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遠藤彰子展へ。


休日の月曜日、上田へ出かけた。
上田市立美術館で、遠藤彰子展が開かれて
いるのだった。
昨年美術館におじゃました折りに、遠藤さんの
作品展開催の知らせを見て、興味を引かれたのだった。
1947年、東京生まれの画家で、若いころから近年の
作品が会場に並んでいる。
見上げるような大きなキャンパスに、深みのある濁った
色合いで描かれているのは、
無機質な街の中、うねりくる大自然の中、戸惑いさまよう
大人とも子供ともわからない人々の姿で、
予期せぬ時代の変化に自然災害、自身を襲った
重荷を通じて、
生きるさなかに押し寄せてくる不安と、探し寄せたい
希望がないまぜになって描かれている。
静かで激しい想いが迫ってくる作品を前に、
ぎゅうぎゅうと胸が圧倒されてしまった。
どうすればこんな強い想いを、その歳まで描き
つづけられるのか。
毎日ぬるま湯に浸かっているような身は、畏怖を
感じてしまった。
作品の最後に、このたびの作品展について、
ご本人の挨拶が飾られていた。
長野県での個展は初めてということ。
若い頃、山本鼎記念館と信濃デッサン館の作品に触れ
勉強させてもらったこと。
現在、上田市立美術館の資料と美術品の収集委員を
していること。縁のある上田での個展に喜びを
感じています。本当に感謝の気持ちでいっぱいですと、
述べておられた。
愛嬌のあるイラストが添えてあり、ほっとした気分で。
こちらこそ、すごい作品を拝見できて感謝です。
キャンパスに向かうお写真にお礼を述べたのだった。
美術館では、来月になると山下清展が始まるという。
ほんとに毎回好い企画を開いてくださるなあ。
受付のお姉さんにお礼を述べて美術館を出た。
さて昼酒をと、通りを上がって馴染みの寿司屋に行ったら、
月曜日の昼の営業をやめましたと知らせが出ていて
ふられた。
コロナ禍で客足が減って、おまけに光熱費に食材の値上がりが
続いている。どこの飲食店も、経費がかさまぬよう、
営業の変更を余儀なくされているのだった。
中華料理屋の美華に河岸を変えて、駆けつけてきた
上田の友だちの近況なんぞを聞きながら、
エビチリとワンタンをつまみに、キリンのラガーを
酌んだのだった。

美術館出て中華屋の冬日かな。







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