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団七縞か弁慶格子か
夏の終わり9月の国立劇場主催公演は歌舞伎も文楽も「夏祭浪花鑑」。
どちらも同じく新国立劇場。並びで同じ演目を開催するのは珍しく興味をひきます。(国立劇場の大劇場・小劇場だったら、もっと良かったのに。と思うのは不粋?)
さて、この演目で思い浮かぶ着物と言えば、間違いなく団七九郎兵衛の着物。
柿色の大きなギンガムチェック模様の、単衣の夏着物。
(一寸徳兵衛も、藍色の揃いの模様)
【9月歌舞伎公演&9月文楽鑑賞教室】
— 国立劇場(東京・半蔵門) (@nt_tokyo) September 5, 2024
本日5日の終演後に…👀
義平次との壮絶な「長町裏の場」を終えたばかりの団七(坂東彦三郎)と、吉田玉助と団七人形が劇場内で遭遇✨
正義感みなぎる姿、緊張感漂う義平次との立廻りなど歌舞伎と文楽それぞれの団七をご堪能ください! https://t.co/GZvAwJi7x3 pic.twitter.com/PiO5KXn3hB
このギンガムチェック。
私は「弁慶格子」との認識でしたが「団七縞(団七格子)」と言う方もあり、この違いは?と思い調べてみました。
…それぞれ柿色と藍色の格子柄の浴衣で登場します。大きな升目で縦と横の縞が同じ色の格子柄は「弁慶格子(べんけいごうし)」。
団七九郎兵衛(だんしちくろべえ)の白地に柿色の太い格子柄(こうしがら)の帷子は、大胆ですっきりしたデザインです。一方、一寸徳兵衛(いっすんとくべえ)は、同じ柄で藍色です。………「団七縞・徳兵衛縞」は庶民の衣服としても親しまれました。
この内容を見ると結論としては、どちらの名称もあり、強いて言えば歌舞伎と文楽での呼び方の違いくらいでしょうか。
この格子柄は、初めにも書いたように衣服が洋服である現代では「ギンガムチェック」とイメージする人も多そうです。
調べてみれば、やはり同じ。
(ギンガムは、平織りの織の種類名)
チェック柄の一種で、白と別の1色との2色で構成された格子柄のこと。 縦と横の線が全て同じ太さで、かつ一定間隔で描かれているのが特徴。
個人的に疑問が解けてすっきり。
「団七縞」でも、どんな模様かはすぐ頭に浮かびます。むしろ「弁慶格子」より分かりやすい。でも、模様の名称として正しいのはどちら?と引っかかっていたのです。
知識検定に出題されたら正解は?と。おそらく「弁慶格子」だと思いますが、「団七縞」とも言うと知っていることは、知識アップです。
ところで……
勧進帳の弁慶が着ている着物の、色の違う太い線・細い線で描かれた格子柄。
あれが「弁慶格子」ではないの?と思う方もありそうですが、あの格子は「翁格子」という違う模様名がついています。
団七が着ている、弁慶格子。
弁慶が着ている、翁格子。
あぁ、ややこしや。
弁慶格子(かぶき美人)
https://www.kabuki-bito.jp/special/costume/lixil-stage/post-stage-34/2/
団七縞(文化デジタルライブラリー)
https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc18/natsu/haikei/ningyou/index2.html