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猫への感謝

何匹か
飼い猫を見送った経験がありますが
何度経験しても
慣れることなどありません

ああしてあげれば良かった
こうしてあげれば良かった
いやあれで精一杯だった
これで良かったんだ

この思いは何年経っても
頭の中をぐるぐる回るばかりで
答えなど
何年経っても見つかりません

今こうしてコナスが
命にかかわる病気になり
必死にお世話をしていく中で
ああ、またあの耐え難い苦しみが
私に襲い掛かってくるのだと思うと
怖くて怖くてたまりません

けれど
この苦しみや悲しさ、つらさを
何とか経験したくないために
先延ばしをしたいがために
コナスに無理をさせることは
人間の勝手、人間の都合です

今までの経験から
絶対にしてはならない
絶対にしません

今、私は

きっとこの子たちは
私のところに来てから

暑い思いも寒い思いもしていない
怖い思いもしていない

毎日美味しいご飯を食べられる
新鮮なお水が飲めている
もちろんトイレも
キレイに気持ち良く使えている

事故にも遭わず
ケガもしていない
苦しい思いもしていない
痛い思いもしていない

外には一度も出たことがないけれど
走り回れる場所がある
窓の外には穏やかな風景が広がっている
気持ちよく眠れるベッドがある

そして私という人間に毎日
名前を呼んでもらい
優しく撫ででもらっている

ああ、なんてこの子たちは幸せだろう

10年以上
こうしてあげることができて
本当に良かった
これから先も
ずっとこうしてあげられるだろう

この子たちは私に
「ありがとう」と言うわけではないけれど
何かを返してくれるわけではないけれど
私にまっすぐの
愛を与えてくれている
私を守ってくれている
この子たちがいるから
この子たちのおかげで
私は元気に生きていられる

仔猫だったこの子たちを
それぞれ胸に抱いたとき

私がこの子を助けたのではなく
この子が私を助けにきてくれたのだ

私がこの子たちに
感謝を伝えるべきなのだ

毎日いつも
ありがとう、と伝えよう

一緒に暮らしている中で
猫も年を取り
私のそばで
生を全うしていく

こんな穏やかな暮らしの中で
最後の最後に
私の勝手な思いで
苦しい思いをさせることが
どうしてできようか

一番最後に
つらい思いをさせて
そのまま見送ることになったら
私はまた
きっと苦しみの渦に巻き込まれて
たぶん長い間
溺れてしまうだろう

最後の最後も

今まで本当にありがとうと伝えて
見送ってあげたい

そう考えています

今までずっとありがとう
これからもずっとありがとう