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ビッグな映画に出演できるよ、と甘い言葉に誘われ危うく大金をせしめられそうになった時のお話 〜オーディション実践編〜

これは、なんちゃって役者をしていた時の記録。役者を辞めた後、確かに何も残らない。残らなかったけれど貴重な経験を沢山させていただきました!出会った方達、経験、かけてもらった言葉達、全てに感謝を込めて。ちょっとアングラな世界へようこそ。

・・・とか偉そうに書きながら実際はへっぽこエピソードのオンパレードです。楽しんでいただければ本望です!

※実体験を元に書いておりますが、エンタメ性を高めるために事実よりも盛った内容になっております。

Here we go!!
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前回「〜オーディションへのお誘い編〜」の続きです↓↓
こちら単独で読んでいただいてもわかる様になっておりますが、前回を読んでいただけるとより一層楽しんでいただけるかと思います!

小さな鏡張りのオーディション会場に入ると、薄明かりの中に座る男性が静かに言った。

「こんにちは。これよりオーディションを始めます・・・。」

至って普通の事を言っているのに私の頭の中では映画「サイコ」のテーマ曲が流れ始める。

キェッ!キェッ!キェッ!キェキェ!
キェッ!キェッ!キェッ!・・・・

文字であの曲を表すにあたって「キェッ!」が合っているかはわからないが、まあ、それはさておき。

その場でA4一枚分の台本を渡され、ペアになってそのシーンを演じる事になった。

さて、前回の記事を読んでいただくとわかるのだが、今回のオーディション参加者は女性3名、男性2名の計5名だ。そう、一人あぶれるのだ。

そこで、男性は先程のトーンを保ったままに言った。

「では、あなた達はペアになって。奈緒美さんはお題を出すので、そのシチュエーションで一人芝居をお願いします。」

今なんて言った・・・?一人芝居だと!?
そして私は思った。

私だけ難易度高くないか・・・??

まずは男女ペアになった4人が先に演じた。この演技がまた酷かった。

自分のことを棚に上げて申し訳ないのだが、一つも経験を積んでいないド素人そのもので、下手なりに頑張っている感じが伝わればまだわかる。しかしそんなものではなく、ものすごく小さい声でモゴモゴと棒読みもいいところであった。本当にこの業界を目指したいのか?と疑いたくなるほど、これ以上どう言えば伝わるのか・・・、とにかく酷かったのだ。

その様を見ながら、この人たちになら勝てる、と思った。

私の番が回ってきた。お題は、「殺人を疑われている人」
犯人である設定にしても、犯人ではなく潔白を訴える設定にしても良いとの事で、結末は演じながら行き着くところに着けばいいか、と思いいざ演技を開始した。

自分でも驚くほどにスラスラと言葉が出てきて、割と伸び伸びとやれた気がする。そう、負ける気がしなかったから。

演技を終えた後に、歌の審査に入るという事になった。

順番は先程の演技順に応じて、私は一番最後に歌う事になった。

これまた、みんな信じられないくらい声が小さく、音程もリズムも取れていない酷い有様であった。よっしゃ、ここでも余裕で勝てるぜ。

私は歌がとんでもなく上手い、というわけ訳ではないが、それなりの音感は持っているので、オーディションではこれくらいの熱量で歌わなきゃダメだよ君たち、ヘッ!くらいの上から目線な心をどうしても隠しきれずに歌った。しかも、英語がふんだんに使われる宇多田ヒカルさんの「First Love」をネイティブの発音で歌ってみせた。きっとその時の私の鼻は東京湾にかかるアクアブリッジ並みに非常に長く天狗化していたに違いない。

なぜその歌を選んだのですか?と聞かれ、私ははっきりと答えた。
「英語ができますよ、と提示する為です!」と・・・。
(もちろん実際に大好きな楽曲の一つなので悪しからず・・・。)

「はい、これでオーディションは終了です。後日事務所より結果を連絡いたします。」

それで、地下ダンジョンで行われた謎のオーディション、いや何をおっしゃるか、映えあるビッグな映画のオーディションは無事に終了した!そして私も生きて帰って来れたのだ。

数日後、事務所から連絡があり、「合格」したとのこと。

映画出演の契約を結ぶために再び事務所に足を運ぶこととなった。

そこで待ち受けていたのは・・・!!

はい、今日はここまで!
果たして、事務所で奈緒美は夢を掴めるのか!!???

いや、もうタイトルに書いてあるんですがね、掴めてないってことは。
今日も良い1日を〜!

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奈緒美フランセス
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