観てきた!「ハプスブルク展」at 国立西洋美術館
大人気で毎日混雑中の『ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史』展。ついに行ってまいりました!
会場:国立西洋美術館 (東京・上野)
会期:2019年10月19日(土)~2020年1月26日(火)
◎観に行こうと思ったきっかけ
これまで何度も展覧会が行われてきた、超有名一族・ハプスブルク家ですが、なぜかずっとスルーしてきてしまっていましたので、今回はぜひ!と思っていました。
事前の知識は、マリア・テレジアとマリーアントワネット親子くらいという、びっくりするほどの浅さ!
TBSの特別番組や特設サイトの作品紹介は非常に参考になりました。
今回の展示点数はちょうど100点。でもこのページには、結構たっぷり32点も紹介してくれています。なんて太っ腹!!!
◎どんな展覧会?
ハプスブルク家の人々が600年にわたって代々受け継いできた、世界屈指のコレクションを、年代・人物ごとのテーマで紹介しています。絵画が中心ではありますが、ものすごい豪華な装飾の食器や工芸品、版画、タペストリー、武具などなども展示されています。
ハプスブルク家のコレクション形成に特に影響したのが、この3人。
●大公フェルディナント2世(1578-1637) ※皇帝マクシミリアン2世の弟
●皇帝ルドルフ2世(1552-1612)
●大公レオポルト・ヴィルヘルム(1614-1662) ※皇帝フェルディナント3世の弟
ルドルフさん、特設サイトではなかなかのコピーがついてますけども・・・
※公式サイトより画像をお借りしています。
会場内は会期末に向けて、混雑していることのほうが多いかと思います。
なので、音声ガイド(¥550)があるほうが鑑賞しやすいかと。
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ここでご存知の方も非常に多いと思うのですが、
超ざっくりしたハプスブルク家って何?を、ちょっとだけ。
ハプスブルク家はもともと、スイスの地方の領主からスタートしたドイツ系の一家です(諸説あり)。13世紀後半、実質的な初代当主のルドルフ一世(1218-1291)がオーストリアに進出、神聖ローマ帝国君主になります。
政略結婚によってヨーロッパの有力な諸家と結びつきながら領地を拡大させていきます。その後オーストリア系とスペイン系に分かれ、スペイン系ハプスブルク家は、アジアやアフリカ、南アメリカにまで進出するほど、ものすごーく繁栄していったのでした。
フランス革命(1789)後のナポレオン戦争(1796-1815)で、神聖ローマ帝国が解体された後は、オーストリア帝国(1867年にオーストリア=ハンガリー二重帝国に改組、~1918年)を統治しました。
ちなみにハプスブルク家の末裔の方々は、現在もいらっしゃるんですよ~。
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今のオーストリアにある、ウィーン美術史美術館(KHM)には、ハプスブルク家のコレクションがたーくさん収められています。いつか絶対に行きたい美術館の一つです。今回の展示でも、数多くの作品がKHMから来てくれています。
この美術館の建物は、ハプスブルク家”最後の皇帝”と呼ばれた、フランツ・ヨーゼフ1世 (1830-1916)による新都市計画の一環で建てられました。(『ウィーン・モダン』展とつながりました!)この方の奥様が、絶世の美女・エリザベトさんですね。
◎naomin_0506的 見どころはここ!
マクシミリアン1世 (1459-1519)の甲冑コレクション
ハプスブルク家のコレクションの礎を築いた人物の、甲冑コレクション。
この方、芸術家や建築家もサポートしていたそうです。
これ、すごかったです。細かな装飾のデザイン性とか、そもそもこれ着て、馬に乗って戦ってたって、すごいなぁとか。(でも身長はそんなに高くなかったような。)
ヨーロッパの貴族の甲冑なんて、なかなか見る機会がないと思います。ものすごい間近でじっくり鑑賞できますので、ぜひ。
青と緑のマルガリータ・テレサの肖像画
許婚に、美しく元気に育ってるよっていう連絡のために描かれた肖像画です。メインビジュアルにもなっている青のほうは超有名かと思うのですが、
緑があるとは!初めて知りました。
今回、会場ではその2つが並んで展示されていますが、普段、青はKHM、緑はブタペスト国立西洋美術館(SMB)に収蔵されているので、見比べながら鑑賞できるのは嬉しかったです。
皇帝ルドルフ2世(1552-1612)&大公レオポルト・ヴィルヘルム(1614-1662)のコレクション
『バベルの塔』のブリューゲルほか、わりとわたしの好きな作品を収集されていたお二方。会場では、レオポルトさんが集めたネーデルランドの作品コーナーが特に良かったです。
作者不詳の『シャーベット用センターピース』
18世紀のコーナーで展示されていた、貝でできた装飾品です。
生活必需品でも何でもない、ただの超・贅沢品。
でも、美しいピンクの天然のグラデーションと、カメオの細かなデザインが、本当に本当に素敵で、”人間ってこういう美しいものが必要だよね”と思ってしまいました。
作者不詳なのが惜しい・・・でも、名もない職人の300年以上前のお仕事を、今こうやって愛でられるなんて、奇跡だなぁと思いました。
※図録の紹介ページにちっさく出てました!
ポストカードになってたら買ってたなぁ・・・
◎まとめ
だいぶ長ーくなってしまいましたが、観に行って良かったです。
いつ行こうかずいぶんと悩みましたが・・・年内の最終開館日(27日(金)に行ってまいりました。でも、だいぶ混んでました。
ハプスブルク家人気、すごいなぁ。
このnoteを書くにあたり、思い出しながら、改めていろいろ調べてみましたが、もっとハプスブルク家のことを知りたくなりました。
また、鑑賞の参考に、ハプスブルク家の家系図がほしかったです。ただでさえ人名がたくさんで、誰が誰だかさっぱりわからず。スマホで検索しようかと思ったら、地下だからか圏外・・・これから出かけるハプスブルク家初心者の方は、家系図あると良いかも、です。
また、今回観てみて、ブタペスト国立西洋美術館(SMB)の収蔵作品でも好きなものがいくつかあり、国立新美術館ではじまった『ブダペスト ― ヨーロッパとハンガリーの美術400年』も行ったほうがいいかも・・・と思いました。