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写真家、相原正明さんと。

赤坂のフジフイルム・スクウェアまで、写真家、
相原正明さんの個展を観に出かけた。
地下鉄の乃木坂駅を出ると、目の前に、青山霊園が見えた。
まだ、高いイチョウの黄色が冬晴れの空に冴えている。
広い敷地の中を歩いて行くと、見上げるようなりっぱな
墓が並んでいて、お偉いかたがたくさん眠っている。
真田家之墓と刻まれた、大きな墓石があった。
近寄ってみたら、かつて信州上田の地を納めていた
真田家の家紋、六文銭が刻まれている。上田を愛する身は
嬉しい遭遇に、はるか上田の平和を見守ってくださるよう
手を合わせた。
時間を見計らって個展の会場に行くと、
相原さんご本人がいらっしゃった。
十年前に、カメラで写真を撮るようにした。
カメラについてはまったく疎く、パソコンを開いて
あれこれ調べていたところ、富士フイルムの
ホームページで、オーストラリアの
自然を写した作品が目に留まったのだった。
すてきだなあと思い、ご自身のブログを覗いたら、
長年にわたり、オーストラリアの風景を撮りつづけている
かただった。その傍ら、日本の風景写真も数多く
撮っていて、徳島に高知に大分に北海道、信州にも
足を運んでいる。ときにはホンダかBMWの大型バイクを
駆使して、ものすごい距離を移動して活動している。
ぽっこりお腹の体形からは、想像がつかないほど
身のこなしが軽いのだった。ブログでは
富士フイルムのカメラの好さも詳しく述べており、
読ませていただいたのをきっかけに、
我が愛機としている。
このたびの個展では、五十点の作品が並べられていた。
ブログでも、開催までの気苦労に、写真家としての
気構えをせつせつと述べておられていた。
今はSNSでプロのかたの作品が気楽に拝見できるけれど、
生のプリントを目の前にすると、吸い込まれるような
迫力がぜんぜん違う。
会場から立ち去りがたく、何度も行き来して
拝見させていただいた。
仕事で長野に来たときは、地元のスーパー、ツルヤも
贔屓にしてくださっている。
ツルヤのオリジナル商品がお気に入りで、
ピザにカレーにビーフシチューにりんごジュースを
ブログで褒めていた。
オーストラリアで、さんざん旨いワインを
飲んでいるのに、ツルヤの三百円のワイン、
美味しいです、などと言っている。
先日、仕事で上田へ来た折りに、上田駅前の飲み屋での
様子がブログに載っていた。
料理の写真を観たら、我が馴染みの幸村ではないか。
そこで飲んだ和田龍が格別でしたと言っていて、
でしょ。和田さんの和田龍は旨いんですよお。
顔なじみのお蔵さんの味を褒めてもらい、嬉しくなった。
語り口の静かな気さくなかたで、素敵な作品と共に
和やかなひとときを過ごさせていただいたのだった。
ぜひ長野や上田で個展を開いてくださいとお願いをした。
その折りには、和田龍とツルヤの肴を土産に
馳せ参じたいことだった。

赤坂へ会いたきかたと冬ぬくし。









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