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制作メモ~初めての野外公演

よくわからないって、こわい。

ある日、劇場から電話が。
「上演をお願いしたいんですけど。7月1日なのですが、いかがでしょうか。」
土日休みではないので仕事の都合も聞かねばならないけれど、休んだらダメなら退職だ!の勢いで、即いいですよ~と回答。
「野外なんですけど」
え。。。あの芝居、外で大丈夫だと思います?

…この時の心配は、野外の場合結構遠くのお客様も見るので、間口1間で30cmぐらいの人形がちゃかちゃか動く作品で場が持つのか、ということでした。
「照明付きますよ」
そうじゃなくて、え~、まあ、いいか。
あ、じゃあ、お願いします。

おや? 7月1日ってかもくま祭の前夜祭なのか。
よく考えたら、普通の公演じゃなくて特別公演というか、イベントでの上演で、人形劇は私だけ。
他の2組はベテランの演奏家・エンターテナーです。
オファーがあったとき、何組かある人形劇のうちの一つだと思っていたのでした。
よく考えたら、最初の作品でいきなりかもくま祭出るってハードなチャレンジでは。というか劇場がなぜド新人にオファーしたのか。
逆に考えると、この作品は内容的に昼の上演NGだから夜ならいいよ、だったのか。
しかし余計なことを考える暇はない。上演から半年以上経っているのでさっさと稽古せねば。

稽古していて、はたと気づく。
上演開始18:30って、日没してないやん。
まだまだ暮れない外の明るさ。2回の暗転は丸出しになってしまいます。
ただし、私自身は結構な「雨女」なので、多分おそらく絶対雨が降るはず!
そうすれば劇場内の上演になりちゃんと暗転できるはず!
その前の週から空模様は怪しく、前日も山口県や九州で豪雨災害が出るほど雨。札幌も雨。
来い来い、北海道に雨雲来い!

素晴らしいお天気!

結局曇りのち晴れ。最高のイベント日和です。
雨雲の気配なし。

外では楽しそうなアトラクションの準備中

控室(とはいえ椅子とかあるので結構スタッフの出入りあり)で軽めの確認稽古を行っていると、女の子が何人か入ってきました。
ケースに入っている人形をじっと見ていたので、「18:30から人形劇あるよ」と話しかけたら、「きもちわるっ!」と言い捨てて逃げられてしまいました。
私自身、子どもの時は人形劇怖かった子なので返す言葉がありません。
このぶたくんもアゴ外れてるので、40年前の私が見たら泣いてしまったかもしれません。

人形どころじゃない、お話はもっともっと気持ち悪いよ~

好天に恵まれ、家族連れでにぎわう中島公園。
緊張するでもなく、なんだか楽しくなってきていました。
劇場の方が、「お金を払って公演を見に来た人にちゃんとしたもの見せなくちゃ!」と意気込んでしまうかも。
野外で無料なので、面白かったら見るだろうし、つまんなかったら他の遊びの方に行くでしょうし。
始まったときにお客さんが1人もいなくても、楽しくやろうと思って臨みました。

子どもの時にこういうイベントを性格的に楽しめなかったので、今やってみたいけど一人で参加する勇気はなく…ひかるスライムやりたかった…

外は、風が吹いている…

子どもも大人も楽しめるラインナップ。演奏は夏の夕暮れにぴったりな、しっとりした大人のエンターテインメント。ピエロショーはお約束連発&ベタ中のベタで子どもたち大興奮!

雨ばかり気にしていて、外は風が吹くことをすっかり忘れていた…。
それほど風が強い日ではなかったのに、開演直前にちょっと強めの風が。
最初の場面のパネルがあおられてしまい、司会が紹介している最中にガムテで貼るという応急処置をし、バタバタでスタートしました。

風で飛びそうな道具はパネルだけ、他は突風でなければ大丈夫だろうと思っていましたが、唯一、あるお料理の丼が必要な時にテーブルの下に吹っ飛んでいました。
中身空っぽだからな。そうだよな。
多分あの前後、セリフも飛ばした気がする…。
そしてマイクが風の音を拾いボーボー言ってる。やだー。
それはもう、仕方ない、誰のせいでもない。。。

人形やら道具やら、慌てて何回か床に過失で落としているのですが、野外のいいところは、アクシデントの音なのか環境音なのかよくわからないところですね。
ブタくんもたぬきさんも後ろで何回か転がっていました。

初心者講座でご一緒した方が撮影してくれた写真。パネルに左腕を乗せて押さえながら操演しています。必死…

無事、最後まで中断せず上演できました。
風やマイクの音が気になって、急ぎ足で進んでしまったような実感があります。無意識に早く終わらせたいと思ってしまっていたかも。
客席の反応もよく聞こえず、あまりウケてなかったような。。。
最後に客席をじっくり見られるタイプなのですが、今回はあまり顔を上げられませんでした。お客さんどれぐらいいたんだろう。
やっぱり初めての野外、風にやられて緊張しました。
ただ、公演を重ねるごとに、少しずつお芝居はうまくなってきているような実感はあるのです。あくまでも当社比、個人の感想ですが…。

さて、今のところコンテンツが「ふしぎなおそばやさん」しかないわけですが、次回作はどのようにいたしましょうか。
経験者講座が8月から始まるということで、参加しようかと思っています。
この日、劇場の方とちょっとお話していて、大人向けに振ってもいいかしら?と言うと、「いいんじゃないですかね」ということだったので、完全に大人向けに振ろうかと思います。
でも講師の先生や先輩方の話を聞いてまた変わるかも…。

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