回は小学生に教育版マインクラフトのプログラミング体験をしてもらいました。
この記事は、2023年6月4日に那須塩原まちなか交流センター「くるる」で、(一社)黒磯那須青年会議所 50周年記念事業「やって!みて!きいて!こども体験フェスティバル」(黒磯那須青年会議所主催)というイベントの中のプログラミング体験枠にて、小学生向けにマイクラプログラミングを体験してもらったイベントレポートです。
マイクロソフト認定教育イノベーター
マインクラフトエデュケーションアンバサダー(Minecraft Education Ambassador)
である筆者が講師となり、約90分の講座を実施しました(休憩時間もありましたがその時間も取り組んでいましたのでそれを合わせるとこどもたちは100分超えて集中して取り組んでいました)。
マイクラプログラミングに興味がある子どもや、マイクラをプログラミングでプレイする新しい世界を知りたい大人にもオススメの記事です。
イベント当日はとても良い天気となり、多くの人で会場は賑わっていました。
目的
このプログラミング体験枠は、
・習い事などにリーチできない層にプログラミング体験を届けること
・学校の授業におけるプログラミングツールや学びのプラットフォームとしての教育版マインクラフトの価値を保護者や会社経営者等に知っていただくこと
・小学校~高校までのプログラミングをカバーできる教育版マインクラフトの魅力を伝えること
・主にゲーム機でマインクラフトをプレイしている児童にパソコン版マイクラの魅力、楽しさを伝えること
などをねらいとしています。
参加対象について
このイベントでは、主に小学1年から6年までの児童が参加対象となっています。
教育版マインクラフトコードビルダーのMakeCodeは、ひらがなだけのプログラミングブロックは無いため低学年にはハードルの高い部分もありますが、プログラミングブロックのある場所を「カテゴリ(色)」→「上から(下から)何個目のプログラミングブロック」といった指定方法で可能な限り迷わないようにナビゲーションすることでカバーしてみました。
なお、このマインクラフトプログラミングの枠は、Webでの申込み開始から約1分で満席となり、マイクラ人気を裏付ける結果となりました。
使用機材
使用した機材はSurface Pro 6を活用しました。画面はタッチパネルに対応しているため、画面タッチ操作に慣れ親しんでいる一方でキーボードに馴染みが薄い小学生には少しハードルを下げるのに役立ったのではないかと考えています。
講座内容
プレイプラットフォーム
これまで教育版マインクラフトを活用した授業づくりサポートをしてきた経験から、小学生がマインクラフトをプレイしている主なプラットフォームはゲーム専用機であることが非常に多いため、マインクラフトの内容に詳しい児童であってもパソコン版の操作にはある程度の慣れが必要となります。
このような場合、前半は操作チュートリアルを行い、後半にプログラミング体験という構成で実施するのが一番良いでしょう。マインクラフトそのものには詳しい子どもたちですから操作さえ飲み込んでしまえばその後は爆速で進める力を持っています。
予想していた通り、当日参加の9割の児童のプレイプラットフォームがゲーム専用機であったことが分かり、操作チュートリアルを前半に行うことで後半への展開がある程度スムーズになったと考えられます。
マイクラプログラミングって何ができる?
