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パーパスづくり

こんにちは。
前回の記事では私が学校づくりを決意するに至った経緯を書きました。

ある経験から、社会的通念や常識を判断の基準にしてきたことを大きく後悔し、自分の規範を持つことの大切さを痛感しました。そして、自律した人は幸せなだけでなく、社会に対しても価値のある活動をしていると感じるようにもなりました。

「自律」という言葉が、その時以来、自分が常に意識している言葉になっています。

そして、自律した人が幸せであり、社会を変えると信じるなら、そしてそれを子どもに求めるなら、自分も自律していなくては、と思うようになりました。

経験がない、もう若くない、相手にされるはずがない、などいろいろ理由を作って、安心で安全な環境から抜け出せなかった自分に対してももどかしく感じるようになってきました。それで、「今の学校の在り方に思うところがあるなら、自ら働きかけなければ」と思うようになったのです。学校づくりは、そんな思いで半ば勢いで始めたようなものでした。

それから、教育に関連する本を読んだり、セミナーやオンラインサロンなどで学校教育についてや、学校をどうやって設立するのかといったことなどの知識を広げてきています。
自分の規範を持てるようになるには?そのために信条や価値観をどう育む?常にそんなことを意識しながら情報収集をしてきました。また、いろいろな学校も見学させていただいて、自分たちが作る学校では、こういうことをこんなふうにやっていきたいというイメージも少しずつ広がってきました。

いろいろなところに顔を出すようになってから、「どんな学校を目指しているの?」と聞いていただくことがよくあります。私はその度に、学校で目指す人物像やそのためにどんな活動をするかなどを話してきました。でも、そんなふうに答えている自分にどこか違和感があり、モヤモヤも感じていました。

私は一条校(学校教育法第1条に定められた学校)の認可を目指しています。当たり前のことですが、公教育である限りは、社会に価値を生む、社会をより良くするための教育機関である必要があると考えています。もちろん、私の考える「自律した人」は自己実現の結果として社会に価値を生み出していける人ですし、そういう人を育てたいという理念には賛同していただけることが多くあります。でも最近は、学校の存在自体が社会にどういう価値を提供するかという点をもっと考えなくてはと感じるようになりました。まさに自分が子どもに自律を求めるなら、自分も自律しなければならないと思った時と同じように、学校という組織も自律して社会に直接価値を生んでいく必要があるのではないかと思うようになってきたのです。学校の存在意義、パーパスについてしっかり考えてから、どういう取り組みをするか決めていくべきなんじゃないかと。

私は、自律した人がもっと増えたら、未来の社会は明るくなるだろうな、と妄想しています。自律した人は自分の信条や価値観で行動し、常に主体的に社会と関わり、違いから学ぶ姿勢を持っています。このような人が社会に増えていけば、イノベーションは加速され、社会の課題は次々に解消されていくんじゃないかと思うのです。SDGsの17の目標も予定通りにクリアできるかもしれない。

現実的にはそんな未来の実現は難しいかもしれません。でも理想の未来を描きながらパーパスづくりを行っていこうと思っています。未来を予測して、その未来に必要なスキル・能力・経験は何かということに悩むより、理想の未来を自分たちで作っていくという世界観を持ちたいし、子どもたちにも、また関わっていただける大人の人にもそういう世界観を共有したいのです。そしてその理想の未来の実現に、この学校がどう貢献できるかを考えて、パーパスとして旗を掲げたいと思っています。

私たちが学校を作ろうとしている安比高原は、自分の人生を歩もうと、一歩踏み出す人には最高の学びのフィールドです。次回の記事では、安比高原について書こうと思います。


安比高原のレンゲツツジ

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