『急変の恐怖。一人で歩くことが出来なくなるなんて…』
突然、襲われた腹痛。
いつもの胃腸炎かと思いきや、
とりあえず訪れた病院で撮ったCTの画像には
激しくむくみ、
腫れ上がったS状結腸が写し出されていた。
『憩室炎』。
それが私が今陥っている病気の名前だった。
即、入院が決まった金曜日の晩。
車と病院を自力で運転して往復。
身の回りのものを取って病院に戻った。
激痛と発熱。
痛み止めの点滴を打ってもらって
なんとか病室で寝ることが出来た。
2〜3日で帰れると思った。
点滴も1日2日で外れると思った。
ところが…
翌朝、目覚めると
発熱のため意識は朦朧。
お腹の激痛は続いていた。
トイレに行くために立とうとした。
ヨロっ…
なんと、
自分の足で歩けない…。
熱のせいかフラフラする。
身体が重い。
動かない…。
これには自分でも驚いた。
看護師さんが付き添ってくれた。
点滴のポールにすがりつき、
ぶら下がるようにして歩く。
昨夜はクルマが運転できたのに
今朝は一人で歩くことすら危うかった。
その急変に…
自分の体力のなさ加減に愕然とした。
私、ヤバいかも…
ベッドから起きあがれない、
歩けない、
ダルい。
身体が信じられないほど重い。
こんなに簡単に
人の体力は転げ落ちるように弱って行くものなのか…
あまりの急変におののいた。
なんとかトイレから戻ると
重い体をベッドに横たえた。
またまた痛み止め。
その後、抗生物質の点滴。
これほど点滴が有難いと思ったことはなかった。
ただただ寝るだけ。
絶食はもちろんのこと、
水を飲むことも許されない。
あぁ、私、どうなっちゃうの…
ふと見た病室の窓からは
綺麗な神戸の街が輝いていた。
つづく。