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『実は楽しい後祭。その秘密、知っていますか?祇園祭も今日で終わりです。行く夏を惜しんで。』



コンコンチキチン、コンチキチン。
そんな祭囃子が響き
祇園祭一色だった7月の京都。

1か月にわたって多彩な祭事が行われる
八坂神社の祭礼である祇園祭も
今日、31日の疫神社夏越祭で終わります。

今年は、
3年ぶりに復活した山鉾巡行や歩行者天国。
宵山には30万人の人手があり
久しぶりに京の街に活気が戻りました♫




全国的には
華やかな前祭の巡行が
スポットライトを浴びがちですが、
実は後祭も、
それぞれの山や鉾町を巡ると
『動く美術館』と言われる、
何百年も前に作られた
歴史ある見事な懸装品の数々を
じっくりと鑑賞出来る楽しみがあるんです。

そんな後祭。
今年は特別な山も登場しました。

辻々のそぞろ歩き。
まずは鯉山へ…

山の横の小路を入って行くと…

普段は入れない
プライベートな空間に歩みを進めるドキドキ感。
たまらないです♫

その奥には…


目を見張るほど見事な懸装品の数々が…
一般の人に公開されているんです。

その中には重要文化財も!!

中国の「登龍門」の語源の逸話で、
鯉が龍門の滝をのぼり
龍になる勇姿をあらわす鯉山。

巡行では山の上に鎮座する
波間を泳ぐ躍動感あふれる巨大な鯉の木彫が
目の前に!!

そのお隣には…
なんと!
現在のベルギーで 16世紀に織られた
重要文化財のタペストリーの数々が!!

「その美麗な絵姿や細密な技巧と共に、アジアとヨーロッパを結ぶ地球規模の長大な交易路を経て京都へもたらされたという壮大なロマンがあり、見る者は感動と興奮を覚えずにはおれません。」
…と、京都文化博物館のHPにも
このタペストリーのことが載っています。

そうです!
普段は博物館で見られるような逸品が
ガラスの覆いもなく、目の前に!!
その色合いや風合いをリアルに味わえるんです。

前懸の中央の裾の部分には、
反転した“B”の文字が2か所にあるのを
知っていますか?

これはタペストリーが製作された場所である
「ブラバン・ブリュセル」
つまり…
現在のベルギー・ブリュッセルのイニシャル。

16世紀ヨーロッパの
毛綴織の一大生産地の名前です。

当時の交易の証ともなるタペストリー…
数百年の時を超えて
歴史ロマンを肌で感じられました。




続いては北観音山へ。
たまたま知人のお店が北観音山の保存会。

中に入れて頂きました(o^^o)
装飾品の大きさも近くで見ると迫力があります。


北観音山は上り観音と呼ばれ、
御神体は楊柳観音像と韋駄天立像です。

応仁の乱の頃から、
南観音山と1年交代で
山鉾巡行に山を出していたそうです。


祇園祭厄除けの花「檜扇(ヒオウギ)」も!!

普段、山が保存されている蔵も見せて頂きました。


山の上から下を見ると…
かなりの高さ!!

北観音山にもタペストリーが!!

一つ一つの山や鉾をみて歩くと
美術館や博物館をハシゴするより
豪華な美術品を間近で鑑賞出来ると言う豪勢な時間を過ごすことが出来るんです。

色々巡って、
最後に訪れたのは…

江戸時代以降” 休み山”となり、
196年ぶりに悲願の復活を果たした「鷹山」。

およそ200年ぶりの復活に
山の皆さんの活気には
ただならぬモノがありました。 

「鷹山」は、
大雨や火事など度重なる災害で大きな被害を受け
1826年を最後に、
巡行に参加出来ずに居ましたが、
町を挙げて7年前から本格的に活動が始まり、
ついに、今年!
悲願の復活までこぎつけたのです。



それぞれの山や鉾には
町の人々の想いや物語があります。

歴史ロマンや素晴らしい技術を味わうだけだなく
町の皆さんの想いを受け止めながら巡る後祭。

思わず胸が熱くなりました。

また来年もコロナに負けず
人々の願いが叶って
祇園祭が開催できることを祈って止みません。

いつか祇園祭を訪れることがあったら、
是非♫
後祭の山鉾巡りも楽しんでみて下さいねっ!!


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