次に、いきなりですが、マイクラプログラミングができるとどんなことが実現できるのかを紹介してしまいます。プログラミングの細かいことを説明するよりも、マイクラプログラミングができるとこんなに楽しい!ということを動画などで紹介します。
他にもいくつか事例となるデモを紹介することで、その可能性を知って実現できることのイメージを持ってもらいました。実際、デモを実行した時に驚きの声が挙がったのはねらい通りだったと言えます。
パソコン版が最高
さらに、ゲーム専用機ではなく、パソコン版マイクラのメリットを伝えてパソコンでやるのが最高の体験となることを伝えます。無限の可能性が広がっているパソコン環境でのプレイをして欲しいと願っています。
そして、一緒に参加している保護者の方々には、生産的活動の道具となるパソコンを与えることの意味を理解してもらえるようにメッセージを伝えました。
パソコン操作に慣れる
教育版マインクラフトには操作に慣れるためのチュートリアルが用意されているので以下の3つほどをやればある程度操作に慣れることができると思います。
これらのチュートリアルはALL Englishなのですが、何をすれば良いかを助言すればすぐに解決するでしょう。NPCと話をするところではイマーシブリーダーを起動して日本語訳できるということも体験してもらいました。イマーシブリーダーが読み上げしている様子を見ていた保護者の方は感心していました。
これらのチュートリアル、たまにバグって動かないことがあるので一応注意が必要です。
コードビルダーでプログラミング
操作に慣れたらテンプレートワールドの「草ブロック」を開き、いよいよコードビルダーの起動です。
エージェントと散歩
マインクラフトの世界に登場する「エージェント」くんと一緒に散歩するところからはじめましょう
とにかくコードがシンプルだけど分かりやすい動きから始めます。
マイクラの世界では様々な「イベント」が発生します。そのイベントを拾った時に「何をするか」をコードで表現することが可能なのでこのコードを実行した後に、他にどんな「イベント」が存在するのかを見てもらい改造を試みてもらいます。
コード改造
改造例としてプレイヤーが歩いたら花が咲くといった事例を見せると「おー」という声が挙がり、それを見て色々なアイテムを試してみる子が続出しました。
このあたりは自分の好きなアイテムがあると試してみたくなるのは当然ですよね。「このアイテムを・・・」と言わなくても能動的にやってくれるのは一人ひとりがマイクラの経験があるからこそです。
考えながらコードを追加
その後はエージェントに地面を掘らせたりするコードをあえて処理が足りない状況で実行して見せて、あと何をすれば良いかを考えてもらうような展開で進めました。こうすることで単なる写経ではなく、エージェントの動きに足らないものは何かを考えながらステップを追加していく体験となります。
ループでカオスに!
ループカテゴリにある繰り返し命令はとても便利です。コードを書いていく上では必須の命令群です。
ScratchプログラミングでもおなじみですがScratchCatを増殖させたりするのと同じようにマイクラのモブを大量発生させたりするのはコード実行の結果が分かりやすく、それらの命令の効果を実感できます。
まとめ
今回は教育版マインクラフトのプログラミングを小学生低学年から高学年までと幅が広い年齢層にチャレンジしてもらいました。普段プレイしているマイクラとは異なる非日常なマイクラをMakeCodeプログラミングを通じて実現するという体験です。
低学年の子はまだ手が小さいのでキーボード操作で若干苦労はしますが、少しずつ慣れて行ってもらえると良いと思います。キーの位置も頻繁に使っていれば見なくても位置が分かるようになります(頭で覚えるというよりは体が覚える)。最終的にはそれがキータイピングへとつながっていく筈です。
最終的に100分超えの時間を見事な集中力で取り組んでいる小学生のパワーは本当に素晴らしかったです。これを見ればなぜ「教育版」マインクラフトなのか、お分かりいただけるのではないでしょうか。
え?分からない?
それは遊びと学びを区別して捉えているからではないでしょうか。
以下の記事でも触れましたが、遊びと学びは地続きです。
遊びの中には学びの要素がたくさんあり、それを見落としているととてももったいないことになります。
まずは「遊びと学びは別」という思い込みをアンラーン(Unlearn)しましょう。
教育版マインクラフトはFuture Ready Skillsの要素を引き出せる学びのプラットフォームです。ぜひ、活用してみてください。
最後に、このような機会をいただきました(一社)黒磯那須青年会議所の皆様、機材提供をいただきました日本マイクロソフト(MIEE事務局)様、お手伝いに来てくれたMIEEの先生、参加していただいた皆様、参加枠争奪戦で残念ながら参加できなかった皆様(ごめんなさい)、本当にありがとうございました。
今回参加出来なかった方々のためにも今後も機会を増やして行きたいと考えていますので楽しみにしていてください。
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