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写真家、大門美奈さんに。

休日、東京へ出かけた。写真家大門美奈さんの
個展が始まるのだった。
先月、リコーというカメラ会社のホームページを
覗いていたら、このかたに出くわした。
コラムを読ませて頂いたら、カメラについて、
日々の暮らしについての台詞に味があり、
引き込まれた。けっこうな酒好きのかたで、
コラムにもツイッターにも、酒のネタが尽きない。
同胞ですと声をかけたくなった。
先日、近所の蕎麦屋の北野家で、だし巻き玉子を
つまみに長野市信州新町の、十九の純米吟醸を
酌んでいたら、ひらめいた。
大門美奈さん、酒に例えるならこれだな。
きれいな旨味が有って、涼やかな余韻を感じさせる。
そのようなかたとお見受けしている。
茅ヶ崎在住で、毎日海を眺めて暮らしている。
先日、「浜」という写真集を買わせていただいた。
地元茅ヶ崎の海と人を写したモノクロの写真は、
海と共に暮らす人々の、静かな力を感じさせる
写真集だった。
このたびの個展は、その続編ということで、
「浜のあとさき」と名付けられている。
渋谷から、こだわり酒場レモンサワーを
飲みながら、東横線で横浜の反町まで。
駅を出て、反町浴場を過ぎていくとじきに、
ギャラリー、Place M Yokohamaに着いた。
壁に並んだ作品は、このたびも茅ヶ崎の海の
風景がモノクロで切り取られている。
拝見していたら、大門美奈さんご本人が、
旦那様と一緒に御挨拶に来てくれた。
ツイッターいつも拝見しています。酒のネタが
多くて楽しいですと伝えたら、美しい目じりを
下げて微笑んだ。
室内のソファーの片すみに、個展の開催のお祝いに
もらったとおぼしき包みがふたつ置いてあった。
ひと目で日本酒かワインか洋酒と見当がついて、
酒好きは皆が認めているのだった。
こちらも手土産に、十九を持参しようかと
思ったものの、
この炎天下の中、延々酒瓶をぶら下げていたら味が
劣化する。
大門さんを日本酒に例えるならこれという銘柄が
長野に有ります。今度送らせてくださいと言ったら、
旦那さんが、鬼ごろしみたいな酒ですかと笑った。
お会いできて良かったです。挨拶をして、
お二人に見送られてギャラリーをあとにしたのだった。
暑い中、爽やかな気分に浸った、好いひとときだった。

炎昼や涼呼ぶ海の景色かな。


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