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『病状に変化が…。この入院が意味すること。』



入院してから…
飲まず食わずで丸4日と半日。
抗生物質の点滴が効いて来た。

毎朝、
病室のベッドで目が覚めるたびに
身体が軽くなっている。



金曜の晩に緊急入院。

土曜の朝は驚くほど酷かった。
お腹の激痛が目覚めとともに戻って来た。

発熱して頭痛もあり、
一人で歩くこともままならなかった。

日曜の朝。
熱が下がった。
寝ている状態では痛みも無くなった。

ただ…
動くと腫れている腸の患部に響くのが分かった。
これまで内臓の場所を意識したことはなかったが、初めてS状結腸の場所が分かるようになった。
触ってみると固くなっている。
腫れていることが
痛みと、外からの状況と両方で分かった。

少しずつ腸も動き始めた。

一人で歩くことが出来る様になった。
大きな進展。
嬉しかった。

月曜の朝。
軽くベッドで起き上がることが出来た。
お腹の痛みもほぼなくなった。
身体に羽が生えているように軽く感じる。

そして火曜。
普通に歩けるようになり、
声もお腹から出る。
食べられない、それ以外は
ほとんど入院前の状態に戻って来た。

いつもの状態に戻っただけでも
めちゃくちゃ有難い。

普通って、当たり前って、
本当に素晴らしいことなのだ。
自由に動けるありがたみを
身体いっぱいに感じる。

あとは点滴が外れて、
まずは水を口から飲むことが目標。
次はおもがゆだ。

凄いな。
水が飲めるだけで、こんなに嬉しい。
生きている、
そんな実感がこんなに嬉しいなんて。

同じ社会に生きている人でも…
例えば電車に乗り合わせた隣同士の人でも
同じ窓から外を眺めても
見える景色は違うんだろう、そう思った。

当たり前の日常を当然と思うか。
当たり前の日常が
どれだけかけがえの無い
有り難いものだと思うのか。



昨日、
大腸癌から社会復帰した友人と
メールのやり取りをした。

『2回目にもらった人生だから、
 当たり前のことが出来るのが、
 めちゃくちゃ嬉しいし、楽しい。』
友人はそう言っていた。

本当だ。
私は今、
身体が軽くなっただけで、
これだけ喜んでいる。

水を飲めるようになったら、
どんなに気持ち良いか。
喉を鳴らしてゴクゴク飲むことを想像して、
それを夢見ている。

同じ社会に生きていて、
同じ環境でも、
人によって受け止め方は、
全く違うんだろうと改めて思う。




もっと感謝しなくては。
感謝して生きなくては。

改めて、そう思う。
心がまっさらになった、そんな雨の朝。


つづく。

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