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夏休みになって。

暑い日がつづき、夜も寝苦しい。
眠りが浅いせいなのか、ここのところ、
おかしな夢を見ては目が覚める。
先だっては、飲み屋から帰ってきたら、
玄関の戸が開いている。入ってみたら、仕事場も
二階の住まいもめちゃめちゃに荒らされて、
有り金が全部なくなっていた。キャッシュカードも
消えていて、呆然としたところで目が覚めた。
夢だとわかっても、財布の中身と仕事場のレジの中を
確認して、ようやくほっとしたのだった。
それからしばらくしたら、長野駅前の本屋で、
財布とスマホの入ったバッグをなくした夢を見た。
いくら探しても見つからず、途方に暮れたところで
目が覚めた。またしても、財布とスマホの無事を
確認してしまった。
確かにこれまで、酔っ払った帰り道で
落としたことや、泥酔している夜中に、駐車場の
バイクを盗まれたことがある。いまだ気持ちの
根っこに悔恨が残っているのか、
それともなにかの暗示なのか、詳しいかたがいたら、
教えていただきたいことだった。
そのまま起きて、早朝の散歩に出ると、ここ連日、
子供たちの姿を目にする。
夏休みが始まって、ラジオ体操に行くのだった。
お母さんと一緒だったり、
友だち同士で肩を並べて歩いていたり、慌てた様子で
走っていく子に、朝から子供たちの元気な姿を見かけると、
気分が清々しくなる。
平林街道のツルヤの手前を右に曲がったら、
子供たちが住宅街の公園に集まっていた。
そのまま南へ下り、三重公園のわきの住宅街を抜けて
行くと、守田神社の境内で、
お母さんと子供たちが、のびのびと体操の
真っ最中だった。
横目で眺めて過ぎて行ったら、
遅れて神社に向かう男の子とすれちがう。
おれはまだ眠いのだという顔つきで、
だらだら歩く姿がおかしくて、
お~い、もう体操おわっちゃうぞ~。
声をかけてしまいそうになった。
夏休みが始まると、自宅の前の路地を登下校する
子供たちがいなくなり、静かになる。
連日、路地に蝉の声が響くようになり、
ひととき、絞り出すような鳴き声が、
夏の静けさをより感じさせているのだった。

寝ぼけ顔ラジオ体操夏休み。


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