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教育現場の未来について

コロナ禍による様々な議論が飛び交う昨今。
私が勤める教育現場も、登校できない学生のために試行錯誤しながらこの一ヶ月はオンライン授業を中心に進めている。
そしてこれがなかなか悪くない。

まあ、オンラインに不慣れな学生のために1科目30分と短い授業だが、これがまた見事な出席率で。普段不登校気味の学生もオンラインならちゃんといる!そして質問や発表もミュート機能のお陰で人目を気にせず出来るみたい。そのため、学生たちは毎日素晴らしい集中力で知識を吸収していく。
確かに、体を動かすものやグループワークなんかは難しいけど、緊急事態宣言が解除されれば、3密対策をした授業にも来られるようになるだろう。
その時に、不登校気味の学生が来られるのか確信は持てないが、長年教育現場にいる私の見解は「きっと来る」だ。

不登校の学生の大半の理由は人間関係。つまりコミュニケーションが苦手な子が多い。
人と話すのが苦手なのではなく、話題が合わないことで閉じていくコミュニケーション。
そういう学生は、好きなものが同じ世代の子たちと違ったり、偏ったりして分かってもらえない寂しさから閉じていくことが多い。
令和の時代の18歳が、高倉健が好き。尾崎豊が好き。ジェームスディーンの「理由なき反抗」がバイブル。て、絶対に同世代と話合わないですよ(笑
そんな子も学びたいという気持ちを持って入学した以上は、学校の責任として、一人一人に学びやすい環境を提供することだと思うんです。
性格、思考、体格、性別、全てにおいて同じ人間なんていない。当然学びやすい環境も人それぞれ。
新型コロナは大変厄介ですが前向きに考えるなら、今までの型にはめた教育から、一人ひとりの個性を大切にした教育にシフトするいい機会だと思います。その一つとしてオンライン活用は継続させて欲しいな。

もう一つは、世間で議論されている9月入学は確かに世界基準かもしれないけど、やっぱり日本人は日本の文化が好きじゃないですか。
外国人タレントとかが「なぜ卒業が悲しいの?嬉しいでしょ?」みたいなことを言うけど、いやいや、それはお宅のお国の話であって、日本では入学式も卒業式も情緒なんです。
出会いと別れの季節が3月4月で、桜の季節が年度の節目と、生まれたときから体に染みついている。そういう生活様式で生きてきたものを、「世界基準」という簡単な言葉で覆さないで欲しいのです。
「切ない」というザックリとした感覚(センス)は欧米にはありません。これは日本人だからこそ理解できるセンスです。そんな唯一無二のセンスすらも、世界基準にしようとするのは大反対です。
上で述べた、型にハマれない子供たちも日本育ちで、ハイセンスの持ち主です。こういう子供たちのセンスを殺さず日本人として誇りを持って生きてもらうために、時期を変えることなく教育制度を変えていけばいいのだと思います。


だから私が提案したいのは、この2020年を無かった一年として、来年の4月入学。これが一番綺麗だと思うんです。
だからと言ってこの一年遊んでいていいかといったらそうではなく、通信制の学校が認められているのだから、2020年だけは全ての学校は通信教育制度を採り入れ一歩でも二歩でも前に進みましょう。そして、2021年4月に晴れて入学、進級です。
ワクチンが承認されるまで1年以上はかかります。あと4ヶ月先の9月に入学なんて、個人的に到底無理だと思っています。

今年は就職活動も悲惨な一年になります。だとしたら、まず経済活動を再開し、地盤をある程度戻してから教育に入る方が建設的ではないでしょうか。
経済活動はやむを得ないとして、教育は危険を冒してまで急ぐ必要はあるのか疑問です。
もう少し落ち着いた議論をするためにも、この一年を有意義に使ってほしいと願います。

頑張ろう日本!

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