月曜日はあかさんの気になる終活ニュース!相続後持て余す土地を国へ…『相続土地国庫帰属制度』富山県内でも宅地2件申請 相談件数は約130件に
月曜日は「あかさんの気になる終活ニュース」ということで、5月1日より毎週月曜日の朝、Youtubeで配信してまいります。
5月29日の今週の気になるニュースは・・・
相続後持て余す土地を国へ…『相続土地国庫帰属制度』富山県内でも宅地2件申請 相談件数は約130件に、ということで2023年5月23日の富山テレビ放送のニュースから「相続土地国庫帰属制度」についてお話ししています。
相続土地国庫帰属制度とは?
2023年4月27日にスタートした「相続土地国庫帰属制度」とはどんな制度でしょうか?
相続したけど、管理できない、放置すると近隣から苦情が出たりする・・どうしたら??というお悩みを解決する、切り札のようなもの?
救いを求めて、相談件数が急増しているようです。
そもそも相続土地国庫帰属制度は何が目的なの?
ご存知のように、少子高齢化や人口減少によって、あちらにもこちらにも空き家が増えています。
住まなくなった家って、痛みが早くてあっという間に廃墟のようになってしまいますよね。
ポツンと一軒家のような場所にあれば、崩れようとどうしようと誰も気にかけないかもしれませんが、街中にあったり近隣に家がある場合はどうでしょう?
そのまま放置すると危険!とみなされると、特定空家に認定されます。
特定空家になり、相続人には「管理せよ!どうにかせよ!」と通知が来るわけですが、それでもみんな知らん顔。
その後は行政代執行が行われるケースもあります。
ここに至るには、行政も相当大変なのです。
相続人を探して、連絡して、でも返事がなくて、また連絡して・・・
相続人が探しきれない!ということもどんどん増えてきて、解体費用を請求できない問題も増え続けています。
ということで、この問題を解消すべく、
「ちゃんと所有者も明確で条件を満たしたら、国に返してもいいよ〜」
という人参🥕をぶら下げて、
「土地を放置せずに、ちゃんと相続せんかい!」
と言うのが本来の?目的ですね。
次なる切り札は「2024年4月1日からは相続登記義務化」
先に人参をぶらさげて「国に返していいから、相続登記はちゃんとしようね〜不動産の相続はちゃんとしようね〜」と、相続土地国庫帰属制度がスタート。
この🥕に飛びついて「じゃうちも!」と多くの方が、この制度に関心を示し、相談件数が急増!
相談件数6000件って!!
いつになったら順番が回ってくるんだろうな〜と、素朴な疑問を持ちます。
やっぱり、この🥕作戦は効果があったんだな〜!
で、それでも反応しなかった人には、今度は🥕から一点💀「相続登記義務化」が2024年4月1日よりスタートします。
もう逃げられない!
相続が始まって3年以内、これまで放置していた人は、この義務化がスタートして3年以内に、相続登記をしなくてはなりません。
義務を怠ると・・・
実際に払うまでには、色々あるでしょうけどねぇ。
相続土地国庫帰属制度は希望の光か?
ニュースでも取り上げられているように、相談殺到の「相続土地国庫帰属制度」ですが、本当に希望の光なのでしょうか?
終活講座でお話しさせていただく時にも、昨年後半くらいからは「先生、いらん土地は国に返せるようになるんですよねぇ」と言われる方が多くなりました。
確かにそうなんですが、返すには「かなりの条件がある」ということを忘れないでほしいのです。
土地を国に引き渡せる”人”の条件
相続や遺贈などで土地を取得した相続人
複数人で相続した場合は、所有者(共有者)たち全員
ん?結構限定的です。
ではできない人は?
生前贈与で土地を相続した人
土地の売買などによって、自らその土地を取得した人
法人
え?なんで?生前贈与でもその土地の相続人じゃん!と思いますが、できないのです。
あくまでも
相続や遺贈で土地を取得した相続人
なのです。
制度を利用したいと考えている人、この要件に当てはまっていますか?
相続はしたくないけど、土地は国に返したい!はできないということです。
引き渡すことができる土地って?
引き渡しを希望する土地には、何も建っていないことが最低要件です。
ということは、空き家をそのままにはしておけないので、もしもこの相続土地国庫帰属制度を利用するのであれば、空き家を解体して更地にする必要があります。
その他にも、基準が結構厳しいんですよね・・・
要するに「誰もいらん!という土地は、国もいらん!」ということでしょうかね。
やっぱりタダじゃないよね?
そうですね〜やはり、タダってわけにはいかないんですよね。
もし、引き取ってくれることになった場合は
10年分の土地管理費相当額の負担金
が必要になります。
それっていくらくらい???という方、一応規定では
1筆ごとに20万円を基準に、つながっている2筆だと20万で済むとか、市街化区域又や用途地域が指定されている地域、森林など面積が広い場合は、面積に応じた金額が算出されたりします。
あ、そのくらいならよかった〜と思ったかた!
これだけじゃないんですよねぇ。
申請する際には、1万4千円の審査手数料を納める必要があります。
獲らぬ狸の皮算用の前にできることを!
今回は、相続後持て余す土地を国へ…『相続土地国庫帰属制度』富山県内でも宅地2件申請 相談件数は約130件にというニュースから、『相続土地国庫帰属制度』について解説していきました。
ニュースのように「やった!やった!我が家の土地も国に引き取ってもらおう!」と浮き足だって相談にいく人ばかりではないと思います。
が、相談件数を見ても順番はいつになったら回ってくるのか?ということです。
申請を出しても、審査までに相当な時間がかかる
審査を受けて通らないこともある
そして、審査中も、返したい土地は相続人の所有であり、そこには「固定資産税」がかかります。
誰が相続し、いつまで払いますか?
そのお金はどこから捻出しますか?
まずは相続人どうしてしっかりと話し合ったり、そもそも要件にあてはまる土地なのか?を調べる必要があるのです。
獲らぬ狸の皮算用よりも、現実をしっかりみて、今できることを進めましょう。
今回の気になる終活ニュースを動画で解説
Youtubeで配信した「あかさんの気になる終活ニュース」では、今回の相続土地国庫帰属制度について、詳しくお話ししています。
ぜひご覧いただき、チャンネル登録、高評価いただけると嬉しいです。
月曜日の朝は「あかさんの気になる終活ニュース」
毎週月曜日の朝7時30分の配信を予定しております。
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「書いて残す理由と意義がよくわかる!30代から始める「エンディングノート」のつくり方:赤川直美著