相互作用による副作用疑いについてトレーシングレポートで報告した症例

先週投稿しなかったので~
今回は連日で投稿‼
ちょっと頑張りました。
今回も腎疾患関連ではありません。
相互作用による副作用は実臨床でよくあると思うのだけど・・・
これこそ我々薬剤師の得意とするところで~
でも伝える機会は案外少ないような・・・
投薬時に、きっとそうだろうなぁ~って思って、患者さんに直接注意喚起をする事はあっても、ドクターに直接相互作用による副作用の可能性が高いって事を伝える機会って、そう多くは無いようにも思う。
薬の副作用についてはドクターはあまり知らない。
だから、処方カスケードなんて事が起こってしまう。
ドクターのお仕事は診断して治療する事なのだから、当然の事だと思っている。だからこそ、我々薬剤師の存在意義があると考えている。
ドクターの治療を優先すべきだけど、副作用を最小限にとどめなくては。
薬の服用数が増えれば増えるほど、副作用のリスクは高くなる・・・
それでも、有害事象がなくメリットの方が大きいなら、その薬を継続するべきだけど、年数とともに代謝能力や排泄能力は衰えるわけだから、ずーーーーっと投与量が同じってのはおかしい。
だから~ 漫然とDO処方なんてありえない。
でも、よく患者さんは「ずっとおんなじ薬を飲んでるから大丈夫」っておっしゃるのだ。
それはとてもとてもおかしな事なのだ。
だけど・・・ その事を理解して頂くのはなかなか難しい。
それでも、説明し続ける。それがお仕事なんだから・・・           
あっ!またまた前置きが長~い・・・
すみません。
今回の患者さんは、てんかんでとある神経内科に通院されていて、不眠の訴えもある方。
眠剤はCYP3A4基質が多いから、CYP3A4阻害薬剤との併用を注意しないといけない。中でもトリアゾラムのCYP3A4寄与率は0.93と高い。
CYP寄与率や阻害率は、日本医療薬学会編集の「薬物相互作用へのかかわり方ガイド」を参考にして下さいね。
添付文書では記載されてなくても、思っている以上に併用によってAUC変化率が高くなるケースもある。
寄与率や阻害率が不明なケースも多いですが、インタビューフォームなんかを読むとAUC の変化率から寄与率、阻害率を算出できる場合もあります。
AUC変化率=1/1-CR(寄与率)×IR(阻害率)
算出できないケースは、添付文書に記載されている「強い阻害とか中程度の阻害」とかを参考にする。
強い阻害だと阻害率は0.8~0.89 中程度だと0.5~0.69とされている。
AUC上昇比が約7以上だと禁忌に相当とか、約2以上だと併用注意とか・・・
「薬物相互作用へのかかわり方ガイド」を読むと詳しく書かれているので、興味のある方は是非読んでくださいね。

ここから先は

1,339字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?