『お化けは怪奇現象ではなく、日本では、すっかり文化です。』
お茶室の電気がついたり消えたり…
そして、どこからか…
カラーンコロンと下駄の音が。
そんな始まり方をするのは
京都は蓬莱堂の『納涼茶会』。
そもそも待合のお軸は
「唐傘」でした。
つまり!
「唐傘」と言えば…「唐傘お化け」です。
そんな前振りにご亭主の安盛さんは
お茶目にピースサイン♫
まさに怪談な演出で
ヒヤッと涼しさを感じさせる“おもてなし”なのです。
お濃茶の時には、さりげなく…
『一口お残しください。』とのお言葉が。
何が始まるのかと思いきや!
お濃茶のお菓子に登場したのは、
なんと!
バニラアイスクリーム。
お茶碗に残った抹茶をかければ、
たちまち抹茶のアフォガードの出来上がりです。
こちらも、
ヒヤッと口の中を心地よく冷たくする
“おもてなし”。
お濃茶を見るたび、
アイスにかけてみたくてウズウズしていたのは
私だけではなかったようです。
お薄にうつると
うやうやしくで出て来たのは…
出ましたぁーっ!
唐傘お化けのお菓子です!!
亀屋則克製の本格的な和菓子が
な、な、なんと!
こんな演出で(o^^o)
水指には怪談に欠かせない井戸を演出したり…
床の間には…
牡丹灯籠を思い起こさせる灯籠の香合と、
本物の五徳に五寸釘が!
お百度参りと藁人形には欠かせない
頭に乗せる五徳と
人形に打ち込む五寸釘…
ひーーーーーーっ!!
もう完全に怪談やお化けを楽しんでいます(o^^o)
皆さんとの記念写真も
み〜んなお化けになりきります。
奇しくも…
蓬莱堂から歩いてすぐの南座でやっているのは
『牡丹灯籠』。
これまた夏の定番の演目です。
何度も観ている『牡丹灯籠』ですが、
やはり夏の風物詩、怪談を
観たくなるのは日本人ならではです。
海外にも
お化け屋敷のようなモノやお祭りは
あるとは思います。
とは言え、
こんな風に文化の中に染み込んで、
風物詩のように愛でられたり…
暮らしの中のお茶のおもてなしとして
楽しまれたり…
日本の夏になくてはならないお化け文化。
そんな日本の文化が大好きです。