肩書きや役割から自由になれた時間
この三連休中、息子が、子供向けの演劇ワークショップに参加しました。7月に初めて参加し、とても楽しかったようで、「今度あったら、また絶対行きたい!」と本人からお願いされていたのでした。
親の見学は不可なので、具体的にどんなことをやっているのかはわかりません。でも、息子がこんなに楽しんでいる理由は、なんとなく想像がつくのです。
学校でも家でも、「あれをやっちゃダメ!」「これをやりなさい!」と制約が多いなか、ワークショップでは、自由に発言すること、表現することが許されるからではないかと思います。
そもそも息子に演劇のワークショップを勧めたのは、私自身が参加して、これまでにない楽しさ、面白さを感じたからでした。
***
ちょうど1年くらい前、息子が学校から持ち帰ったプリント類の中に紛れ込んでいたワークショップのお知らせ。それは小学生向けの内容でしたが、中学時代に演劇部だった私の血が騒ぎました。
「大人も参加できるワークショップはないのかな?」
探したら、ちょうどその月に開催されるではありませんか!不安やためらいがなかったわけではないけれど、好奇心の方が勝ち、思いきって申し込みました。
迎えた当日、恐る恐る会場に足を踏み入れると、明らかに私よりも人生の先輩と思しき方々が数名いらっしゃり、ホッとしました(若い人ばかりで、浮いたらどうしようと不安だった)
どこに住んでいて、何をしているのか、互いの背景を何も知らない20名が円陣を組み、ワークショップが始まりました。わかっているのは、胸に貼られた、呼んでほしい名前だけ。緊張と重さが混じった空気が流れます。
そんな空気を断ち切るように、進行役の役者さんが隣りの人に「晩ごはん、なに食べました?」と声をかけます。その人が「うどん」と答えると、「さぁ、近くの人とペアになって、うどんになりましょう!」
参加者全員「なんじゃ、そりゃ〜!?」という顔をしながらも、すぐにペアを作り、うどんになりきります。ペアによって表し方はさまざま。いろんな「うどん」が出来上がりました。麺がどんぶりのなかで渦を巻いているのを見せたペア、どんぶりとお箸をメインにしたペア。私たちは、熱々の湯気を強調しました。
こんな感じで、次々に組む相手を変えながら、おこわになったり、サバ缶になったり。続いては、4人一組になり、「秋といえば」「夏の思い出」といったテーマで、各チームが何を表現しているかを当てっこするゲームです。
どうやって表現すればいいのか、1人じゃ思いつかないようなことも、何人か集まれば、次々とアイデアが出てきます。みんなで1つのものを作り上げていく楽しさがありました。そして、自分たちが全身を使って表現したものが、他のチームの人たちに伝わったときの喜びはこの上もなくて。
とにかくいっぱい考えて、動いて、笑った2時間、ものすごく自由を感じたんです。今の自分の肩書きとか役割とか関係なく、何にでもなれたことが楽しかった。自分の中の、今まで固く閉じていた扉が、ポンッと開いたような感覚でした。
この楽しさを、自由を、息子にも体験してほしくて、ワークショップを勧めたのです。見事にハマってくれました。帰宅するなり、「次のも絶対行く!」と次回のチラシを渡されてしまった。忘れずに申し込みますよ。
1年前を思い出して書いていたら、私もまた行きたくなってきました〜
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?