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幕間小景~絵本のはなし

好きな絵本【昭和】

人形劇では絵本を題材にしたものも多いですが、私は子どもの時から絵本が苦手です。
文字が読めるようになったら、児童書とか「あさりちゃん」「パタリロ!」等マンガのほうに移行してしまいました。
昔話は好きでしたがアニメで見て満足。
幼稚園の時に絵本を読んでいた記憶はあるのです。いくつか覚えているのもあります。ただ、暗い。。。

「一つの花」
大人になってから買い直すほどお気に入り。声高に悲惨さを伝えるわけではないけれど、じわじわ来るぶん、かなしみが深い。

これ以外にも、「かわいそうなぞう」等の戦争を題材にした絵本が印象に残っています。私が幼いころはベトナム戦争終結後間もない時期で、ベトナム戦争の絵本も読んでいたのを覚えています。

他には、おそらく父の友人からおさがりでもらった科学の絵本全集が家にあって、それを好んで読んでいました。
最近また見たいなと思って検索で探しているのですが全然出てきません。
人間や動物の成長過程や、植物の生存戦略等、イラストつきで解説しています。外国の絵本で、翻訳されていた気がします。ストーリーは特にないけど「おもしろかった」ことは覚えています。

え~、なんでぇ~?…あ、これだ!

先日、実家へ行き、母の付き添いで某眼科に行ったところ、待合室になぜか大量の絵本が。待っている間、いろいろと手に取ってみました。

ひとつ、気になる作品が。
「おじさんのかさ」
おじさん。いま、おじさんブーム来てますし、「100万回生きたねこ」でおなじみの佐野洋子さんの作品ですし、表紙のおじさんの表情もとぼけていてすてきな作品の予感です。期待しながら開いてみました。

雨の日に自分が濡れないようにするための傘なのに、おじさんは雨の日も傘を濡らしたくなくて、ささない。
最高の設定です。道具としての存在価値とおじさんの使用方法が矛盾しています。おじさん、ほどよくクレイジーです。
傘は果たして開かれるのか、濡れてしまうのか、どんなドラマがあるのか、わくわく。。。

ネタバレになりますが、傘は、濡れます。
女の子が歌う歌を聞いて、楽しくなっておじさんは傘をさします。
え~、なんでぇ~?
今までかたくなにさすことのなかった傘を、なぜ女の子の鼻歌を聞いただけでさすのか。うっそだぁ~。

ここでふと気づきました。
これだ。これが絵本が苦手の理由だ、と。
どれがどうという話ではないですが、絵本ではマンガや小説よりも唐突(強引)と感じられる展開が多くあり、子どもながらに違和感を感じることも多かったのだと思います。
文字数が少なく説明が足りないために、そう感じるのかもしれません。
戦争の絵本が記憶に残っているのは、生きるか死ぬか、善か悪かがはっきりしているから展開に疑問を感じにくいのかも、と自分なりに分析。
大人になってからは「そういうもの」として絵本を楽しんでいますが、まずは「うっそ~」とは思ってしまいます。

好きな絵本【令和】

絵本へのツッコミが止められないながらも、最近好きになった絵本もあります。

★ノラネコぐんだんシリーズ
ワンワンちゃんが始めた商売を夜中に忍び込んでパクり、事故を起こしてどっかーん!最後のページは修復シーン、というお決まりのストーリーだけど新刊出たら必ず読んでしまいます。
≪ツッコミ≫
ポテンシャル高いんだからパクらないで最初っからノラネコぐんだんで店やれよ!
そして白泉社!グッズ出しすぎ!プリント布地出すの反則!買うにきまってるだろ!

もちろん展覧会も行きました。はんせい。

★なまえのないねこ
本屋さんで表紙を見て、うちのねこだ!と思って思わず手に取りました。うちにもキジトラが1匹います。野良猫のおはなし。お店屋さんの店先とか、細かいところまで書き込まれた絵も楽しいです。
≪ツッコミ≫
野良猫はそんなにすぐに人に慣れないけど!
…と思うけど、行き場のない猫がこんな風にいいおうちにもらわれていけばいいですねぇ。

★3びきのくま
人形劇の演目で知り、絵本を読みました。好奇心旺盛な女の子が奔放に家の中を荒らしていくのになぜか「なんで?」を感じません。子ども大好き繰り返し、読み聞かせとかも楽しそうですね。唐突な終わり方が民話っぽいです。
≪ツッコミ≫
くま3匹と人間の女の子がいて、女の子が生きて逃げられるわけないだろ!
いや、食われて終わりましたというオチも嫌だけど。。。

絵本を読むことに関して、「人形劇のネタになるかも」と意識したり探したりして読んでいると、どうしても変なフィルターがかかって楽しめなくなってしまいます。
ふらっと、いい絵本に出会えたら、そこから人形劇を作ることも…あるかもしれません。運命的な出会い、待ってます。


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