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団七縞か弁慶格子か

夏の終わり9月の国立劇場主催公演は歌舞伎も文楽も「夏祭浪花鑑」。
どちらも同じく新国立劇場。並びで同じ演目を開催するのは珍しく興味をひきます。(国立劇場の大劇場・小劇場だったら、もっと良かったのに。と思うのは不粋?)

さて、この演目で思い浮かぶ着物と言えば、間違いなく団七九郎兵衛の着物。
柿色の大きなギンガムチェック模様の、単衣の夏着物。
(一寸徳兵衛も、藍色の揃いの模様)

このギンガムチェック。
私は「弁慶格子」との認識でしたが「団七縞(団七格子)」と言う方もあり、この違いは?と思い調べてみました。

…それぞれ柿色と藍色の格子柄の浴衣で登場します。大きな升目で縦と横の縞が同じ色の格子柄は「弁慶格子(べんけいごうし)」。

歌舞伎公式総合サイト 歌舞伎美人

団七九郎兵衛(だんしちくろべえ)の白地に柿色の太い格子柄(こうしがら)の帷子は、大胆ですっきりしたデザインです。一方、一寸徳兵衛(いっすんとくべえ)は、同じ柄で藍色です。………「団七縞・徳兵衛縞」は庶民の衣服としても親しまれました。

日本芸術文化振興会 文化デジタルライブラリー

この内容を見ると結論としては、どちらの名称もあり、強いて言えば歌舞伎と文楽での呼び方の違いくらいでしょうか。

この格子柄は、初めにも書いたように衣服が洋服である現代では「ギンガムチェック」とイメージする人も多そうです。
調べてみれば、やはり同じ。
(ギンガムは、平織りの織の種類名)

チェック柄の一種で、白と別の1色との2色で構成された格子柄のこと。 縦と横の線が全て同じ太さで、かつ一定間隔で描かれているのが特徴。

フェリシモ

個人的に疑問が解けてすっきり。
「団七縞」でも、どんな模様かはすぐ頭に浮かびます。むしろ「弁慶格子」より分かりやすい。でも、模様の名称として正しいのはどちら?と引っかかっていたのです。
知識検定に出題されたら正解は?と。おそらく「弁慶格子」だと思いますが、「団七縞」とも言うと知っていることは、知識アップです。

ところで……
勧進帳の弁慶が着ている着物の、色の違う太い線・細い線で描かれた格子柄。
あれが「弁慶格子」ではないの?と思う方もありそうですが、あの格子は「翁格子」という違う模様名がついています。

団七が着ている、弁慶格子。
弁慶が着ている、翁格子。
あぁ、ややこしや。

弁慶格子(かぶき美人)
https://www.kabuki-bito.jp/special/costume/lixil-stage/post-stage-34/2/

団七縞(文化デジタルライブラリー)
https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc18/natsu/haikei/ningyou/index2.html

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