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わたしの居場所

人生の約半分、20年という時間を海外と日本を行ったり来たりで生活している私には、家庭以外の安定した居場所というのが、物理的にも、精神的にも、これまであまり無かったように思う。

この20年、数えてみると、私は就職を機に上海に引っ越したのを始まりに、
その後5回の転職、そして結婚、2回の海外駐在帯同などで、
国内外を問わず13回も引っ越ししている。
(今回改めて自分で数えて見てその回数に驚いた。。)
しかもそのうち転職を機に上海から日本に引っ越し、結婚するまでの2年間の中で、
大きいスーツケース2つに全ての荷物を詰め込んで、日本と中国を2〜3週間毎に行き来しながらウィークリーマンションを転々とする日々もあった。
(因みにこのウィークリーマンションの生活は今回の13回の引越しには含んでいない)

私は元々、群れることが苦手で、誰かに合わせての集団行動もあまり得意ではなく、
小中高と、部活以外の生活はほぼ単独行動が多かった。 

交友関係はいつも、広く浅くというよりは、狭く深くの人間。
転職や引越しを繰り返す中、やはり狭く深い交友関係がメインで、
その土地土地でとても親しくなる友人や同僚は居たけれど、
お互いの帰国や移動、結婚、出産、転職などのライフイベントなどで、なんとなく疎遠になり、
交わすのはお誕生日のお祝いメッセージやお正月の挨拶だけ。数年も経つとそれすらも無くなってしまうと言う関係がほとんどになってしまった。
(もちろんずっと続いている大事な友人たちもいるけれど。)

転職したり、引っ越したりする度に、人間関係を一から築くのはいつだってもの凄いパワーを必要とした。
それが自ら飛び込み、選んだチャレンジであれば、ただがむしゃらに乗り越えられたけれど、
夫の仕事の都合やコロナが原因で自分の意思とは裏腹に飛び込まざるを得なかった場合は、
見知らぬ土地でそれをやり遂げることに苦労することもあった。
そしてやっと安定したかなと思ったら、また突然夫の転勤の辞令が出たり、それが直前に変更になったりを経験すると、
いつからか新しい環境で人間関係を作るのが億劫になり、出会いやチャレンジを避けていた時期もあった。

でも振り返れば、これまでの自分の人生の転機と言えるきっかけは、やはり人との出会いやご縁。
どこかで環境の変化や、出会いと別れに心が疲れている自分もいたけれど、本当はどうしたい?の自分への問いかけに見つけた答えは、
"自分の心の赴くまま、アンテナが立つところには思い切って飛び込んで、たくさんの人に出会って、パワーをもらって、
時には自分も誰かにパワーを与えられる存在になって、成長し続けていきたい。"
と言うものだった。

そんな私が今、自分の居場所にしていきたいと思えるコミュニティがオンライン、リアルで幾つかある。
そのうちの一つが、約1年前から参加させてもらっている、design meだ。


ここは、ワクワクを原動力に、しなやかに生きる女性を増やしたい!と言うコンセプトのもと、
世界22ヵ国から130名の海外在住者、経験者が集まるオンラインコミュニティ。

先日12月の定例会で、本帰国したメンバーへのインタビューと言う企画で、登壇させていただいた。

私はここで、

  • 駐在したからこそ今の道が開けたエピソード

  • セカンドキャリア(働き方、築き方、人脈)と大切にしているマインドセットについて

  • 逆カルチャーショックについて

の3つについてお話しさせていただいた。

初めこのお話をいただいた時は、自分で良いのかな?と不安もあったけれど、
登壇を終えての今は、この機会をいただけて本当に良かった!と言う気持ちでいっぱい。

"海外に住んでいる、住んでいた"と言う共通項でつながる私たちは、
年齢も、住んでいる場所も、その経緯も、バックグラウンドは人それぞれ。
でも、この共通項が一つあるだけで、抱えている思いやモヤモヤだったり、
目指している未来にも共通項がたくさんあり、ここで話すトピックは、共感と学びの連続。

今回の登壇をきっかけに、自分のこれまでを改めて振り返ることが出来て、
葛藤や暗黒期を思い出すのは少しだけ辛かったけれど、(実際リハでも当時を思い出して泣いてしまった笑)
そこで得た経験や学びを、この否定もジャッジもされない安心安全な場で自己開示することが出来て、
それが誰かの共感や自分だけじゃないと言う安心感、または自分もやってみようという
何かのきっかけに繋がったような手応えを感じて、とても嬉しかった。
皆さんのコメントや感想一つ一つから、何より自分がパワーをもらえた気がした。

そしてもう一つ、一緒に登壇させてもらった素敵なふみさんに出会えたのも
この企画に参加させてもらって得られた宝物の一つ。
彼女の話も共感することがたくさんですごく頷きながら聞けたし、
同じように私の話にも共感してくれ、私が言語化できない思いを一つ一つ拾って
代弁してくれる彼女の姿勢がとても嬉しかった。
そして、今回を機に出会った彼女のnoteが共感の嵐で秒でファンになってしまった。

20年前の私は、こうやってオンラインでも安心安全な場で、自分の居場所が出来るなんて想像もしていなかったし、
そこからリアルでもつながることの出来る大切な友人ができるなんて思いもしなかった。

出会いと別れを繰り返しながら、その場その場で一から環境を整えて、
人間関係を構築して、振り返る暇もないくらいにただ必死だった日々。
どこか戸惑う自分の気持ちを置いてけぼりにしたり、見て見ないふりをしたりを繰り返すことで、
心身の不調をきたしたこともあった。

でも今は、こうやって世界中の人々とリアルタイムで繋がることができて、
共感しあえて、インプットとアウトプットの場がそこにある。
そこで見聞きする誰かの経験や言葉を自分と重ねて、自分の思いに気づいたり、
モヤモヤしていることを解消するヒントに出会えたりもする。

1年前、思い切って飛び込んでみたこのコミュニティで、こうやって貴重な機会を頂けて、
たくさんの素敵な出会いにも恵まれて、心から良かったと思うし、
これからも、自分のアンテナが反応するモノやコトにはやはり積極的に飛び込むのが吉!と改めて思わされる経験になった。

20年間に13回もの引っ越しを繰り返してたどり着いた私の居場所の一つひとつを、
これからも大事にしながら、成長していきたい。



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