月曜日はあかさんの気になる終活ニュース!「認知症基本法」が初設立、「認知症観」は変えられるか?
月曜日は「あかさんの気になる終活ニュース」ということで、5月1日より毎週月曜日の朝、Youtubeで配信してまいります。
6月26日の今週の気になるニュースは・・・
「認知症観」変えられるか? 共生社会実現へ、基本法が成立、2023年6月22日の読売オンラインから「認知症基本法の本当の目的」についてお話ししています。
「認知症基本法」成立の本来の目的は?
今回このニュースを最初に目にしたのは、Yahoo!ニュースの記事でした。
その記事だけでは、認知症基本法を成立したからと言って、何がどう変わるのか?何をしたいのか?は見えてきませんでした。
確かに団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になる2025年問題は目の前。
焦りがあるのか?とも思いました。
しかし、本来の目的や想いは違うところにあるようだ、と気づいたのがこちらの記事でした。
目の前の2025年問題
団塊の世代全員が後期高齢者となり、超高齢化社会となるのが2025年。
働き手、人材不足、認知症の人の増加、一人暮らし又は高齢者のみ夫婦世帯の増加・・・
さまざまな課題が目の前に迫ってきました。
年金、医療費、介護費など、高齢者にかかる費用を稼ぎだす人材は不足し、社会保障のあり方も大きな改革が求められています。
2025年には高齢者の5人に一人が認知症に!?
認知症基本法のニュースと同じ日、こちらもニュースになっていました。
確かに、認知症の人が増えれば、行方不明になってしまう人も増えていくのは当然です。
現在の日本では、以前に比べて認知症の人が行方不明になった場合の対応は進んできました。
とはいえ、街全体で見守る体制が整っているのか?もしかしたら、迷っているのでは?と気づいてあげられる人、声をかけてあげる人が増えているのか?と言えば、厳しい状況です。
今回の「認知症基本法」は「共生社会の実現」が大きなテーマであると言えます。
一般社団法人・日本認知症本人ワーキンググループ
今回の「認知症基本法」については、厚生労働省が検討する過程で「一般社団法人・日本認知症本人ワーキンググループ(藤田和子代表理事)」と「認知症関係当事者・支援者連絡会議」(「公益社団法人・認知症の人と家族の会」など4団体で構成)が、意見を出しています。
一般社団法人・日本認知症本人ワーキンググループ
を目的に、平成29年9月29日設立されました。
法人化の前から、厚生労働省や自治体の各種事業等へ、メンバーが委員として参加したり、認知症関連の大規模ミーティングを開催するなど、認知症本人による体験や思い、希望を語る活動などを積極的に行っておられました。
私自身も、2013年の協会設立直後に若年性認知症本人の丹野智文さんとの出会いがあり、さまざまな啓発活動に携わらせていただきました。
今回の法案に、認知症の当事者の方の意見がしっかりと組み込まれたことは、大きな成果と言えます。
認知症になっても人生は終わらない
「認知症になったら人生終わりだ」
「認知症にだけはなりたくない」
よく聞く言葉ですが、実際には認知症になっても人生は終わりません。
現に私の母は認知症と診断されて5年以上経ちますが、毎日「わからん、わからん」と言いながらも、同じく認知症の父の世話をしたり、散歩に行ったりしています。
やかんを火にかけたことや、今飲んだ薬のことは一瞬で忘れますが、毎月1回行われる、町内の清掃には、自分で起きて参加しています。
そんな母も「こんなに何もわからなくなったらおしまいよ!死んだほうがマシ!」とよく言いますが、そういう人に限って、人生の最期は簡単には来ないものです。
認知症の人と共に暮らす社会とは?
今回の法案では、裏事情としては「早期発見ができる機械の開発」があるというニュースは最初にもご紹介しました。
では、早期発見できれば、何か手立てがあるのか?
共生社会が実現するのでしょうか?
早期発見の必要性と課題
私も動画の中で話していますが、認知症の人が社会と関わって生活していくためには、早期発見はとても大切だと考えています。
ですから、母の異変に気づいた時、すぐに病院で検査を受けてみました。
しかし、実際には「異変を感じるけれど、検査を受けてほしいとは言えない」「本人がどうしても嫌がる」など、認知症検査を受けるハードルは非常に高くなっています。
以前は「がんと診断されたらこの世は終わりだ・・」と思われていましたが、がんは早期発見、手術や治療で治るところまできました。
だからこそ、がん検診を受ける人も増えたのだと思います。
しかし認知症はどうでしょうか?
有効な治療法はありません。
また、これまでの映画や各種メディアが「認知症」と言えば、何もわからない、何もできないというイメージを与えてしまったのは否めません。
ですから、もし自分が「認知症ですね」と診断されようものなら、人生が終わってしまうような絶望感を味わう人が多く、だれしも聞きたくない診断名になっているように思います。
「認知症観」を変えるために
しかし、認知症と診断された次の日から、何もできなくなるわけではありません。
母もそうですし、藤田代表理事も診断を受けて長い年月、少しずつの変化はあったとしても、社会の中で生活しています。
私は、認知症当事者の方達と出会ったことで、認知症と診断されるのが早ければ早いほど、その後の変化への対応に対する準備ができると確信しました。
現に母を見ていても、できないことは増えますが、できなくなる前に何度もやってみたり、できなくなりそなことをどうやったらできるのか?を考えて家電を買い替える時期や家の中の配置を検討してきました。
そして今も、なんとか日常生活を母なりに過ごせる工夫をしています。
今後の課題は、母が外でもしも迷子になった時、声をかけてくださるネットワークを作ること。
これからの社会、本当の意味で共生社会を実現するには、認知症に対しての正しい理解と「認知症観」を変えることが必要です。
今回の気になる終活ニュースを動画で解説
Youtubeで配信した「あかさんの気になる終活ニュース」では、今回の内容について、詳しくお話ししています。
ぜひご覧いただき、チャンネル登録、高評価いただけると嬉しいです。
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