トレーシングレポートの肝心要は情報収集だ!!
今回もゆる~く書きたいと思います~
先日、エリアマネージャーからメールが届きまして~
エリアマネージャーは以前から、エリア内の薬剤師にトレーシングレポートを書けるようになってほしいとお考えでしたので、私の過去のトレーシングレポートをエリア内の店舗にメールで公開した事があったのですが・・・
全く皆様興味が無かったようで・・・
残念ながらなんの効果も無く終わっちまいました。
なんせ、私は弊社の異端児なもんで・・・
でもって、その先日のメールで衝撃的な現実が!!
他店舗の薬剤師は全く書いてない状況だったのです。
おそらく、何を書いてよいのかわからないんだろうなぁ~と。
実際そのようなお話も伺いますし。
じゃぁ~どうすりゃよいのか・・・
まずは、患者さんからの情報収集!もうこれにつきます。
トレーシングレポートを書こうと意気込んだところですぐに書けるわけないんです!
単に、処方箋通り薬をピッキングして、用法用量だけ説明して薬を渡してるだけなら、一生トレーシングレポートは書けません。
では、どんな情報収集したらよいのか!
まずはね・・・ 当たり前だけど、他に薬やサプリを飲んでないかの確認。
お薬手帳にすべて書かれてると思ったら大間違い!病院ごとにお薬手帳を分けてたり、OTC薬やネットでサプリメントを購入してたり~
わりとあるあるです。
それから~ 過去の疾患とか、ご家族の疾患。
だんだんハードル上がりますけど~
やっぱりとても参考になるのが、一般採血データ、検尿データ、健診データです。
患者さんからはわざわざ出してはくれませんしね。薬局で必要だなんて思ってらっしゃいませんし。
今は、病院によっては採血データや身長・体重・体表面積まで記載して下さるケースもあるので、とても助かります。だけど、これは同時に、投与量ちゃんとチェックしろよって事でもあるわけです。
かと言ってなかなか、いきなり患者さんに採血データ見せて下さいって言えませんよね。そう言えるまで、普段から色々確認するわけです。
私は、循環器や胃腸科、腎臓内科などの慢性疾患の患者さんとのお付き合いが多いので、そういった患者さんのケースですから、ご了承くださいませ。
例えば、高血圧治療の患者さんだと、血圧の確認しますよね。
その時に診察室血圧なのか、家庭血圧なのか、家庭血圧でも起床時や就寝前に測定できてるのか、などの確認が必要になりますよね。
でも、忙しいと「血圧はどう?」くらいしか聞けない事もありますよね。それを、その次は「いつ測ってるの?朝?食べてから?」とか少しずつ質問を詳細にしていきます。
すると測定の問題点が見つかったりするわけです。
朝食後だったり、喫煙後だったり・・・
夜勤の患者さんだと血圧の測定タイミングも難しいですが、服薬も忘れがちでアドヒアランスが不良になる事も多かったり・・・
アドヒアランス不良については、受診までの間隔でわかりますよね。どの程度忘れてるのか・・・ 週末の休日だけ忘れがちなのか、ふだんから忘れてるのか・・・ そういったところも突っ込んでいけますよね。
ってなりますと・・・
そういったアドヒアランス不良の原因やアドヒアランスの状況も情報提供できますし、その問題解決のために薬剤師が行った事も記載して報告できるわけですよね。
じゃぁ~ 高血圧患者さんは血圧管理だけで良いですか?
なんのために血圧コントロールするのかを患者さんにも説明しないといけませんし。ってなると市民検診がありますよね!
ここがチャンスです。「市民検診や採血されてますか?」って確認するんですよ。その確認ができたら、もしされたら教えて頂けますか?ってお伝えしておくんです。そうすると、普通に結果見せて下さるケース多いですし。
もし、採血データを持ってらっしゃるってわかったら、勇気を出して「採血されてたんですね。結果見せて頂いてもよろしいですか?」って言いましょう。
ただ・・・問題は・・・
その結果をみて何もわからなかったら意味がないですよね。かといって、今まで見て無かったらもちろんわかりませんし。
私は、16年ほど前から検査データを患者さんから見せてもらうよう頑張ってきたんですけど・・・もちろん最初はなーんにもわからなかったですしね・・・
だけど~それでは何も変わりませんから、まずは行動して、わからない事、疑問に思う事をとにかく調べるの繰り返し・・・ それしかないです!
