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最近、街であったこと

コロナの影響もあって、知らない人と話す機会が減ったと思う。何となく、皆、他人を避けているような。

最近、私は引越しをして、住む場所が変わった。原宿のそばだ。この辺りはアパレルの会社が多く、おしゃれな人が多い。最近、太って来て、えんじや赤の服しか着なくて、もうすぐ九歳になる娘からはトマトと呼ばれている私には、とても刺激的な街だ。ビルの壁を背景にSNS用の写真を撮影している女の子達も時おり見かける。髪を金やピンクに染めていて、可愛いらしい。

先日、渋谷から池袋行きのバスに乗った。昼間のバスは比較的、お年寄りが多い。中高年の男性に席を譲られたおばあさんが、その男性にずっと話しかけられていたので、
「正直、これは面倒だな」
と思っていると、後ろから誰かが私の肩をつついた。後ろに座っていた娘だろうと思って振り向くと、それはマスクをした見知らぬおばさんで、正直、びっくりして
「えっ!」
と驚きの声を上げそうになった。正直、小さな声をあげた気がする。
「ごめんなさい、気づかなくて。席かわりましょうか?」
そのおばさんはただの親切な人で、娘のとなりに私を座らせるために、わざわざ声をかけてくれたのだった。「話しかけられたくない~」と思って、座っていたら、親切な人に出会った。気持ちが少し明るくなった。

次の話は昨日あったこと。ついこの間までは、娘の学校の近くまで娘を送っていたが、最近は駅までで大丈夫になった。ひと休み出来る感覚で、とても嬉しい。
駅からの帰りにコンビニに寄る。コンビニの店員が外国人なんてもうすっかり当たり前で、この日は南アジア系の女性だった。生姜とから揚げを買って、レシートを貰うと、から揚げ分のお金を支払ってなかった。
「から揚げの分、払ってないですよ」
と言うと、女性はニッコリ笑って、端数の17円を負けてくれた。私もちょっと嬉しくなって、笑顔で店を出た。

街に出て、こういう人の優しさに触れられるのは、本当に素晴らしい事だ。来年はオリンピックが多分、無観客で行なわれる。おもてなしの国に観光客は来なくても、日々、私達は暖かいものを与えあっている。





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