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制作メモ~構成・脚本

作れる・作れそう VS 作りたい

人形劇制作を始めるにあたり、決まっていたのは下記の項目だけ。

  • 自分一人で制作・操演

  • 演目はオリジナル。自分の過去の蓄積から物語をひり出す

設定はいくつかのアイデアの中から、わりとシンプルで初心者でも作りやすそうな「おそば屋さんに入ってきたお客さんが、別の場所に飛ばされる」に決定。
「別の場所」は、もやもや…、どうしようかな。

最初のメモ。今となっては何を考えていたか意味不明。

K市のおそば屋さんに行った時、私は私の過去に飛ばされたわけですが、子どもには過去がありません。
赤ちゃんだった時に飛ばされるならできるか。子どもが赤ちゃんになる。アリだけど、それはおそば屋さんで物語を組み立てるのは難しいな。

面白いストーリー・展開を思いついたとして、それを人形劇でやることが効果的かどうか、そしてひとりでできるかどうか、作りはじめる前に自分で設定した「枠」にはまるかがまず一つ目の検討材料。
面白くても一人で動かすのが不可能であればボツ。熟練した方が操演するならできそうでも、ド素人ができないことはボツ。
そして講座には期間があります。約3ヶ月で上演しなくてはならないので、作り物が多すぎて間に合わないのもダメ。
最終的には大人向けを作りたいけど、今回は子ども向けの作品なので、難しい言葉や表現、残酷な表現を避けよう。
いろいろ思いついたり、捨てたり、試行錯誤が続きます。

「伝えたいこと」も考えつつ、制作・上演の限界も考慮しつつ。。。

ひとりじゃないって、すてきなことね

4月中旬から、毎週木曜日に劇場で講座が始まりました。
「正規通常申込」をされた受講者5名で1グループ。
「裏口出戻申込」の私と合わせて2グループで、7月の公演まで、人形劇の制作を学びます。
裏口…はちょっと違うか、別に袖の下を渡したわけでもなし。まあ、普通ではない要望を許されたということで…。
ひとりでつくる、とはいえ、講座に参加しているので、クラスメイトとは交流しつつ、カリキュラムに沿って進めていきます。

講座には現役子育て世代、子育て卒業世代、孫の世話世代など、さまざまな人生経験の方が集まります。
私自身は子どもを産んで育てたこともなく、子どもに関わる仕事についているわけでもなく。
子育て経験のある方の意見を聞けることは貴重な機会です。
講座に参加したのも、もちろんその「うまみ」を目論んでのことでした。

題材決めの日。
いまいちオチで困っていた私は、2つのオチをプレゼン。グループの皆さんに意見を聞かせてもらいました。
第2場までは決まっていまして、実際の上演もほぼこの通りでした。
問題は第3場です。

この時点では登場人物を人間にするか動物にするかも決まっていません。

第2場で主人公がサメに「食べられてしまう」か、「食べられそうになる」で最後の場面が変わります。
皆さまから、やはり子どもは「ハッピーエンド」が好きなので、助かるほうがいい、というご意見をいただきました。
しかし、食べられそうになる→夢オチとなると、すごく面白くない人形劇になってしまいます。ドラマがありません。
食べられて、海の中でサメになって空腹のまま過ごす(多分そのまま死ぬ)だと、子どもたちの気持ちがザラザラしたままおうちに帰ってもらうことになってしまいます。
ご意見をいただいた後、画像の一番下の矢印の部分「元の姿に戻る」を加筆して、ストーリーを固めていきました。
ひとりで家で作業していたらこうはいきません。講座のありがたみを一番最初に感じたときでした。

しつっこいやっちゃな~

登場人物を人間にするか動物にするか迷っていましたが、主人公を子ども(っぽい)設定にするため、動物にしました。
人間の子どもが一人でおそば屋さんに行くのはあまり自然ではないなと。
店主がタヌキというのは決めていました。
構想段階のどこかで、このお店がタヌキかキツネが化けて出していたお店で、人間が騙される、みたいな案も浮かんでいたからです。
今回は化かしはなしですが、昔のおそば屋さんの店先によくあった信楽焼の置物のタヌキもイメージにあり、タヌキに決定。
主役は何でもよかったのですが、今回は食べる&食べられる話なので、食べて、食べられるイメージのあるブタにしました。

登場人物のキャラクターが決まったところで、セリフを書いていきます。
話の長い人がニガテなのに、自分が書くメールは長い。文章がしつこい系という自覚はありました。
加えて、関西のコテコテのやり取りが大好き。
そんな人が脚本を書くとどんどん長くなる…。いらんギャグ書きたくなる…。そんな長いセリフ覚えられるんか!全部ひとりで言うんやぞ!
会話を書くというのは難しいですね。わかってはいたのですが。
1シーンで動かせる人形は腕が2本である関係上2体。それ以上は動かすカラクリを考えなければ。
2人の会話が主なので、普通のお芝居に比べると難易度は低い気がしますが、大苦戦。
削って面白くなくなるのはイヤ。
長すぎて子どもが飽きるのは避けたい。
ここはひとりで戦うしかありません。

キャラクターに会話させるために、イラストをちまちま描いてみるなど。

ふくらましたりカットしたり、先生のアドバイスも反映しつつ、脚本は3校まで修正しました。ここから稽古の中で修正(主にカット)して、上演しました。

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