患者さんには真摯な対応をすべきですから、わからない時ははっきり正直にわからないと言いましょうね。大事なのは、わからないままにしないって事。次回その患者さんが来局されるまでの宿題にして、一生懸命調べて、その結果を必ずお伝えする事です。急ぐ場合は電話でお伝えする。
あとはガイドラインを調べる!
例えば高血圧患者さんだと、高血圧治療の患者さんの脂質コントロール目標がどのくらいなのかを調べておくと良いかと。
ただ・・・薬剤師は診断するわけではないですから、薬剤による肝障害や腎障害などのチェックのためのツールとして使うって事を忘れないで。
採血データでも、一般採血と健診データと項目が違いますので、両方あるととても助かるんですよね。
健診だと、糖尿病患者さんじゃなくてもHbA1cが項目に入ってますし、身長・体重がわかりますし、尿蛋白や尿糖もわかります。
腎機能チェックの際に、個別化eGFRを調べるには身長・体重が必要になりますので、とても役に立つのです。
腎臓内科や糖尿専門じゃない限り、毎回採血の際に検尿ってされてるケースが少ない印象だから、健診データが重要だったりします。
なんか・・・ とりとめなくて、すみません。
とにかく、採血データがあると色々気づく事が増えるんですよ。
高齢者の糖尿病患者さんだと、年齢やADL、投与薬剤によって目標HbA1cが
違いますよね。SUやグリニド薬、インスリン治療されてるケースだと、低血糖に配慮がより必要なわけです。そんな患者さんの腎機能が低下してたら?今後低血糖リスクが上昇しちゃいますよね。SUやグリニド薬は代謝物に活性があるものがありますし、そもそもインスリンの1/3を腎臓が分解するとされているので、腎機能が低下している高齢者では低血糖リスクが高いわけです。
だけど、気を付けないといけないのは、高齢者の低血糖症状を自覚症状だけで確認するのは難しいケースも多々あるかと・・・いわゆる無自覚低血糖ってやつです。
βブロッカー投与だとさらに難しくなり・・・
しかもHbA1cが8%超えていたとしても低血糖がないとは言えず・・・
日内変動幅が大きい場合だと食前血糖が70くらいなんてあるんですよね。
でも、投薬の際に低血糖症状については毎回聴いておく事は重要だし、それを想定して、食事の間隔をあけすぎない事も説明しておいたり(いつもの時間の1時間遅れると低血糖症状出現されるケースが多い印象)、シックデイの際の対応についても説明しておく事が重要。
その、シックデイ対応ですが・・・まぁ色々難しいんですが・・・
例えば、空腹時採血でHbA1c>7%だったとして、その時の血糖値が60だったとしたら・・・ その時に低血糖症状があった可能性高いはずですよね。
でも、患者さんに自覚症状がなかったとしたら、無自覚低血糖だった可能性もあるわけです。ってなると、その後はその無自覚低血糖の可能性がある事に注意して患者さんから情報収集するのだけど・・・
水分摂取不足傾向だったり、食事量が減ってきてるとしたら(それだけでも低血糖リスク高いけど)、その採血時よりも腎虚血になってさらに腎機能低下の可能性ありますよね。だとするならば、今後低血糖リスクがさらに高くなる事を想定して、代謝活性のあるSUやグリニド薬などを投与されてたら、減量検討をして頂く様情報提供できますし、シックデイの際は減量や中止の指導をさせて頂いてよいかなどの確認としてもトレーシングレポートを活用できますよね。
もし、そんな患者さんが整形受診されててNSAIDs投与されてたら、整形と糖尿病治療してる医師の両方に情報提供できますよね。っていうか、しないといけませんよね。
なんか、テキトーに書いてしまってすみません。
うーーーーーーーーん
まだまだ色々あるのだけど・・・ 終
わらなくなるので、このへんにしときます。
少しは参考になったかしらん(*'▽')